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第3章 アレクを狙って

第533話 ゼロとデュアルは、お互い冷静に駆け引きをする!

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マルファス達が、激しい戦いを繰り広げている頃、デュアルとゼロは、至って冷静に話し合っていた。

「我が知る限り、お前のような強者の記憶はないのだが、何者であるか?」

ゼロは、純粋に目の前の強者が誰なのかを知りたかった。そして、デュアルからしても、目の前の得体の知れない強いオーラを発している人物と無駄な戦いをするよりも話し合いで終わる方がいいと考えた。

「魔ノ国初代魔王のデュアル!そっちの名前も教えてくれない?」

初代魔王と聞いたゼロは、納得の表情をして頷いたあと大笑いをする。

「フッハハハハ、我は、ゼロ!世界の混乱を願っている者だ!まさか、お前が初代魔王であったとはな!ずっと探していたぞ!どこに隠れていたのだ?」

「世界の混乱とは、まためんどくさいやつだな!何故探されていたのかはわからないけど、あまりいい理由ではなさそうだね。あと、隠れてなんかいないさ!スキルで見つからないようにはしたけどね」

デュアルは、多種多様なスキルを要しているので、認識阻害や隠蔽などのスキルを常に発動していたのだ。

「そういうことであったか!我の目を欺くとはやるではないか!どうだ?我の仲間になる気はないか?」

強者であるデュアルを仲間に加えることができれば、世界征服の弊害もなくなり、早期に終わらすことができると考えた。

「お褒めの言葉をありがとう。だが、世界を混乱の渦に巻き込もうとしているやつの仲間になる気はない!」

デュアルは、ハッキリと断る。ゼロは、デュアルが断ることを理解していたのか、顔色一つ変えずに頷いている。

「断ると思っておった!ならば、力ずくで手に入れるまでのことだ」

ゼロは、デュアルに向かって走り出す。デュアルは、やるしかないかと覚悟を決めて戦闘態勢に入る。

聖鎧ホーリーアーマー

デュアルは、あらゆる物を浄化する聖魔法で防げないかと考える。そして、パスクが使っている魔装甲を応用した聖鎧ホーリーアーマーを編み出したのだ。

「何をしたかは知らないが、そのような物で防げると思っておるのか!」

ゼロは、新しい肉体がどこまで動くのか試したいと思ったので、自身の肉体のみで攻撃を仕掛ける。拳に黒いモヤを纏わせてデュアルに対して連撃を食らわせるのだ。そして、デュアルはその攻撃を躱しながらパンチや蹴りを繰り出す。躱した際に、黒いモヤがデュアルに絡みつこうとするのだが、聖鎧ホーリーアーマーが弾く。

「気持ち悪い攻撃だな!聖の射撃ホーリーショット

纏わりついてくる攻撃から何か嫌な予感を感じたデュアルは、距離を取るため聖魔法の無数の矢を空中に出現させて、ゼロへと放つ。その矢は、全てゼロに命中して突き刺さるのだ。

「ほぅ~おもしろいではないか!暗黒の力を貫通してくるとはな!久しぶりに痛みを味わったぞ」

無数の矢が、ゼロに刺さっているにも関わらず、ゼロは「クククッ」と不気味な笑いをして、この状況を楽しんでいる。

「聖魔法が効くということは、アンデットや悪魔に近いのかな?でも、それも正確とは言い難そうだね」

デュアルは、色々ゼロの正体を予想してみるが、答えを見つけることができない。そして、刺さった矢が黒く染まって崩れ落ちるのだ。

「うむ!時間であるな!全員戻ってくるのだ」

ゼロは、何故か遠くの方を見てから、全員に聞こえる声で叫ぶ。すると、アレクと隼人がやってきたのであった。
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