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第3章 アレクを狙って

第573話 ストレンの街に到着!オレール達が動き出す!

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王族派の貴族に力を貸してもらって、早馬を乗り継ぎながら3日かかる道中を1日で走破してストレンの街へ辿り着いた。
そして、アントンは心労がたたり、バトラーに支えられながらヨゼフの屋敷に着いたのである。





アントンがヨゼフの前に現れた時まで戻る。

「宰相様!どうされたのですか!?セバン、今すぐにポーションを持ってくるんじゃ!そして、寝室の用意をするんじゃ」

ヨゼフは、アントンのボロボロになった姿を見て、慌てふためく。

「ヴェルトロ伯爵、緊急です!すぐにでも、王都を......」

アントンは、全てを言い終わる前に、力尽きてしまう。

「宰、宰相様!セバン!今すぐに宰相様を治療するんじゃ!」

「は、はい!畏まりました!」

セバンは、アントンを抱きかかえると、走って治療へと向かう。

「ヴェルトロ伯爵様、王都で何が起こっているか、私からご説明しても、よろしいですか?」

セバンが、去ったあとにやってきたのは、バトラーであった。バトラーも、50歳を過ぎているので、強行してやってきた疲れが表情に表れていた。

「おぉ、バトラーも、一緒じゃったんじゃな!うむ!王都で、何が起こっておるのか話してくれんか?」

「話しの前に、こちらをお飲みください!アレクくん特製のハイポーションです」

オレールは、立ち上がって魔法鞄からハイポーションを取り出してバトラーに渡す。
バトラーは、「ありがとうございます」と一言言ってから、全てを飲み干す。

「初めて飲みましたが、凄い効力ですね!あれだけ疲れていた体が、一瞬にして回復しました」

顔色が悪かったが、一瞬にして赤みを帯びて、元気な表情へと変わる。
バトラーは、一度もアレク特製ポーションを体験したことがなかったので、回復力に驚いてしまうのだ。

「アッハハハハ、ワシの自慢のアレク特製じゃからな!って、そうじゃなかったわい!王都の話を聞かせてくれんかのぅ?」

ヨゼフは、アレクのことになると抑えが効かず、自慢の息子を褒め称えるのだ。

「本当にヴェルトロ伯爵様は、タカハシ様がお好きですね。そして、王都なのですが、第一王子が反旗を翻しました......」

バトラーは、ヨゼフのアレク好きを微笑ましく思う。
そして、第一王子が王城を乗っ取り、何千の兵を従えて反乱を起こして、制圧された話をするのだ。

「な、なんじゃと!それは、誠......いや、宰相様の様子からして真実なのじゃろう。王妃や王子達は無事なのかのぅ?」

ヨゼフは、深刻そうな表情を浮かべながら、王家の人々は無事なのかを尋ねる。

「申し訳ございません。宰相様を守るために、すぐに王城を抜け出したので、どうなっているのか......それから、事前に陛下から何かあった場合は、魔物の街に救援要請をするよう言われております」

「そういうことじゃったか!オレール、王都を取り戻してくれんかのぅ。どんな手段を使っても構わんのでな」

バトラーは、情報がないことを申し訳なく思うが、一刻を争う事態であることを伝える。

「わかりました!魔物の街の全軍を向かわせましょう!ちょうど、陛下を救う最適な人材もいますからね」

オレールは、「フフッ」と笑いながら悪い顔をする。
そして、最適な人材とは姿を消せる元暗殺者のアサシンである。

「オレール、陛下いや王都を頼んだのじゃ」

「スベアさん、ロナン、今から魔物の街へ行きますので、ついてきてください!ヴェルトロ伯爵様、セバンをお借りしてもいいですか?」

オレールは、スベアの初実戦にはもってこいだと考え、ロナンも今回の戦場を体験すれば得られる物が大きいと思って連れて行くことにした。

「セバンも、連れて行くのじゃ!極力犠牲を出さずに解決を頼んだぞい」

オレールとスベアとロナンは、「はい」と返事をして部屋を出ていく。
ロナンは、内心「へ、陛下が捕らえられ、第一王子がぁぁ」と理由がわからず慌てているのだった。
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