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第3章 アレクを狙って
第536話 ゼロの悪足掻きとアレクの死!?
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「この辺りで、一度引いてくれませんか?」
ナハスが、片膝を突くゼロに提案を持ちかける。
「やはり、ナハスであったか!久しいではないか!随分偉くなったものだな!それから、この我に引けと申すか」
ゼロは、ナハスのことを知っているようであり、話し方からして深い付き合いがあったような印象を受ける。
「お久しぶりです!昔は、貴方を尊敬していましたが、ここまで落ちぶれた姿に、今や尊敬すらございません!もし、引かないのであれば、天使全軍が総攻撃を仕掛けますよ」
ナハスは、珍しく悲しい顔をしてゼロを見つめる。ナハスにとって、ゼロは特別な存在であったようだ。
「うむ!確かに、天使全軍の総攻撃は面倒であるな!だが、簡単に引き下がるわけにもいかぬ!異空間に閉じ込めた仲間と横たわる仲間を返して貰おう!そして、アレクを引き渡すのだ」
ゼロは、この状況下においても、まだ有利な位置に立っていると思っているのか、普通ならばあり得ない要求を突き付けてくる。ナハスは、最後の要求を聞いた瞬間、こめかみに血管を浮かせて怒りの表情をあらわにする。
「主様を引き渡せと......万死に値します!全軍!直ちに、あのゲス野郎を抹殺しなさい」
ナハスは、天使に対して、ゼロを殺すように命令をする。その瞬間、天使が一斉にゼロへ神力の光を浴びせるのだ。
「フッハハハハ、ナハスは相変わらずであるな!黒殺し」
ゼロは、怒りに任せて神力を使い切るのを狙っていた。使い切った瞬間に、ゼロは残りの全ての力を使ってストレンの街を呑み込むほどの黒の力を放つ。代償として、暫く黒の力を制限される代わりに、その力を浴びた者は即死するという最終奥義に近い力を使えるのだ。
「神々しい守り」
アレクは、ナハスから貰った神力で、最大の神力防御を使う。しかも、人智を超えて神力をコントロールした。街の住人に黒の力が当たることがないように光の壁で覆い、近くにいる味方には個々に神々しい守りを張ったのだ。
「主様いけません!このままでは死んでしまいます!」
ナハスが、大声でアレクに叫ぶが、あり得ない爆風が起きて吹き飛ばされてしまう。そして、アレクは黒い力に呑み込まれてしまうのだ。
◆
爆風が止んで、アレクがプロテクションを張った壁の内側は、荒野と化していた。
「主様!主様!あるじさまぁぁぁぁ」
ナハスは、いち早く立ち上がってアレクのいた場所を探している。しかし、辺りを見渡しても、土を掘り返しても見つからないのだ。
「アレクの魔力も生命力も一切感じられない!天使、気持ちはわかるが、アレクは......」
デュアルは、起き上がってすぐにアレクの魔力を探知したが、反応がなかった。そして、生命力すらも探知できず、悲しいが、もうこの世にはいないと判断したのだ。
「おい!今なんて言ったぁぁぁぁぁ」
ナハスは、デュアルに掴みかかる。しかし、デュアルの目を見た瞬間、ナハスの先程までの荒々しい勢いはなくなり、力なく崩れ落ちる。何故、ナハスが崩れ落ちたかというと、デュアルは目から大量の涙を流していたからだ。
「なんでなんで主様がぁぁぁぁ」
ナハスは、天使であり、滅多なことで悲しいという感情をあらわにはしないのだが、主であるアレクを失ったことで、感情が爆発して泣きじゃくり力なく崩れ落ちたのだ。
「バカ野郎......」
デュアルも、空を見上げながら涙を流して男泣きをする。そして、次々に立ち上がるアレクの仲間達も、二人が泣いている意味を理解して悲しみで途方に暮れるのだった。
ナハスが、片膝を突くゼロに提案を持ちかける。
「やはり、ナハスであったか!久しいではないか!随分偉くなったものだな!それから、この我に引けと申すか」
ゼロは、ナハスのことを知っているようであり、話し方からして深い付き合いがあったような印象を受ける。
「お久しぶりです!昔は、貴方を尊敬していましたが、ここまで落ちぶれた姿に、今や尊敬すらございません!もし、引かないのであれば、天使全軍が総攻撃を仕掛けますよ」
ナハスは、珍しく悲しい顔をしてゼロを見つめる。ナハスにとって、ゼロは特別な存在であったようだ。
「うむ!確かに、天使全軍の総攻撃は面倒であるな!だが、簡単に引き下がるわけにもいかぬ!異空間に閉じ込めた仲間と横たわる仲間を返して貰おう!そして、アレクを引き渡すのだ」
ゼロは、この状況下においても、まだ有利な位置に立っていると思っているのか、普通ならばあり得ない要求を突き付けてくる。ナハスは、最後の要求を聞いた瞬間、こめかみに血管を浮かせて怒りの表情をあらわにする。
「主様を引き渡せと......万死に値します!全軍!直ちに、あのゲス野郎を抹殺しなさい」
ナハスは、天使に対して、ゼロを殺すように命令をする。その瞬間、天使が一斉にゼロへ神力の光を浴びせるのだ。
「フッハハハハ、ナハスは相変わらずであるな!黒殺し」
ゼロは、怒りに任せて神力を使い切るのを狙っていた。使い切った瞬間に、ゼロは残りの全ての力を使ってストレンの街を呑み込むほどの黒の力を放つ。代償として、暫く黒の力を制限される代わりに、その力を浴びた者は即死するという最終奥義に近い力を使えるのだ。
「神々しい守り」
アレクは、ナハスから貰った神力で、最大の神力防御を使う。しかも、人智を超えて神力をコントロールした。街の住人に黒の力が当たることがないように光の壁で覆い、近くにいる味方には個々に神々しい守りを張ったのだ。
「主様いけません!このままでは死んでしまいます!」
ナハスが、大声でアレクに叫ぶが、あり得ない爆風が起きて吹き飛ばされてしまう。そして、アレクは黒い力に呑み込まれてしまうのだ。
◆
爆風が止んで、アレクがプロテクションを張った壁の内側は、荒野と化していた。
「主様!主様!あるじさまぁぁぁぁ」
ナハスは、いち早く立ち上がってアレクのいた場所を探している。しかし、辺りを見渡しても、土を掘り返しても見つからないのだ。
「アレクの魔力も生命力も一切感じられない!天使、気持ちはわかるが、アレクは......」
デュアルは、起き上がってすぐにアレクの魔力を探知したが、反応がなかった。そして、生命力すらも探知できず、悲しいが、もうこの世にはいないと判断したのだ。
「おい!今なんて言ったぁぁぁぁぁ」
ナハスは、デュアルに掴みかかる。しかし、デュアルの目を見た瞬間、ナハスの先程までの荒々しい勢いはなくなり、力なく崩れ落ちる。何故、ナハスが崩れ落ちたかというと、デュアルは目から大量の涙を流していたからだ。
「なんでなんで主様がぁぁぁぁ」
ナハスは、天使であり、滅多なことで悲しいという感情をあらわにはしないのだが、主であるアレクを失ったことで、感情が爆発して泣きじゃくり力なく崩れ落ちたのだ。
「バカ野郎......」
デュアルも、空を見上げながら涙を流して男泣きをする。そして、次々に立ち上がるアレクの仲間達も、二人が泣いている意味を理解して悲しみで途方に暮れるのだった。
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