チート薬学で成り上がり！ 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました！

第3章 アレクを狙って

第532話 絶対絶命のピンチと暗黒騎士の意外な素顔！

「蘇れ！彷徨える亡霊達よ！」

暗黒騎士がそう言うと、地面から盾と剣を持った無数のスケルトン這い出てくる。

「あの者を葬り去れ」

暗黒騎士がスケルトンに命令を下すと、マルファスへ一斉に襲いかかってくる。

「スケルトンとは、我らもナメめられたものよ！フェイザー、やつらを蹴散らすぞ」

フェイザーとは、マルファスが乗っている馬であり、筋肉が異常に発達していて顔や胸や足に金属の馬鎧が装備されている。そして、フェイザーは「ヒヒーン」と大きく鳴いてスケルトンへと走り出す。

「このようなスケルトン如きで我らを止められると思ったか！」

マルファスは、剣でスケルトンをなぎ倒しフェイザーは、突進するだけでスケルトンをなぎ倒しバラバラにしていく。

「時間稼ぎにもならないか！空間の支配者ルーラーオブスペースの召喚がここにきて効いてくるとはな」

空間の支配者ルーラーオブスペースの召喚に、相当な魔力量を使った暗黒騎士は、本来の強さも強者を召喚する力も残っていないのだ。

「フェイザー、あやつを討つぞ！」

無数にいたはずのスケルトンは、マルファスとフェイザーによって見るも無惨な姿となり、障害がなくなった二人は、暗黒騎士へと突っ込む。そして、マルファスが暗黒騎士へ斬りかかる。しかし、弱っているからといって簡単に斬られるほど甘くはない暗黒騎士は、盾で防ぎ機動力を無くすために、フェイザーの足へと斬りかかる。だが、フェイザーは難なくジャンプをして躱すのだ。

「お前の強さは、そんなものか？我の本気を出すまでもないな」

マルファスは、暗黒騎士のあまりの弱さに失望する。

「ほぅ～、そこまで俺の本気を見たいのなら見せてやる」

暗黒騎士から、黒いオーラが溢れ出す。しかも、爺さんやライオネルなどとは比較にならないほどの強いオーラなのだ。その凄まじい力を感じたマルファスは、耐えきれないだろうとフェイザーの召喚を解除して送り返す。

「いらぬ力を目覚めさせてしまったか！我だけでは、諦めていたが、間に合ったようだな」

「なんだありゃ～！化け物じゃねぇか」

四天王の一人マクガリアスは、何故か空から降ってきた。しかも、墜落したかのように着地したため、地面が大きく陥没する。

「あぁ、正直お前が来てくれて助かった」

「お前が、そんなことを言うのは珍しいじゃねぇか！マルファス、相手が完全になる前に仕掛ける！あれは頼んだぜ」

マクガリアスは、暗黒騎士が完全に力を解放する前に決着をつけようと試みる。そしてマクガリアスが、暗黒騎士へと走り出して雷光の雷槌ライトニングサンダーハンマーを食らわせる。それと同時に、マルファスがデバス効果のあるスキルを発動して、暗黒騎士の防御力を下げるのだ。

「ガッハハハ、これでも食らいやがれ」

力を解放中の暗黒騎士へ雷光の雷槌ライトニングサンダーハンマーが直撃する。雷光の雷槌ライトニングサンダーハンマーの威力は凄まじく、バコーンと爆発音のような音が鳴り響くのだ。

「うそ......だろ！？」

マクガリアスは、渾身の一撃を放ったのだが、黒いモヤに阻まれて暗黒騎士へ届きすらしていない。しかも、暗黒騎士の甲冑はなくなり、姿があらわになっている。その姿は、髪の長い美しい女性であった。

「女！？ぐぁぁぁぁぁ」

マクガリアスが、女性だということに驚きを示した瞬間、黒いモヤがマクガリアスを襲い飲み込む。その勢いは留まるところを知らずマルファスも飲み込んでしまうのだった。