チート薬学で成り上がり！ 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました！

第3章 アレクを狙って

第562話 アレク完全復活と図星を突かれる！

「もう普通に動けそうだな」

「はい！この通り動けるようになりました！エリクサーを飲んでも効かない時は、どうしようかと思いましたよ」

薬学神が、椅子に座りながら紅茶を飲んでいると、アレクが目覚めてやってきた。

「神力は、自然回復しかないからな！私でも、神力回復薬を作ることはできない」

神力をゼロまで使い切ったアレクは、魔力枯渇の時のように身動きが取れなくなっていた。
しかも、魔力の回復よりも一度使い切った神力はなかなか回復しないため、回復にかなりの時間を要したのだ。

「薬学神様でも、作れない薬があるんですね」

アレクも、椅子に座って薬学神から出された紅茶を飲みながら話す。

「神力は、本来下界に存在しない力だからな！それに、創造神様が神力回復の薬を精製できぬよう制限をかけている！己の神力を薬に混ぜることは可能だが、絶対に作れないのが現実だ。全く嫌になるな」

「そうだったんですね！全然回復しないから、一生このままかと思いましたよ」

アレクは、薬学神の話を聞いて、色々納得する。

「私が作った自然治癒力を高める薬があったからよかったが、次もし神力を使い切ったら死ぬと思えよ！神界にも連れて行ってやれんのだからな」

神界には、神力が充満しているので、下界よりも自然回復が早く、神力を使い切ってもどうにかなるのだが、今後薬学神は創造神から見つからないよう人間になるため、神の力を使った薬を精製することもできなくなり、神界にも連れて行くことができないので、アレクへ念を押したのだ。

「あはは......まだルシファーを倒していないのに、困ったなぁ。刺し違える覚悟でやるつもりだったのに」

アレクは、ルシファーとの再戦になった場合、いつもの戦い方では倒すことができないと考えており、初めから神力を全開にして刺し違えるつもりでいた。

「今のままでルシファーと戦うつもりだったとはな！はぁ......そんなに死に急ぎたいのか？」

薬学神は、頭を抱えて呆れな表情をしてアレクを見る。

「死にたくはありませんよ。でも、それしか倒す方法が......」

アレクは、15歳で死にたくはないと思っているが、大切な人達を失いたくないと考えると、今できる最善の方法で立ち向かうしかないと考えたのだ。

「アレク、私が助けるためだけに下界に下りたと思うか？お前を強くさせることが最大の理由だ」

「え！？これ以上強くなれるのですか？」

神力とは、神に等しい力を手に入れたのと同じだと考えていたアレクは、これ以上はないと考えていた。

「はぁ、本当に馬鹿だな！年齢を考えてみろ！まだまだ成長の余地は無限大だろ？それに、神力も魔力と同じで増やせるんだ！更に言うと、普段修行をしないお前は、成長を自ら捨てているんだぞ」

薬学神は、呆れてため息を吐きながら、ジト目でアレクを見る。

「そ、そうですね。忙しいを言い訳に全く修行をしていませんでした」

アレクは、図星を突かれてしまって、頭を掻きながらバツの悪い表情を浮かべる。

「アレク、今すぐ外に出ろ！基本から鍛え直してやる」

アレクは、薬学神を戦闘向きの神様ではないと思っていたので、薬学神から放たれた言葉を聞いて驚くのであった。