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第3章 アレクを狙って
第522話 完全武装の陛下と一新された第一騎士団!
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「ヨゼフよ、今会議中であるが、何か緊急の用件か?」
陛下は、聖王国に対する今後の対応や戦争になった際の対応などを話し合う会議をしていた。そこへ、ヨゼフが連絡をしたのだ。
「ご無沙汰しております。陛下!会議中にも関わらず、申し訳ございません。聖王国に関する緊急の用件です!よろしいでしょうか?」
「聖王国とな!?今ちょうど聖王国に関する会議中であった!話してみよ」
陛下は、また聖王国で不穏な動きがあるのかと嫌な予感が頭をよぎる。
「情報を提供してくれた冒険者ギルドのサブギルドマスターに代わります。ニーナ、陛下へ先程の説明をするんじゃ」
ニーナは、まさか自分が伝えるとは思ってもおらず、慌てながら立ち上がって通信機の前へと行く。
「た、只今ご紹介に預かりました冒険者ギルドサブギルドマスターのニーナと申します!陛下にご挨拶できること大変嬉しく......」
「ニーナよ、緊急なのであろう?畏まった挨拶は不要である!何があったか話してみよ」
雲の上の存在である陛下に対して、慌てながら何を言っているかわからない状態のニーナに、陛下は優しい口調で簡潔に話すように言う。
「は、はい!タカハシ辺境伯様が、聖王国の刺客と冒険者ギルドで戦闘中です!タカハシ辺境伯様から、今すぐ近隣住民の避難を要請されました!」
それを聞いた陛下は、暫く沈黙する。
「ヨゼフよ、今すぐ騎士団を派遣し、近隣住民の避難に当たるのだ!アントンよ、緊急用の転移魔道具を使い、王国騎士団を派遣せよ!余も向かうのでな、会議は一旦解散とする!ニーナよ、助かった!感謝する」
ヨゼフとアントンは、「ハッ、畏まりました」と言って、行動に移る。ニーナは、慌ただしくなった場におろおろしながらも、素早く切り替えて行動を開始するのだ。
「ニーナよ、先に戻り冒険者ギルドにいる騎士団に詳細を伝え、近隣住民の避難を開始するのじゃ!ワシは、あとから騎士団と共に、向かうのでな」
ここにきて、数年前にアレクが初めて施行した冒険者への騎士団配置が役に立とうとしていた。
「はい!わかりました!すぐに向かいます。マンテ爺、疲れたと思うけど、またお願いね」
「このくらいで疲れんわい!さっきよりも、速く行くから振り下ろされんように捕まるのじゃぞ」
ニーナは、マンテ爺を気遣うが、マンテ爺は戦闘に比べたらなんてことないと言う。ニーナは、頷いてマンテ爺の頭を撫でるのだ。そして、ヨゼフも騎士団が待つ庭へと向かって準備を始めるのである。
◆
「アントンよ、準備は出来ておるか?」
黄金のフルプレートアーマーに身を包んだ陛下が、アントンと王国騎士団が待つ訓練場に姿を現した。
「陛下、第一騎士団の準備と転移魔道具の準備は整っております」
アントンが、陛下に対して準備が整っていることを伝える。第一騎士団も以前と顔ぶれが全く違い一新されているのだ。
「ご苦労!では、早速だが、ストレンの街へ座標を合わし転移をするのだ。第一騎士団団長、向こうに着いた段階で厄災級だと思い対応せよ」
魔王から送られてきた一度使えば消滅してしまうが、一度行った場所などという規制がなく座標をセットすれば、どこへでも転移可能な魔道具を今回は使う。アントンが、タブレット型の転移魔道具を地面に置いて座標を打ち込んで準備が整う。
「ハッ!第一騎士団の初任務が厄災級とは光栄でございます!必ずや、ご期待に添えるよう努めさせて頂きます」
新団長が、直立不動になり陛下へと伝える。ちなみに、第二騎士団も一新されている。何故、一新されたかというと、ゼロの仲間の襲来以降あまりにも不甲斐ない結果しか残せていないこと、騎士団の傲慢さ、災害級の案件を任せられるのが第三騎士団しかおらず、手が回らないことで、陛下は一新することを決断したのだ。
「では、転移を開始します!陛下、ご武運を」
アントンが、タブレットの画面の転移開始を押す。すると、陛下と第一騎士団が、その場から消えるのだった。
陛下は、聖王国に対する今後の対応や戦争になった際の対応などを話し合う会議をしていた。そこへ、ヨゼフが連絡をしたのだ。
「ご無沙汰しております。陛下!会議中にも関わらず、申し訳ございません。聖王国に関する緊急の用件です!よろしいでしょうか?」
「聖王国とな!?今ちょうど聖王国に関する会議中であった!話してみよ」
陛下は、また聖王国で不穏な動きがあるのかと嫌な予感が頭をよぎる。
「情報を提供してくれた冒険者ギルドのサブギルドマスターに代わります。ニーナ、陛下へ先程の説明をするんじゃ」
ニーナは、まさか自分が伝えるとは思ってもおらず、慌てながら立ち上がって通信機の前へと行く。
「た、只今ご紹介に預かりました冒険者ギルドサブギルドマスターのニーナと申します!陛下にご挨拶できること大変嬉しく......」
「ニーナよ、緊急なのであろう?畏まった挨拶は不要である!何があったか話してみよ」
雲の上の存在である陛下に対して、慌てながら何を言っているかわからない状態のニーナに、陛下は優しい口調で簡潔に話すように言う。
「は、はい!タカハシ辺境伯様が、聖王国の刺客と冒険者ギルドで戦闘中です!タカハシ辺境伯様から、今すぐ近隣住民の避難を要請されました!」
それを聞いた陛下は、暫く沈黙する。
「ヨゼフよ、今すぐ騎士団を派遣し、近隣住民の避難に当たるのだ!アントンよ、緊急用の転移魔道具を使い、王国騎士団を派遣せよ!余も向かうのでな、会議は一旦解散とする!ニーナよ、助かった!感謝する」
ヨゼフとアントンは、「ハッ、畏まりました」と言って、行動に移る。ニーナは、慌ただしくなった場におろおろしながらも、素早く切り替えて行動を開始するのだ。
「ニーナよ、先に戻り冒険者ギルドにいる騎士団に詳細を伝え、近隣住民の避難を開始するのじゃ!ワシは、あとから騎士団と共に、向かうのでな」
ここにきて、数年前にアレクが初めて施行した冒険者への騎士団配置が役に立とうとしていた。
「はい!わかりました!すぐに向かいます。マンテ爺、疲れたと思うけど、またお願いね」
「このくらいで疲れんわい!さっきよりも、速く行くから振り下ろされんように捕まるのじゃぞ」
ニーナは、マンテ爺を気遣うが、マンテ爺は戦闘に比べたらなんてことないと言う。ニーナは、頷いてマンテ爺の頭を撫でるのだ。そして、ヨゼフも騎士団が待つ庭へと向かって準備を始めるのである。
◆
「アントンよ、準備は出来ておるか?」
黄金のフルプレートアーマーに身を包んだ陛下が、アントンと王国騎士団が待つ訓練場に姿を現した。
「陛下、第一騎士団の準備と転移魔道具の準備は整っております」
アントンが、陛下に対して準備が整っていることを伝える。第一騎士団も以前と顔ぶれが全く違い一新されているのだ。
「ご苦労!では、早速だが、ストレンの街へ座標を合わし転移をするのだ。第一騎士団団長、向こうに着いた段階で厄災級だと思い対応せよ」
魔王から送られてきた一度使えば消滅してしまうが、一度行った場所などという規制がなく座標をセットすれば、どこへでも転移可能な魔道具を今回は使う。アントンが、タブレット型の転移魔道具を地面に置いて座標を打ち込んで準備が整う。
「ハッ!第一騎士団の初任務が厄災級とは光栄でございます!必ずや、ご期待に添えるよう努めさせて頂きます」
新団長が、直立不動になり陛下へと伝える。ちなみに、第二騎士団も一新されている。何故、一新されたかというと、ゼロの仲間の襲来以降あまりにも不甲斐ない結果しか残せていないこと、騎士団の傲慢さ、災害級の案件を任せられるのが第三騎士団しかおらず、手が回らないことで、陛下は一新することを決断したのだ。
「では、転移を開始します!陛下、ご武運を」
アントンが、タブレットの画面の転移開始を押す。すると、陛下と第一騎士団が、その場から消えるのだった。
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