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第2章 強敵ルシファーと新たな力を得る
第508話 おやっさんの新たな名前と技術神からの贈り物!
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アレクが、魔道具の設置を終えた直後に、ドワーフとパスクがやってくる。
「アレク様、準備は整いましたか?」
「うん!さっき終わったところだよ。いつでも会えると思う」
パスクもアレクも、目で合図を送ってドワーフに魔道具が見つからないように振る舞う。
「では、ドワーフの皆さん、この創造神様の像の前で祈りを捧げてください」
ドワーフ達は、パスクに言われるがままに膝を突いて祈りを捧げる。
◆
「うむ!ドワーフ達よ!よくぞ参ったのじゃ!ワシは、この世界の創造神である」
ドワーフ達が、目を開けると目の前に創造神がおり、驚きのあまりに口をパクパクさせてしまう。しかし、すぐに我に返ると平伏したように地面へと頭を擦り付ける。
「そう畏まるでないわい!頭を上げるんじゃ!技術神が今か今かと待っておるぞい」
ドワーフ達は、創造神の言葉を聞いて恐る恐る顔を上げる。
「間近で見ると良い目をしている!俺は、技術神だ!ここに呼んだのは、全員に加護とこのハンマーをお主に渡したいと思ったからだ!」
話し始めたのは、顔の半分以上が髭で覆われていて、ツナギを着たザ・鍛冶師といった風貌の男性であった。そして、技術神が天高らかにハンマーを掲げると、天から光が差してドワーフ達の体へと入っていく。それから、技術神はおやっさんの前へ行き、決して綺麗とは言い難いハンマーを差し出すのだ。
「お主は、名前を一度捨てているな!俺が、新たな名を授けるが、問題ないか?」
おやっさんは、今まで誰にも公言していなかったが、ドワーフの国を出る時に名前を捨ていたようだ。
「え、あ、はい!ワシ、いや私のために技術神様が名前をですか!?光栄に思いますが、よろしいのですか?」
おやっさんは、いつものぶっきらぼうな言葉遣いではなく、しっかりとした敬語を使う。しかも、少し挙動不審にも見えるほど慌てているのだ。
「いつものように話せばいい!職人に、畏まった言葉は似合わんぞ!いいな?」
「あ!はい」
技術神は、普段のような言葉遣いをするように言うが、おやっさんはしどろもどろしながら敬語を使ってしまう。その事が、気に入らなかったのか?技術神は睨みを効かせて凄む。
「わかりま......わかったのじゃ!技術神様よ、ワシに名を与えてはくれんか?」
おやっさんが、いつものように話をすると、技術神はにこやかになり、ウンウンと頷く。
「お主に与える名は、オグンだ!俺の友である武器を作らせれば右に出る者はいないと言われた神様だ!しかし、もう神を引退し、余生を暮らしているからな!その名をお主にやろう!」
まさか、神の名を頂けると思っていなかったおやっさんは、口を開けてポカーンとした表情を浮かべる。
「なんだ?気に入らないのか?なら別の名前にするが」
「あ!いや、そんなことはないんじゃ!ただ、神様の名を頂いてよいものかと思ってのぅ」
その言葉を聞いた技術神は、大笑いする。
「ブッハハハハ、いいも何もその元神とでお主を見ていたからな!許可も得ている。新しい技術を発展させてほしいと言っていたな!だから、気にするな」
「そういうことなら有り難く名を頂くわい!いつか、オグン様に挨拶ができればいいんじゃがな」
元神様からのお墨付きも頂いているので、気兼ねなく名を頂くことができた。
「それは、オグンが死んだ時だな!その時は、俺のとこに送られるようにしてやるから、連れて行ってやる」
どうやら、隠居した元神には生きているうちに会うことができないようだ。
「その時は、よろしく頼みます」
おやっさんは、頭を下げてお願いをする。
「ドワーフの諸君、加護を与えてやったからな!少々無理をしても疲れない体になっている!今後も、世界の発展のために尽力を尽くすのだぞ」
最後に、技術神が締めの言葉を言って、その言葉を聞いたドワーフ達が、「はい」と言って頭を下げる。そして、頭を上げると神殿へと戻っていたのだ。
「どうやら、会えたようですね!それより、神力の塊のようなそれはなんですか?」
アレクは、おやっさんのハンマーを見て、凄い量の神力が込められていたので思わず聞いてしまう。
「技術神様から頂いたハンマーじゃ!それと、ワシは今日からオグンという名じゃ!そう呼んでくれると嬉しいわい」
アレクは、何故オグンなのか聞こうと口を開けるが、ドワーフ達が「祝いだ!飲み明かすぞ」と言って、アレクとパスクを抱えて神殿を出ていくので、アレク達は「え?」となって聞けず仕舞いになるのであった。
「アレク様、準備は整いましたか?」
「うん!さっき終わったところだよ。いつでも会えると思う」
パスクもアレクも、目で合図を送ってドワーフに魔道具が見つからないように振る舞う。
「では、ドワーフの皆さん、この創造神様の像の前で祈りを捧げてください」
ドワーフ達は、パスクに言われるがままに膝を突いて祈りを捧げる。
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「うむ!ドワーフ達よ!よくぞ参ったのじゃ!ワシは、この世界の創造神である」
ドワーフ達が、目を開けると目の前に創造神がおり、驚きのあまりに口をパクパクさせてしまう。しかし、すぐに我に返ると平伏したように地面へと頭を擦り付ける。
「そう畏まるでないわい!頭を上げるんじゃ!技術神が今か今かと待っておるぞい」
ドワーフ達は、創造神の言葉を聞いて恐る恐る顔を上げる。
「間近で見ると良い目をしている!俺は、技術神だ!ここに呼んだのは、全員に加護とこのハンマーをお主に渡したいと思ったからだ!」
話し始めたのは、顔の半分以上が髭で覆われていて、ツナギを着たザ・鍛冶師といった風貌の男性であった。そして、技術神が天高らかにハンマーを掲げると、天から光が差してドワーフ達の体へと入っていく。それから、技術神はおやっさんの前へ行き、決して綺麗とは言い難いハンマーを差し出すのだ。
「お主は、名前を一度捨てているな!俺が、新たな名を授けるが、問題ないか?」
おやっさんは、今まで誰にも公言していなかったが、ドワーフの国を出る時に名前を捨ていたようだ。
「え、あ、はい!ワシ、いや私のために技術神様が名前をですか!?光栄に思いますが、よろしいのですか?」
おやっさんは、いつものぶっきらぼうな言葉遣いではなく、しっかりとした敬語を使う。しかも、少し挙動不審にも見えるほど慌てているのだ。
「いつものように話せばいい!職人に、畏まった言葉は似合わんぞ!いいな?」
「あ!はい」
技術神は、普段のような言葉遣いをするように言うが、おやっさんはしどろもどろしながら敬語を使ってしまう。その事が、気に入らなかったのか?技術神は睨みを効かせて凄む。
「わかりま......わかったのじゃ!技術神様よ、ワシに名を与えてはくれんか?」
おやっさんが、いつものように話をすると、技術神はにこやかになり、ウンウンと頷く。
「お主に与える名は、オグンだ!俺の友である武器を作らせれば右に出る者はいないと言われた神様だ!しかし、もう神を引退し、余生を暮らしているからな!その名をお主にやろう!」
まさか、神の名を頂けると思っていなかったおやっさんは、口を開けてポカーンとした表情を浮かべる。
「なんだ?気に入らないのか?なら別の名前にするが」
「あ!いや、そんなことはないんじゃ!ただ、神様の名を頂いてよいものかと思ってのぅ」
その言葉を聞いた技術神は、大笑いする。
「ブッハハハハ、いいも何もその元神とでお主を見ていたからな!許可も得ている。新しい技術を発展させてほしいと言っていたな!だから、気にするな」
「そういうことなら有り難く名を頂くわい!いつか、オグン様に挨拶ができればいいんじゃがな」
元神様からのお墨付きも頂いているので、気兼ねなく名を頂くことができた。
「それは、オグンが死んだ時だな!その時は、俺のとこに送られるようにしてやるから、連れて行ってやる」
どうやら、隠居した元神には生きているうちに会うことができないようだ。
「その時は、よろしく頼みます」
おやっさんは、頭を下げてお願いをする。
「ドワーフの諸君、加護を与えてやったからな!少々無理をしても疲れない体になっている!今後も、世界の発展のために尽力を尽くすのだぞ」
最後に、技術神が締めの言葉を言って、その言葉を聞いたドワーフ達が、「はい」と言って頭を下げる。そして、頭を上げると神殿へと戻っていたのだ。
「どうやら、会えたようですね!それより、神力の塊のようなそれはなんですか?」
アレクは、おやっさんのハンマーを見て、凄い量の神力が込められていたので思わず聞いてしまう。
「技術神様から頂いたハンマーじゃ!それと、ワシは今日からオグンという名じゃ!そう呼んでくれると嬉しいわい」
アレクは、何故オグンなのか聞こうと口を開けるが、ドワーフ達が「祝いだ!飲み明かすぞ」と言って、アレクとパスクを抱えて神殿を出ていくので、アレク達は「え?」となって聞けず仕舞いになるのであった。
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