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第3章 アレクを狙って

第555話 次期領主は○○!オレール、次の目的地へ!

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トンデモ男爵の悪行を成敗したオレールは、ロナンに屋敷の人間が逃げないよう見張りを続けてもらい、王都へと向かった。そして、陛下に全ての悪行と証拠を見せて、第一騎士団と治癒院の人間と食料を積んだ馬車を派遣してもらったのだ。

「伯爵様、本当にありがとうございました!この村が救われて、本当に感謝しかございません」

トンデモ男爵が、管理していた領地の村々は、どこも酷い有り様で、仮設治癒院が建てられて栄養失調や病気の村々で溢れ返った。そして、運んできた食料も足りず、追加で王都から運ばなければいけない状態にもなったのだ。

「村長、貴方が村人を管理していたからこそ、この程度の被害で済んだのです。私にではなく、自分に誇りを持ってください」

村の変わっていく様子を目の当たりにしたダイは、一目散にオレールの下へやってきて、お礼を述べたが、オレールは首を横に振って否定をする。

「伯爵様......貴方のような方が、領主様ならどれだけよかったことか......」

ダイは、袖で涙を拭いながら伝える。

「村長、いや男爵!まだ正式に決まってはいませんが、じきに王城から呼び出されるでしょう。ダイならば、領主として任せられると陛下へ打診しておきましたよ」

「は!?へ!?え、えぇぇぇぇ」

オレールの言葉を聞いたダイは、目が点になったあと、大声で叫ぶ。

「ま、待ってください!私が男爵に......領主に......む、無理無理無理」

ダイは、手足をバタつかせながら首を激しく振って否定する。

「ダイ、嫌なら私から陛下に言いますが、村人のことを考えてみてください!またトンデモ男爵のような領主が来たらどうするのですか?私は、貴方ならできると思っていますよ」

本来であれば、なんの功績もないダイが男爵になることはあり得ない。なので、オレールは今までの功績の一部を使って陛下に打診をしたのだ。

「トンデモ男爵のような領主がくるのは困ります。ですが、俺に領主が務まるでしょうか?」

「いきなり領主になって管理するわけではありません。貴族としての教育や礼儀作法を受けてからです。それに、陛下が優秀な人材を手配してくれるはずです。どうです?やってみませんか?」

オレールは、笑顔で話してダイを安心させる。まともな教育を受けて来なかったダイにとって、貴族になることは大変だろうと感じるが、オレールはダイならば苦難を乗り越えてくれると信じている。

「伯爵様、わかりました。頑張ってみようと思います!改めて、本当にありがとうございました」

ダイは、頭を深々と下げる。そして、オレールはダイの肩に手をやって、「頑張ってください」と言ってロナンと共に去る。

「ロナン、妹さんは陛下にお願いをして保護してもらいましたよ。今は、王都の治癒院にいます。安心してください」

「本当ですか!?妹をありがとうございます。ですが、どうお礼をすればいいか......」

ロナンは、感謝はしているが、オレールにどうやって返していけばいいのかわからない。

「そうですね~では暫くの間、私に付き合ってもらえませんか?このあと、いくつか行かないといけないところがありますので」

「え!?そんなことでいいのですか!?」

お礼などいらないオレールだったが、それではロナンの気が収まらないだろうと思い、考えた結果、ストレンの街とスベアのところに行く間、ついてきてもらおう思ったのだ。

「はい!構いません!では、早速参りましょう」

オレール達は、ストレンの街へ向かうのだった。
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