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第3章 アレクを狙って

第528話 絶対絶命のピンチに現れた人物とは!?

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「気持ち悪いんで消えてください!」

アレクは、興奮しているラキュースに対して、神力を浴びせる。

「綺麗な色ですね!素晴らしい!より、貴方を私のものにしたくなりました。フフフッ」

ラキュースは、アレクの神力を浴びても一切ダメージを負っていないのだ。寧ろ、顔の色艶がよくなり美形になってしまっている。

「え?なんでダメージがないの?」

アレクは、一切ダメージを負っていないラキュースを見て、呆然としてしまう。呆然としていると、ラキュースがまた瞬間移動のようなスピードでアレクに迫り、間髪入れずに脇腹に蹴りを入れてくる。あまりの強さに、アレクは耐えることが出来ず、瓦礫に叩きつけられてしまうのだ。

「少し生意気ですね。主従関係をしっかり叩き込ませて頂きます!」

ラキュースは、主である私に攻撃をしてくるとはという身勝手な気が狂ったような発言をしている。

「痛てて......これは、本当にやばいかも」

アレクは、神力状態で初めてダメージを負ってしまう。久しぶりに危機感を感じてしまうのだ。

「いつまで、そこにいるつもりですか?ブラッドレイン」

棘のように尖った赤い雨が、アレクに降り注ぐ。咄嗟に土魔法で壁を作りガードするが、平然貫いてくる。アレクは、こんな簡単に防御壁を破られるとは考えていなかったので、判断が遅れて体に刺さりダメージを負ってしまう。しかし、すぐにエクストラポーションを飲んで防御壁を幾つも張り、ラキュースから距離を取る。

「神力を無駄に使っても意味がないね。どうしようかな?」

アレクは、神力の力を解いて、元の姿に戻る。そして、狂化強靭薬と外皮金剛薬と攻撃力・防御力・素早さ・精神力の向上薬を服用するのだ。アレクは、成長により精神力が上がったことと向上薬のお陰で狂化強靭薬の精神的影響を全く受けずに理性を保っている。

「すぐに決着をつけさせてもらうよ」

アレクは、土魔法の防御壁を解くと、ラキュースの移動速度よりも速いスピードで、ラキュースに近付き、殴る蹴るの連打を食らわせる。薬の効果は絶大であり、連打を食らわせた箇所はへこみ、ラキュースは抵抗すらできないのだ。そして、アレクは渾身の一撃を食らわせて、ラキュースは地面へと激突する。

「はぁはぁはぁ、やっぱり狂化強靭薬は負担が大きい過ぎるな......」

アレクの体は、ピキピキと音を立てて悲鳴を上げている。

「ブラッドニードル」

瓦礫の中に埋もれたラキュースが、ブラッドニードルと呟くと、地面から赤く尖った大きな針がアレクへと迫る。しかし、外皮金剛薬のお陰で当たった瞬間、ブラッドニードルは全て粉々になるのだ。

加具土命カグツチ

アレクは、広範囲殲滅魔法の加具土命カグツチを放ち消滅させようとする。火の化身が、ラキュースを飲み込み燃やし尽くす。

「ぐっ......もう時間か......」

アレクは、体の自由が効かないまま上空から地面へ真っ逆さまに落ちていく。

「フラッドアーマーがなければ、危なかったですよ!血を相当消費......ん?そういうことですか!ブラッドネット」

ラキュースは、平然とした顔で瓦礫から出てくると、体を守っていた赤い鎧がボロボロと崩れる。そして、アレクが上空から落ちてくる様子を見て、力を使い果たしたと判断して、血の網を出してアレクを捕まえようとするのだ。

「よっ!アレク!相当やられてるね!少し休んでいてよ。聖なる円ホーリーサークル

ブラッドネットで捕まる寸前に、初代魔王デュアルが現れてアレクを救い出した。そして、聖なる円ホーリーサークルで傷付いたアレクの体を癒やすのであった。
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