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第3章 アレクを狙って

第530話 強大な敵と相対する初代魔王と現魔王!

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「まだ生きているのか......」

デュアルは、血の壁を吸収するラキュースを見て、すぐに跡形も無く消滅させようと、魔法を撃つ動作に移るが、真後ろから黒いモヤの手が襲いかかってくる。

「俺の後ろを取るとかやるね。感知に一切引っかからなかったよ」

デュアルは、間一髪で躱して敵から距離を取る。

「うむ!それを避けるとはやるのぅ」

現れたのは、魔物の街へ現れたゼロの仲間の爺さんであった。

死の宣告デス・センテンス

デュアルは、長引かせるわけにはいかないと、即死スキルを使って爺さんを倒そうとする。

「なんじゃ?何かしたのかのぅ?来ないならこちらから行くぞい」

即死スキルを使ったにも関わらず、何もなかったかのように、次の攻撃を仕掛けてくる。爺さんは、無数の黒い球をデュアルに放つ。

「チッ、即死スキルが効かないのか!しかも、こいつに当たるのは、嫌な予感がする。稲妻の霧ライトニングフォグ

デュアルは、自分の周りに電撃の霧を出す。黒い球は、電撃に直撃して爆発し黒い霧となって辺りを漂う。

「気持ち悪いやつだよ。まったく!爺さん、生きていないでしょ?」

「そうじゃな!ワシは、死んでおるぞい!どう倒すか、頭を悩ませるじゃろ?おっと、後ろに気を付けないとやられるぞい」

爺さんは、笑いながら余裕の表情を見せる。そして、後ろを指さしてわざとデュアルに危険を知らせる。

「もう復活したのか!これは、かなりまずい戦いになりそうだね。炎魔翼イフリートウイング

血で作られた棘が、デュアルの後ろに迫るが、炎の翼を背中に出して炎の羽を飛ばして全てを打ち消す。

「ほぅ~、ワシを警戒しながらも、あの攻撃をいとも簡単に相殺するとはやるのぅ!ん?もう来たのか」

「初代様、ご無事で何よりです!あの者を永久に閉じ込めます!迷いの門イリュージョンゲート

やってきたのは、現魔王のラヴァーナだ。ラキュースが吸収したことにより、血の壁が無くなったので、応援に駆けつけることができた。そして、ラヴァーナの得意とする無の空間へ誘うスキルを発動する。ギギギギッと門がゆっくりと開き、対象者である爺さんを吸い込み始めるのだ。

「これは、厄介じゃのぅ!強制スキルじゃな」

爺さんは、吸い込まれないように、黒い手で地面を鷲掴みにし、耐えようとする。

「耐えていることを褒めてやろう!だが、妾の迷いの門イリュージョンゲートには、先がある!そろそろ痺れを切らせた番人が現れるであろう」

開いた門から煙が溢れ出す。その直後、ガガガガガと音がなり、門の中から全身煙で出来た大きなスケルトンが現れる。見ている者は、幻影なのか?存在している者なのか?区別がつかないのだ。そのスケルトンが、爺さんを包みこんで門の中へ引きずり込もうとする。

「なんじゃ?これは!?離さんか!」

黒いモヤを出して攻撃するが、煙状のスケルトンには一切効果がなく、そのまま門の中に引きずり込まれて行くのである。そして、爺さんが引きずり込まれると、門がギギギギッとゆっくり閉まるのだった。

「ハァハァハァ、初代様、こちらは終わりました......」

ラヴァーナは、片膝を突いて息を荒げる。スキルと門番まで出したことによって精神的に疲れを見せるのだ。

「お疲れ様!あとは、ゆっくり休んでいてよ!さっさと、片付けるからさ」

デュアルは、ラヴァーナに優しく声をかけて、ラキュースの方を見る。

「フフッ、生命変換まで使うことになるとは思いませんでしたよ!即死スキルとは厄介ですね」

ラキュースは、ゼロの力である黒いモヤを攻撃に使うのではなく、能力アップと復活のエネルギーとして使ったのだ。

「その怪しい黒いオーラがある限り、死ぬことはないということだよね?」

「その通りです!そろそろ.......」

ラキュースが、デュアルに再戦しようとした時に、ある人物が姿を現す。

「ほぅ、強者が一同に介しておるではないか!これは、楽しみであるな」

姿を現したのは、真っ黒な衣装を身に纏ったゼロである。デュアルもラヴァーナも、ゼロの得体の知れない何かに身震いしてしまうのだった。
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