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第2章 強敵ルシファーと新たな力を得る

第489話 十戒の解呪にやってきたつもりが、国王にされかける!

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「タカハシ辺境伯、本日はまた急にどうしたのですか?」

アントンは、内心事前連絡をしてくれたらいいのにと思いながらも笑顔で対応する。

「急に来てしまい申し訳ございません。十戒に関することで参りました」

「今、陛下は会議中でして、陛下からタカハシ辺境伯が訪ねてきた場合は、私が対応するように言われております。詳しい話をお聞きしたいので、こちらへお越しください」

陛下も、突然やってくるアレクの対策を立てていたみたいだ。アレクは、「はい!」と答えてパスクと共に、アントンの後ろをついていく。

「十戒についてということですが、どのような内容でしょうか?」

部屋について、椅子に腰掛けてからすぐに本題に入る。

「先程、教会に行きまして、創造神様から十戒のルシファーによる呪いが解けていないと説明を受けました。そして、解くように言われたので、王城にきたというわけです」

アレクは、詳しくは話さず、要点をかいつまんで話す。

「創造神様ですか!お会いしたというのですか!?」

アントンは、アレクが創造神と会えることを知らないので、驚いてしまう。

「はい!大きなローブをお貸しくださいませんか?証明になるかわかりませんが、お見せしたいものがあります」

アレクは、神力を見せようとする。しかし、現世で変身してしまうと、服が破れてしまうと思い、ローブを貸してもらうように言う。

「少々お待ちください!すぐにお持ち致します」

アントンは、そのまま部屋を出ていく。数分経って戻ってくると、アントンが先頭におり、バトラーがローブを抱えている。

「タカハシ辺境伯様、お持ち致しました」

「ありがとうございます」

バトラーからローブを渡されて、アレクは服を脱いでローブを羽織る。おもむろに服を脱ぐアレクを見て、アントンとバトラーは、何が始まるのかと疑問に思う。

「では、少々眩しいと思いますが、我慢してください」

そう言うとアレクは、神力を解放して、青年の姿に変身する。アントンとバトラーは、眩しさに目を覆うが、ゆっくり目を開けると、青年になったしかも神秘的に光り輝くアレクを目の当たりにして驚いてしまうのだ。

「タ、タカハシ辺境伯ですか?」

「はい!創造神様から神力を解放する術を学びまして、証明するために神力を解放してみました」

アントンとバトラーは、神力という言葉を聞いて、驚きを通り越し口をポカーンと開けてしまう。

「アントン様!?バトラーさん!?」

アレクは、ずっと口を開いたままの二人に声をかける。

「あ!申し訳ございません。あまりにも突拍子もなく、驚いてしまいました。これが、神力なのですね。確かに、神秘的な感じがします」

アントンは、今一度アレクを凝視して、神力を確認する。

「今から、十戒がいる場所に案内しては貰えませんか?呪いを解きましょう」

「はい!案内致します。ちなみに、タカハシ辺境伯は、神になられたのですか?」

アントンは、単純にアレクがどのような存在なのか気になり尋ねる。

「半神ですね。あまり実感はありませんが、寿命は長いようです」

「タカハシ辺境伯、国王になられますか?多分ですが、現国王様も喜んで差し出されると思います」

半神であるため、この世ではアレク以上の存在はおらず、王国を導きたいのであれば、国王の椅子を用意すると言うアントン。

「え?いりませんよ!俺は、のんびり魔物の街の領主をやっているくらいがちょうどいいのです」

アレクは、そんな大変で面倒そうな王様とか絶対に嫌だと思う。

「いつでもおっしゃってください!パスクに宰相の座を譲る準備もできていますので」

アレクは、これを聞いて、陛下もアントンも引退したいだけではないのかと勘ぐってしまう。

「宰相様、私はアレク様の側でずっと支えていくつもりですので、今はお断りしたいと思います」

「そうですか......残念ですね。お二人ならば、素晴らしい国に導いて頂けると思ったのですが」

パスクは、アレクが国王になるのなら、側で支えていきたいと考えているので、やりたくないとは言わない。

「この話は、一旦辞めにしましょう!とりあえず、十戒がいる場所に案内してください」

アレクは、これ以上この話をすると、本当に国王へならざるを得なくなってしまうと思い、話を逸らすのだった。
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