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第2章 強敵ルシファーと新たな力を得る

第493話 魔物の街にご帰還したアレク達!

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アレク達は、アントン達に別れを告げて、転移で魔物の街に戻る。

「森の長様、おかえりなさいませ!今すぐ門を開けますので暫くお待ちください」

出迎えてくれたのは、流暢に話せるようになったミノタウロスとオークである。

「いつもありがとうね。横にいるのは、新しく仲間になったデストロイっていうから仲良くしてあげてね」

アレクが、デストロイを紹介すると、ミノタウロスとオークが笑顔でデストロイに握手を求めに行く。しかし、デストロイは握手を返そうとはせず、だんまりを決め込む。

「ぐぁぁぁぁ!これも、成約違反になるのかよ」

またしても、仲良くしなかったということで全身に激痛が走る。デストロイは、引き攣った作り笑顔を浮かべながらミノタウロスとオークに握手をする。

「よ、よろしくな」

ぎこちない挨拶にアレクとパスクは思わず大笑いしてしまう。

「お前ら殺......ぐぁぁぁぁ」

アレクとパスクに、殺気を飛ばした瞬間、またしても全身に激痛が走って大声を上げてしまう。

「ク、クソ!地獄じゃねぇぇかぁぁぁぁ」

デストロイは、思っていた以上に奴隷が苦痛だと知って天に向かって声を張り上げる。すると、ノックスとオレールと豪牙が、敵襲かと思って一瞬にして駆けつける。

「デストロイ!何故お前がここにいる!」

ノックスは、デストロイを見つけると大剣を引き抜いて臨戦態勢を取る。

「お前達もいるのか!これは.....ぐぁぁぁぁ」

デストロイは、ノックスとオレールを見据えると、すぐにでも攻撃できるように構える。しかし、成約に反したとみなされて、またしても全身に激痛が走るのだ。それを見たノックスとオレールは、何が起こっているのかといった様子でデストロイを見る。

「デストロイは、奴隷として連れてきましたので安心してください!無闇に攻撃や殺しが出来ないようにしていますから」

ここでアレクが、ノックスとオレールに話しかける。

「アレク坊、帰って来ていたのか!デストロイに集中して気付かなかったぞ!それより、囚人とはどういうことだ?」

「とりあえず、お茶でも飲みながら話しませんか?ずっとバタバタしていて喉が乾いちゃいました」

ノックスは、改めてアレクを見る。すると、何かに気付いたのかニヤリと笑って「早く行くぞ」と言って街の中へと入っていく。アレクは、まだ悲壮感を漂わせるデストロイの背中を押してノックスのあとを追うのだ。





「ふぅ~生き返る~!」

アレクは、部屋に入るとファビロが用意してくれたコーヒーを飲んで一息つく。

「アレク坊、何があったか話してくれ!その隠している力にも興味があるからな」

「気付いていたのですか!?やっぱり師匠に隠し事はできませんね。では、順に話して行きます」

それからアレクは、創造神と話したこと、神力を身に着けたこと、十戒を治して囚人達を更生させたこと、デストロイに勝って奴隷にしたこと、最後にノックスが武神にオレールが魔法神にパスクが聡明神に気に入られたことを話した。ちなみに、デストロイが破壊神に気に入られたことは話さずにいた。何か嫌な予感がしたからである。

「アレクくんが、外出したら何かが起こりますね。それよりも、創造神様以外の神様がいたことに驚きますね」

オレールは、笑ってアレクらしいなといった表情を浮かべる。

「武神だと!?会って手合わせしたいな」

ノックスは、相変わらずの戦闘狂振りを発揮する。頭の中は、手合わせでいっぱいになり、アレクの神力などどうでもよくなっている。

「会えますよ!でも、創造神様いわく、魔物の街に神殿を作ること。そして、師匠とオレールさんとパスクも手伝うことが条件だそうです」

それを聞いたノックスは、すぐさま立ち上がってアレクを引っ張って、「今すぐ作るぞ」と言う。戦闘が絡むと後先考えず目先だけで行動してしまうノックス。

「師匠、待ってください!って止まらないよぉぉぉぉ」

神力を使っていないアレクでは、ノックスの力に負けて引きずられていくしかないのであった。
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