上 下
444 / 756
第3章 アレクを狙って

第557話 アレクの無事を報告と次に旅立つオレール達!

しおりを挟む
「オレール様、ご無沙汰しております!本日は、どうされたのですか?」

オレールとロナンは、ヴェルトロ家の屋敷に着くと、門番が話しかけてきた。

「実は、アレクくんが生きていることを知りまして、それを伝えにきました」

「え!?ほ、本当ですか?ちょ、ちょっとお待ちください!すぐに、全員を呼んで参ります」

門番は、オレールからの知らせを聞いた途端に、血相を変えて屋敷に駆け込んでいく。

「あ、行ってしまいましたね......」

オレールは、駆けていく門番を見て、クスクスと笑う。

「タカハシ辺境伯様という方は、慕われているのですね。門番の様子を見ただけで、良き方だと理解できます」

ロナンは、仕事上色々な貴族と接する機会があり、どちらかというと貴族以外を馬鹿にする態度の者が多く、門番にまで慕われているのを珍しく感じる。

「そうですね!実力もあり、皆を平等に扱う良い貴族ですね!まだ15歳なので、子供っぽいところがありますが、そこがまた皆を惹きつける魅力的な要素だと思います」

「15歳!?え?辺境伯様ですよね?少年なのですか?」

ロナンは、アレクの年齢を教えてもらっていなかったので、かなり驚いた表情をする。

「はい!成人したばかりの15歳の少年ですよ!おっと、ちょうど来たのでお伝えしますが、左にいる方がアレクくんの奥さんですよ」

門番から知らされた者達が、続々とやってくる。その中に、駆け足で向かってくるヘルミーナとナハスがいた。

「オレールさん、本当なのですか?」

ヘルミーナは、息を切らせながらオレールに向かって一直線でやってきてアレクのことを尋ねる。

「マンテ爺との繋がりから生きているのではと感じて、神様に聞いたところ生きているこがわかりました。でも、場所はわからないらしいです」

アレクが、生きていると聞いたヘルミーナは、ナハスに抱きついて嬉し涙を流す。ナハスも、ヘルミーナに抱きついて嬉しさのあまりに翼を出してしまう。そして、ヨゼフもカリーネも嬉し涙を流す。ナタリーも大泣きしてセバンが優しく抱擁する。

「伯爵様......こんな時に申し訳ないのですが、あの翼はなんですか!?どう見ても普通ではないですよね?」

みんなが、歓喜する中、ロナンはナハスの白い神秘的な翼を見て驚いてしまう。そして、場違いなのはわかってはいるが、ロナンは聞かずにいられなかったのだ。

「あとで、説明しますから、今は皆様を見守りましょう!」

オレールは、せっかく喜んでいる場を壊したくないとニコニコしながら見守る。ロナンは、オレールに言われて気にはなるが、それ以上言わないようにしようと思うのだ。

「オレール、吉報を届けてくれて感謝するわい!場所がわからない理由も聞きたいからのぅ。中で話を聞かせてくれんか?」

ヨゼフは、まだみんなが歓喜している中、当主としていち早くお礼を伝えに来た。

「アレクくんが、生きていて、本当によかったですよ!あの、大変申し訳ないのですが、行かないといけない場所がありまして、帰りに寄った際にお伝えしてもいいですか?」

トンデモ男爵の事件があり、予定よりもかなり遅れてしまっているので、早くスベアの下へ行こうと考える。

「そうじゃったか!わかったわい!アレクが生きていることがわかったのでのぅ。ヘルミーナと今後どうするか話して待っておくわい」

オレールは、ヨゼフとカリーネに頭を下げて、ロナンと共に空を飛んでスベアの下へ向かうのだった。
しおりを挟む
感想 2,129

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど

富士とまと
ファンタジー
一緒に異世界に召喚された従妹は魔力が高く、私は魔力がゼロだそうだ。 「私は聖女になるかも、姉さんバイバイ」とイケメンを侍らせた従妹に手を振られ、私は王都を追放された。 魔力はないけれど、霊感は日本にいたころから強かったんだよね。そのおかげで「英霊」だとか「精霊」だとかに盲愛されています。 ――いや、あの、精霊の指輪とかいらないんですけど、は、外れない?! ――ってか、イケメン幽霊が号泣って、私が悪いの? 私を追放した王都の人たちが困っている?従妹が大変な目にあってる?魔力ゼロを低級民と馬鹿にしてきた人たちが助けを求めているようですが……。 今更、魔力ゼロの人間にしか作れない特級魔力回復薬が欲しいとか言われてもね、こちらはあなたたちから何も欲しいわけじゃないのですけど。 重複投稿ですが、改稿してます

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。 『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。 魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。 しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も… そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。 しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。 …はたして主人公の運命やいかに…

「おまえを愛することはない!」と言ってやったのに、なぜ無視するんだ!

七辻ゆゆ
ファンタジー
俺を見ない、俺の言葉を聞かない、そして触れられない。すり抜ける……なぜだ? 俺はいったい、どうなっているんだ。 真実の愛を取り戻したいだけなのに。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。