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第3章 アレクを狙って
第553話 トンデモ男爵、カサカサ迫る黒いアレに襲われる!
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「戻ったぞ!すぐにトンデモ男爵に会いに行く」
ロナンは、門番に戻ったことを知らせる。しかし、普段ロナンではなく、もう一人の魔法使いが話すので、門番は違和感を感じた顔をする。
「騎士達の姿がいないようだが?それに、ローブが見当たらないが、どうした?」
「騎士は、まだ村で暴れている!俺達は、トンデモ男爵へ報告にきたんだ!ローブは、捨ててきた。油断して切られたからな!それより、もう入っていいか?」
門番は、ロナンとオレールに疑いの目を向ける。オレールは、ローブを深く被っているが、下を向いているので余計に怪しいのだろう。
「おい!お前いつもより静かじゃないか?」
そう言いながら、門番はオレールのフードを外そうと手を伸ばす。しかし、ピキピキという音が聞こえて門番の手を見ると、凍りついているのだ。
「ギャァァァ」
門番は、凍りついた手を見て悲鳴を上げる。
「おい!こっちは騎士の尻拭いでイライラしているんだ!これ以上、無駄な詮索をするなら殺すぞ」
ロナンは、門番の胸ぐらを掴んで睨みつけて脅す。オレールは、やり過ぎて見つかってしまうのではと思う。完全に怯えている門番は、「ど、どうぞお入りください」とさっきとは一転して丁寧な口調になる。
「悲鳴が聞こえたので来てみたのですが、あなた方でしたか!どうされたのですか?」
大声で叫んだのが、屋敷の中まで聞こえていたようで、執事が様子を見にやってきた。
「門番が失礼だったから、少し教育しただけだ。トンデモ男爵様に報告をしたいんだが、案内を頼めるか?」
「今は寝ておられるので、あとになさった方がよろしいかと......」
食事を終えたトンデモ男爵は、寝室で寝ているようだ。オレールは、どれだけ怠惰な生活を送っているんだと思ってしまう。
「寝室にいるんだな!勝手に行くから気にするな!」
執事の忠告を無視して、ロナンは寝室へ向かう。
「伯爵様、このあとはどのように致しますか?」
ロナンは、寝室へ入る前に、小声でオレールに尋ねる。オレールは、ロナンの肩に手をやったあと、フードを外して寝室のドアノブを回して中へと入る。
「ロナン、隠し金庫の中身を全て、この魔法鞄に入れておいてください。私は、トンデモ男爵を夢の世界に連れて行きますので」
「はい!任せてください」
オレールは、外から開けられないように、ドアを凍らせる。そして、寝ているトンデモ男爵の下へと向かう。
「トンデモ男爵、覚めぬ夢の中で一生を過ごしてください!闇夢」
普段、闇魔法を使わないオレールだが、今回ばかりは許せない相手なので、とことん痛めつけようと決めた。
◆
「ぶわぁぁ~、よく寝た!腹が減った」
トンデモ男爵は、ベッドから立ち上がって部屋を出る。だが、普段清掃しているはずのメイドが見当たらない。そして、キッチンに向かうのだが、料理人すら見当たらないのだ。
「おい!誰もいないのか?男爵様が目覚めたぞ!早く料理を持ってこんか!痛て......誰だ!こんなところに、箱を置いたやつは」
叫びながら廊下を歩いていると、でっぷりしたお腹のせいで真下が見えず、箱につまずいてしまう。
「クソ、ウォォォォ!アイタタタ」
トンデモ男爵は、八つ当たりで箱を蹴り飛ばすが、足を滑らせてコケてしまう。しかも、体重が重た過ぎて床が抜けてしまって、お尻がはまってしまうのだ。
「ウォォォォ、抜けん!誰かいないのか?俺を助けろ」
お尻がはまったトンデモ男爵は、暴れて助けを呼ぶが、誰もこない。そして、先程蹴り飛ばした箱がカタカタと動き出してガタンと倒れる。すると、蓋が開いて中からカサカサという音が聞こえた瞬間、黒い物が大量に出てくる。
「な、なんだぁぁぁ!ウォォォォ、くるなくるな!ギャァァァ」
トンデモ男爵は、大量のゴキブリに飲み込まれる。そして、ゴキブリが去ったあと、トンデモ男爵は夢の中にも関わらず気絶してしまうのだった。
ロナンは、門番に戻ったことを知らせる。しかし、普段ロナンではなく、もう一人の魔法使いが話すので、門番は違和感を感じた顔をする。
「騎士達の姿がいないようだが?それに、ローブが見当たらないが、どうした?」
「騎士は、まだ村で暴れている!俺達は、トンデモ男爵へ報告にきたんだ!ローブは、捨ててきた。油断して切られたからな!それより、もう入っていいか?」
門番は、ロナンとオレールに疑いの目を向ける。オレールは、ローブを深く被っているが、下を向いているので余計に怪しいのだろう。
「おい!お前いつもより静かじゃないか?」
そう言いながら、門番はオレールのフードを外そうと手を伸ばす。しかし、ピキピキという音が聞こえて門番の手を見ると、凍りついているのだ。
「ギャァァァ」
門番は、凍りついた手を見て悲鳴を上げる。
「おい!こっちは騎士の尻拭いでイライラしているんだ!これ以上、無駄な詮索をするなら殺すぞ」
ロナンは、門番の胸ぐらを掴んで睨みつけて脅す。オレールは、やり過ぎて見つかってしまうのではと思う。完全に怯えている門番は、「ど、どうぞお入りください」とさっきとは一転して丁寧な口調になる。
「悲鳴が聞こえたので来てみたのですが、あなた方でしたか!どうされたのですか?」
大声で叫んだのが、屋敷の中まで聞こえていたようで、執事が様子を見にやってきた。
「門番が失礼だったから、少し教育しただけだ。トンデモ男爵様に報告をしたいんだが、案内を頼めるか?」
「今は寝ておられるので、あとになさった方がよろしいかと......」
食事を終えたトンデモ男爵は、寝室で寝ているようだ。オレールは、どれだけ怠惰な生活を送っているんだと思ってしまう。
「寝室にいるんだな!勝手に行くから気にするな!」
執事の忠告を無視して、ロナンは寝室へ向かう。
「伯爵様、このあとはどのように致しますか?」
ロナンは、寝室へ入る前に、小声でオレールに尋ねる。オレールは、ロナンの肩に手をやったあと、フードを外して寝室のドアノブを回して中へと入る。
「ロナン、隠し金庫の中身を全て、この魔法鞄に入れておいてください。私は、トンデモ男爵を夢の世界に連れて行きますので」
「はい!任せてください」
オレールは、外から開けられないように、ドアを凍らせる。そして、寝ているトンデモ男爵の下へと向かう。
「トンデモ男爵、覚めぬ夢の中で一生を過ごしてください!闇夢」
普段、闇魔法を使わないオレールだが、今回ばかりは許せない相手なので、とことん痛めつけようと決めた。
◆
「ぶわぁぁ~、よく寝た!腹が減った」
トンデモ男爵は、ベッドから立ち上がって部屋を出る。だが、普段清掃しているはずのメイドが見当たらない。そして、キッチンに向かうのだが、料理人すら見当たらないのだ。
「おい!誰もいないのか?男爵様が目覚めたぞ!早く料理を持ってこんか!痛て......誰だ!こんなところに、箱を置いたやつは」
叫びながら廊下を歩いていると、でっぷりしたお腹のせいで真下が見えず、箱につまずいてしまう。
「クソ、ウォォォォ!アイタタタ」
トンデモ男爵は、八つ当たりで箱を蹴り飛ばすが、足を滑らせてコケてしまう。しかも、体重が重た過ぎて床が抜けてしまって、お尻がはまってしまうのだ。
「ウォォォォ、抜けん!誰かいないのか?俺を助けろ」
お尻がはまったトンデモ男爵は、暴れて助けを呼ぶが、誰もこない。そして、先程蹴り飛ばした箱がカタカタと動き出してガタンと倒れる。すると、蓋が開いて中からカサカサという音が聞こえた瞬間、黒い物が大量に出てくる。
「な、なんだぁぁぁ!ウォォォォ、くるなくるな!ギャァァァ」
トンデモ男爵は、大量のゴキブリに飲み込まれる。そして、ゴキブリが去ったあと、トンデモ男爵は夢の中にも関わらず気絶してしまうのだった。
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