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第3章 アレクを狙って

第574話 魔物の街の最大戦力が集まる!

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オレール達は、ストレンの街にある商業ギルドに行って、転移魔道具を借り、魔物の街へと転移する。
そして、王城から敵が転移してきても対処できるように、商業ギルドへ騎士を配置したのだ。

「ファビロさん、王都が大変なことになっていまして、すぐに兵を広場に集めてくれませんか?私は、闘技場に行ってきます」

「畏まりました!訓練場にいる兵に声をかけてきます」

ファビロは、すぐさま訓練している魔物達を呼びに行く。
そして、オレールは最強の男達が待つ闘技場に向かうのだ。

「伯爵様、魔物ばかりで、圧倒されてしまいます!ストレンの街にも驚きましたが、それ以上です」

ロナンは、闘技場に向かう道中、右を向いても左を向いても魔物、魔物、魔物、ドワーフという割合で存在している魔物の街に驚く。ロナンは、田舎から都会に初めて出てきた人のような感じで、キョロキョロしているのだ。

「私もですよ!話だけは、師匠から聞いていましたが、普通に魔物同士が仲良く生活しているとは思いませんでした」

スベアも、修行修行の日々を送っていたので、摩訶不思議な非現実的な街中に圧倒されてしまう。

「フフッ、アレクくんは素晴らしいですよね!まさか、あっという間に、人材を集めて街を作ってしまい、魔物を従えてしまうのですから」

オレールは、アレクの人を惹きつけてしまう魅力は、他者を圧倒して群を抜いていると思っているのだ。

「フッハハハハ、なんか全てがどうでもよくなってきた!こんな世界を見せられたら、そう思うしかない!伯爵様、改めて私に、新たな世界を見せて頂き、ありがとうございます」

ロナンは、もうこの状況を笑い飛ばすしかなかった。そして、今までの苦労していた自分は、ちっぽけな存在だったのだと気付かされる。

「う~ん!?確かに、ここで怖じ気づかれては困りますね!おっと、シールド!」

闘技場の目の前に着いて、オレールが話していると、ドカーンと凄まじい音とともに、闘技場の壁が吹き飛んで人が飛んでくる。
オレールは、二人を守るために、シールドを張ってガードするのだ。

「ノックス、また破壊したんですか?ドワーフに怒られますよ!それより、豪牙さんは大丈夫ですか?」

飛んできた豪牙は、瓦礫とともにシールドに当たって止まる。ロナンとスベアは、いきなりの出来事に、腰を抜かして驚くのである。

「あ痛ててて......って、オレール戻ってきたのか!」

「おっ!?オレール、早かったな!ほぅ、スベアは別人になったな!手合わせするか?」

シールドに頭を打ち付けた豪牙は、頭を擦りながらオレールを見る。
そして、穴の空いた壁から、大剣を肩に担いだノックスが姿を現す。しかも、相変わらずの戦闘狂ぶりで、強くなったスベアを見た瞬間、模擬戦に誘うのだ。

「ハッ!?え、え、え、む、無理です!私を殺す気ですか?まだ死にたくありませんよぉぉ」

スベアは、我に変えると慌てて拒否をする。成長して自信はついたのだが、相手の力量を測る能力も上がっていて、目の前の怪物に怖気づいてしまう。

「そうか!いつでも、言ってこいよ!よし、楽しみが増えたな!デストロイ、俺と手合わせしてくれ」

ノックスは、豪牙との模擬戦を終えたにも関わらず、すぐにデストロイとの手合わせを開始しようとする。

「ノックス、アントン様からの要請で、王都を取り戻しに行くのですが、参加してもらえませんか?第一王子が、反乱を起こしたらしいです」

オレールは、手合わせばかりするノックスを見て、額に手をやってヤレヤレと言った表情をする。

「お!おもしろそうだな!久々の実戦か!?行くぞ!」

ノックスは、すぐに体を反転させて、オレールのとこに駆け寄ってくる。

「豪牙さんとデストロイさんも、参加してください!時間の猶予がないようなので、最大戦力で解決しましょう」

「俺を王都に行かせていいのか?住民を無差別に殺すかもしんねぇぞ!」

デストロイが、穴の空いた壁から姿を現して、ニヤリと笑いながら言う。

「はいはい!最近の優しくなったあなたを見たら、殺さないのはわかっていますから、そんな無駄口を叩いてないでついて来てください」

オレールは、手をヒラヒラさせながら、デストロイを軽くあしらう。

「お、おい!俺は、優しくなってねぇぞ!殺すぞ!って、無視すんな!おい!待てよ」

デストロイが、言い返しているにも関わらず、オレール達は無視をして、屋敷へと向かう。
デストロイは、無視されたことを怒りながらも、寂しい気持ちにもなり、走ってあとを追うのだった。
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