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第2章 強敵ルシファーと新たな力を得る

第490話 改心ポーション!?とデストロイとの再会!?

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「ここが、十戒の収監されている場所になります。他の極悪人も収監されておりますので、どうかお気を付けください」

地下牢に案内されたアレクは、鋼鉄の扉を開けて地下へと下りていく。すると、アレク達を見た囚人達が、格子を叩いて喚き散らす。

「アントン様、この犯罪者はどのような刑が待っているのですか?」

アレクは、騒ぎ立てる囚人に目もくれず、行く末を尋ねる。

「ほとんどが死刑になります。一部の者は、奴隷として鉱山で働かせる予定です」

「アントン様、もし改心するようなことがあれば、全員を奴隷にして労働力として使えますか?」

アレクから思いも寄らない言葉が出てきたため、アントンはどういうことか?と疑問を浮かべる。

「改心するのであれば、力が有り余っている者が多いので、労働力としては引く手あまたでしょう。しかし、どのようにして、このような極悪人を改心させるのですか?」

アントンからすると、世に放ってはいけない人物ばかりで、改心などあり得ないと思っている。

「デストロイのことを考えていまして、どうにか改心させて戦力にならないかと思っていたのです。そこで、これを開発しました」

アレクは、ポーション瓶を取り出してアントンに見せる。見せられた直後アントンは、どういうことなのかわからずにいたが、すぐに今までのアレクの薬の効能を思い出してピンッとくる。

「もしかして、改心させる薬を作り出したというのですか!?」

アントンは、驚きのあまりに大きな声を張り上げてしまう。囚人達も、一切怖がらないアレク達を見て、いつの間にか黙っている。

「はい!定期的に飲ませる必要はありますが、飲んでいる限り極悪人になることはありません。それに、魔法による支配のように自我を失うこともありません」

「それは本当ですか!改心させた上に自我まで保てるというのは......」

アントンは、先程よりも更に驚いた顔をしてアレクに詰め寄る。

「はい!本当です。それと、改心して刑期を終えたら魔物の街で引き取ります。それならば、もし逃げ出しても安心できますよね?」

「安心は出来ますが、魔物の街に被害が及ぶ恐れがあります!この話は、陛下と話し合ってからということでよろしいですか?」

アントンからすると、これから交易の要となるであろう魔物の街に、もしものことがあってはと懸念するのだ。

「わかりました。ですが、こうもうるさいと大変でしょうから、薬を飲ませる許可を頂けませんか?」

「はい!それでしたらお願いしたいくらいです!囚人同士の殺し合いも日常茶飯事になっており、更には食べ物を運ぶ兵士も精神的に疲れて果ててしまっている様子なので」

アントンも、ヤレヤレといった感じで困り果てているようだ。

「では、さっさと囚人に飲ませて、十戒の解呪をしましょう。では、牢を開けてください」

アレクは、鍵を持っているバトラーにお願いをする。

「タカハシ辺境伯様、十分に気をつけてください!何をしてくるかわからない者たちばかりですから」

「わかっています。パスク、手足の一本や二本くらいなら切っていいから黙らせて」

バトラーが、アレクに気を付けるように言うとアレクは、パスクに残虐な命令を下す。アレク的には、優しく解決したいのだが、死刑を待つような極悪人に生やさしさは通用しないと考えるのだ。

「はい!畏まりました!」

パスクは、剣を抜いて構える。

「開けますので、お気を付けください」

バトラーが、再度注意を促す。しかし、パスクは集中しており、一切耳に届いていないのだ。そして、牢屋が開くと同時に、中にいた囚人達が一斉にアレク達へと襲いかかる。

「バカめ!俺達を......ぎゃぁぁぁぁ」

パスクは、襲いかかる囚人達を一人として後ろに漏らすことなく、手足を切断していく。そして、手足を切り落とされた囚人達は、あまりの痛さに阿鼻叫喚する。出遅れた囚人は、その地獄絵図を見て牢の中へ後退りするのである。

「ま、ま、待ってくれ!話し合えば......ぎゃぁぁぁぁ」

パスクは、問答無用で残った囚人達の手足を切り落としていくのだ。違う牢に入っている囚人は、次は自分達だと悟り、震え始める者も出てきた。

「アレク様、この牢は片付きました。思いのほか時間がかかってしまい申し訳ございません」

パスクは、アレクに駆け寄ると、待たせてしまったことに謝罪をする。しかし、アレクからしたら一切待っていないので、何故謝るのといった感じだ。

「全然待ってないよ!パスク、ありがとう。この薬で改心させたあと、エリクサーで手足を治してあげてね。大事な労働力だからさ」

「はい!畏まりました!どんどん改心させていきましょう」

その後も、パスクが手足を切り落として、改心させて治療していく流れが繰り返し行われた。最終的には、正座をして待ち、自ら薬を飲む囚人まで現れて、思っていた以上に早く事が進む。しかし、最終の牢に辿り着くと今までの囚人とは違い強いオーラを放つ者がいた。

「デストロイ、久しぶりだね!元気にしていたかい?」

アレクが、そう言うとデストロイは、ゆっくり頭を上げてアレクを見据える。

「お前か!久しぶりだな!随分派手にやったようだが、俺にも同じことをするのか?」

デストロイは、ニヤリと笑いながらアレク達を見る。以前の戦いで、アレク達の戦闘力を把握済みのデストロイからすると、牢が開いた瞬間逃げられると確信しているようなのだ。

「前と同じだと思ってもらったら困るよ!さっさと改心させるからそのつもりでいてね」

アレクは、神力を解放する。わざわざ、脱いだ服を着ることなく、大きなローブをそのまま羽織っていたのは、これが原因である。

「成長したが、前とは少し違うようだな!だが、姿が変わっただけのことだ!お前一人じゃあ、俺には勝てない」

前は薬の力で大人の姿に変身したアレクだが、今は神力で青年の姿になっているので、前とは別人のようになっている。

「それは、どうかな!早速、始めようか」

アレクは、そう言いながら牢屋に一歩一歩近付くのであった。
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