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第3章 アレクを狙って

第566話 ロナンをからかう二人と真実に一歩近付いた?ロナン!

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「あれは!?セバンさんですかね?」

ストレンの街の門前に着くと、セバンが手を振って待っていた。
オレール達は、下降してセバンのいる場所に下りる。

「セバンさん、わざわざどうされたのですか?」

「ナハス様が、お気付きになられまして、お迎えに上がりました。どうやら、ナハス様が力を取り戻したようなのです」

オレールは、セバンの言っている意味がわからず、頭にハテナを浮かべる。

「ナハス様は、力を失われていたのですか?ここを去る前、天使の翼を具現化していたように思ったのですが」

ナハスは、アレクが生きていることを知った時に、喜びのあまりに翼を広げていた。
そのため、力を失っていたという意味が理解できないのだ。

「理由は、不明ですが、生きていることを知った瞬間に繋がりが濃くなり力が戻ったそうなのです」

「謎ですね。マンテ爺は、力を失っていませんでしたから、ナハス様が召喚だったからでしょうか?ですが、今考えても仕方ありませんし、とりあえず屋敷に案内してください」

現状、考えたところで答えが出るとは思えないと感じたオレールは、ヨゼフとの話を優先しようと考えた。それに、繋がりが濃くなったということは、良い方向に進んだ結果でもあるので、急いで答えを出す必要もないと考えたのである。

「畏まりました!馬車を用意しましたので、こちらにお乗りください」

セバンが、用意した馬車に全員が乗り込んで、屋敷へと向かう。

「ご挨拶が遅くなり申し訳ございません。スベア男爵様、お久しぶりでございます」

セバンは、馬車に乗り込むと、スベアに挨拶をした。

「セバンさん、お久しぶりです!男爵などやめてください!名ばかり男爵なのですから」

スベアは、恥ずかしがるように慌てながら首を横に振って否定する。

「何をおっしゃいます!国王陛下に認められた正真正銘の貴族様ですよ!自身を持ってください!それと、お強くなられましたね!見違えるようですよ」

セバンは、ニコッと笑ってスベアを褒める。
スベアは、嘘偽りなく褒めてくれていることがわかるので、顔を赤くして下を向いて照れてしまうのだ。

「お初にお目にかかります。私はヴェルトロ伯爵家の執事を務めております。セバンと申します」

セバンは、ロナンに対して、丁寧な口調で自己紹介をする。

「俺は、ロナンという!よろしく頼む!セバンは、本当に執事なのか?風格というか気配が、化け......武人に近いのだが」

ロナンは、セバンがただの執事ではないことを見抜く。そして、化け物と言いかけるが、失礼になると思っていい止めた。

「化け物とは酷いですね!これでも、40年以上、執事として生きてきたのですよ!少し腕の立つ執事ということにしておいてください」

ロナンは、目の前の若い男が40年も執事をしているわけがないと思うのだが、なぜが冗談を言っているようには感じず、どういう言葉を返せばいいかわからなくなる。

「セバンさん、ロナンの目が点になっていますよ!それに、セバンさんが少々腕の立つ執事ならば、世間の名のある猛者が赤ん坊になってしまいます」

オレールは、「フフッ」と笑みを浮かべて、セバンの冗談に対して、言葉を返す。

「ロナン様、失礼致しました。今のは、全て冗談でございますので、お忘れください」

「いやいや!明らかに真実でしたよね!やはり、伯爵様の不老不死って思ったのも、真実なのではないですか?」

ロナンは、天使や神様など色々出てきたので、これだけ若い見た目をして、あの出鱈目な強さは、オレールもセバンも不老不死なのではないかと思ってしまったのだ。

「さぁ~、それはどうでしょうね?ロナンさん、そんなことより着いたみたいなので、降りましょう」

オレールは、笑いながらロナンをからかうようなことを口にして馬車を降りる。
ロナンは、「ちょ、ちょっと待ってください!教えてくださいよ」と言ってオレールのあとを追うのだった。
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