チート薬学で成り上がり！ 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました！

第2章 強敵ルシファーと新たな力を得る

第506話 王城からの使者との話し合い！

全員のご帰還を祝う宴が開催されてから5日位が経とうとしていた。宴では、全員が飲み食いに勤しんでいたため、アレクは修行がどんな内容か聞けず仕舞いでいた。

「旦那様、ルーヘン様とヘリオス様が訪ねて来られております。応接室へご案内を致しましたが、お会いになられますでしょうか？」

ファビロが、執務室へ入ってきて尋ねてくる。

「ルーヘンさんとヘリオスさんが？なんだろう。すぐに行くね」

アレクは、すぐさま立ち上がって応接室へと向かう。

「お待たせ致しました。お久しぶりです。本日は、どうされたのですか？」

十戒の事件があってから王城と魔物の街を繋ぐ転移部屋を作ったため、こうして気兼ねなく行き来ができるようになった。

「タカハシ辺境伯様、ご無沙汰しております。まずは、陛下から書状を預かっておりますのでお読みください」

アレクは、黙ってヘリオスから受け取ると書状を読み始める。そして陛下からの書状には、褒賞のこと十戒のこと犯罪者に薬を使うことが書かれていた。

「まず、褒賞ですが、決めかねるとはどういうことでしょうか？」

十戒を撃退したことに関する褒賞をどうしたものかと悩んでいるようだ。

「今回のこともそうですが、様々な出来事を解決してきたタカハシ辺境伯様に見合う報酬がないとおっしゃっていました」

「アレクくん、もうこの際一層のこと、王国をもらって陛下になったらどうだい？陛下に尋ねたら乗り気だったよ」

ヘリオスが、真面目に返答をすると横からルーヘンが冗談混じりで茶々を入れてくる。

「ヘリオスさん、報酬なしとかは駄目ですかね？それとルーヘンさんは、黙っていてください！なる気はありませんからね。もう、陛下に変なことを言わないでくださいよ」

アレクは、ヘリオスとルーヘンを交互に見やりながら答える。そして、ルーヘンは全然反省してないようで、アハハハと笑う。

「流石に、褒賞をなしにするのは、色々問題になると思いますので無理かと思います。タカハシ辺境伯様が、欲しい物を提示して頂けると助かります」

陛下の面子があるのと、今後活躍した人が褒賞されなくなってしまう自体にもなりかねないので認められないようだ。

「う～ん？そう言われましても......とりあえず、陛下に会う前までには考えておきますね。あと、十戒が回復して話が出来るようになったのですね」

「はい！いつでもお越し頂いても構わないとのことです。十戒の隊長と副隊長は、謝りたいとおっしゃっていました。一部は、元から洗脳されており、いまだに罵詈雑言を発しております」

どうやらアレクの神力の効果でルシファーの呪いによる洗脳は解けたようだ。

「そうですか！なら早速行きましょう。直接、犯罪者のことや聖王国に行ってもいいのか陛下に尋ねる必要もありますから」

アレクは、早くルシファーに関係する人物を炙り出して、聖王国をまともな国に戻さなくてはならないと考えている。

「その方が、話も早いですし、よろしいかと存じます。そうなると、我々が来た意味がないように感じられますがね」

ヘリオスは、苦笑しながら返答をする。

「いえ、事前にどのような内容か把握できたのはありがたい限りです。あと、ちょうど陛下にお伝えしたかったこともありますから！ルーヘンさん、ヘリオスさん、またしても王国に危機が訪れようとしています。十分警戒してください」

先日現れたルシファーの仲間らしきおじいさんが、何を考えて行動しているかわからないので、気を付けるように伝える。

「また危機かい！？それなら、以前みたいな状況にならないようにしなくちゃいけないね！戻ったら団員達に喝を入れ直さないと」

ルーヘンは、またあのような大惨事になる可能性があるのかと瞬時に悟って、今回は遅れを取らないようにしなくてはと考える。

「それでは、私達とすぐにでも王城に行かれますか？」

「はい！今すぐ行きましょう」

アレクは、そう言って立ち上がるとルーヘンとヘリオスが先導して王城に繋がる転移部屋に向かうのだった。