チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐@書籍発売中

文字の大きさ
上 下
386 / 806
第2章 強敵ルシファーと新たな力を得る

500回記念! 前編)最強の鬼人の王と怠惰なデュアル!

しおりを挟む
 4月3日になった。今日は一狼の54歳の誕生日だ。

 青夜はちゃんと朝食時に高級腕時計をプレゼントした。

「ありがとう、青夜。でも、これ、高かっただろ? 誰が買ったんだい?」

「お金の出所はアンだけど、ちゃんとオレが選んだから安心してね」

「あのねぇ~。だったら、『肩叩き券』とか『東条院の大集会開催券』の方が助かるんだが」

「東条院とはもうオレ、無関係・・・だから」

「でもねぇ~」

「宗家当主の命令に逆らうなんて不忠義だよ、パパ」

「・・・東条院の一党が刈り場になるよ?」

盛者必衰じょうしゃひっすいだからね。東条院なんて偉そうにしてるけど安土桃山時代以降の成り上がり者だし」

 その歴史は本当だ。

 何せ、異能力がある世界だ。

 なので、安土桃山時代の『第六天魔王』も当然、異能力者な訳で、それを封じる為に日本ひのもと中の異能力者が力を結集する破目になり、その中の生き残りの30以上が家をおこしてる。

 その1つが中国から伝来した青龍拳の使い手の東条院だった。

「だけどねぇ~」

 一狼はどうにか説得を試みたが嫡子の青夜に遠慮して説得する事は出来なかった。





 この日も青夜もうでだ。

 いい加減、青夜はうんざりだったが無視した。

 重要なのは明日だ。

 青夜の16歳の誕生日。

 東条院宗家から田中家へ養子に出されてるし、もう問題はないはずだが、警戒して田中の家から青夜はその日、一歩も出なかった。





 東条院の宗家屋敷の情報は皇宮警察の異能部隊勤務の長女の弥生経由で逐一入ってくる。

 東条院の宗家屋敷を邪気で汚染して、その場に居合わせた全員に呪いを掛けたのは中国系の新開発された無差別異能兵器アイテムらしい。

 まあ、多分、嘘だが。

 東条院の宗家屋敷に中国系の兵器が例え内通者が居ても持ち込める訳がない。

 絶対に引っ掛かる。

 兵器は人だった?

 あり得ない。あれだけの邪気の高まりなんて。

「青夜、犯人に心当たりはないの? 警視庁と自衛隊の異能捜査チームはお手上げらしく皇宮警察まで噛む破目になったんだけど」

 夜、仕事帰り直後でスーツを脱いだブラウス姿の弥生に聞かれた。

「案外、オレが養子に出された事による白鳳院や二千院の報復だったりして」

「真面目に質問してるのよ、こっちは?」

「東条院を落としたのが木っ端こっぱ組織なんて誰も信じませんから、それくらいのビッグネームが絡んでるんじゃないですか?」

「青夜は噛んでないのね?」

「ええ、もちろん」

「信用出来ない顔よねぇ~」

「いやいや、マジですって。白鳳院の当主代理様にもそう答えましたし。って聞いてましたよね、あの時の会話?」

「まあね」

 盗聴は白鳳院枢の護衛の為だ。皇宮警察の異能部隊として何の問題もない。

「さすがのオレも白鳳院の次代様に嘘なんてつきませんよ。白鳳院への証言は術式が施された起請文や異能力者裁判所の宣誓よりも縛りがキツイんですから」

「なら、誰が黒幕なのかしら?」

「さあ、分かったら教えて下さいね。狩りますから」

 そう青夜は嘘臭い笑顔で微笑んだのだった。
しおりを挟む
感想 2,181

あなたにおすすめの小説

異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~

ファンタジー
 高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。 見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。 確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!? ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・ 気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。 誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!? 女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話 保険でR15 タイトル変更の可能性あり

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?

伽羅
ファンタジー
 転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。  このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。  自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。 そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。 このまま下町でスローライフを送れるのか?

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です

しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。