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第1章 王国を脅かす敵
第471話 トランブル侯爵家の刺客VSセバス!
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「ヴェルトロ子爵、手違いがあったようだが、せっかく来たんだ楽しんでいきなさい。それより、先程ワインの話が出たが、ワシにも飲ませてはくれぬか?」
張り詰めた空気から一転、和やかな雰囲気となり、コリンズ男爵もシュラウド伯爵も安心した顔をする。そして、セバスがワインを注いで3人に渡す。
「うちのストレン領で採れた葡萄を使っております。是非、お飲み頂けると嬉しく思います」
そう言うと、3人は一斉に飲むのであった。しかも、口に合ったのか?全員が一滴も残さず飲み干すのであった。
「これは、上手い! 是非、購入させてもらいたい」
「ヴェルトロ子爵、私も、購入したい」
トランブル侯爵もシュラウド伯爵も購入を望んで和やかなムードが続く。陛下が 、仕入れたワインは、流石だなと思うヨゼフ。
「はい。ありがとうございます。では後日、商人に伝えておきますので、よろしくお願い致します」
そして、無事に任務を達成したヨゼフは、ある程度のところでトランブル侯爵に挨拶を済ませて屋敷を出る。そして、ヨゼフもセバスも無言のまま馬車に乗って出発する。
「ふぅ~何事もなく終わってよかったぞ」
「案外、今回の任務は簡単だったな。侯爵も伯爵も男爵も馬鹿で助かったってとこか?ぶっはははは」
首元を緩めて一息吐くヨゼフ。そして、セバスも任務が終わり、いつものセバスに戻るのであった。そこから、どのくらい時間が経っただろうか?もうトランブル侯爵の領地を抜けるか?抜けないか?の場所へ来ていた時に、馬車が急に止まる。
「どうした?急に…… 」
ヨゼフが、急停車したので驚いていると、セバスがヨゼフを抱きかかえるようにして、馬車を突き破って外に出る。その直後、大爆発が起きて馬車が炎上するのだ。
「ヨゼフの旦那、怪我はねぇか?動けるなら今すぐ、結界の魔道具を展開しろ」
「セバス、助かった」
セバスに言われた通りに、結界の魔道具を取り出して作動させる。ちなみに、結界の魔道具はかなり貴重で、陛下や公爵くらいしか持っていない物なのだ。このことから、ヨゼフがかなりの重要人物だとわかる。
「あの状況から抜け出すとは......厄介ですね。ちなみに、依頼主はトランブル侯爵ですよ。どうせお聞きになるんでしょうから、先にお伝えしておきます」
2人を狙ったのは、腰くらいまで伸びた髪と綺麗な銀髪で、顔は中性的な綺麗な顔立ちをしている人物であった。
「トランブル侯爵とは、仲良くなったと思ったのだが、理由を教えてくれないか?」
「理由?知りませんよ。連れて来るように言われたのと、抵抗するなら殺せと言われただけです。ですが、面倒なので抵抗したことにして殺害しようとしたのですが、逃げられてしまったという訳です。では、早速始めさせて頂きます」
ヨゼフは、どこで気付かれたのかは、わからないが、この様子だと連行されたところで尋問の末、殺されるなと思う。そんなことを考えていると、もう目の前に、暗殺者が来ていた。しかし、セバスが蹴りを入れる。だが、暗殺者は間一髪で避けて後ろへ飛ぶ。
「ヨゼフの旦那、後ろに下がってろ。邪魔だ」
「面倒臭いですね。貴方から先に始末して、ヴェルトロ子爵にはついてきてもらいましょうか」
ヨゼフは、邪魔になると思い邪魔にならない場所まで避難する。ヨゼフが、避難している間も、暗殺者の攻撃がセバスを襲う。しかし、セバスは間一髪のところで躱す。
「ほらほら、逃げていては、私を倒せませんよ」
セバスは、暗殺者の剣の速度が早過ぎて避けるだけで精一杯なのだ。しかし、暗殺者はセバスが逃げるだけしかできないと思い、少し油断をして剣での攻撃が大振りになる。
「身体強化」
大振りをした瞬間、身体強化で素早さと攻撃力を上げて、暗殺者の腹を思いっきり殴る。油断していた暗殺者は避けることが出来ず、直撃してぶっ飛ぶ。
「ぐはぁ…… はぁはぁはぁ、貴様ぁぁぁぁ。殺してやる。炎烈弾」
本性を現した暗殺者は、凄い形相になり、無数の炎の玉が出してセバスに攻撃をする。
「疾風迅雷」
セバスに炎烈弾が、迫ってくる。しかし、目で追えない程の速さまで素早さを上げる疾風迅雷というスキルを使って簡単に躱して一瞬にして暗殺者の背後を取って殴る蹴るの連打を浴びせる。
「ぐはぁぐへぐほぉぐぁぁぁぁ」
セバスは、連打を浴びせたあと、片手で首を掴んで締め上げる。
「あ……あ……あっ……くか……」
暗殺者の綺麗な顔は歪んで、口からは涎を流して、目からは涙が流れる。
「いい顔をするな。好きな顔だが、人をまたしているからな。終わらせるとするか」
グギッと指の力だけで、首の骨をへし折るセバス。
「ヨゼフの旦那、終わったぞ」
「セバス、怪我はないか?」
隠れていたところから走ってきたヨゼフは、セバスの心配をする。
「あぁ大丈夫だが、こいつの処理と、これからどうやって帰るか......」
「処理をしてる間に見つかっても厄介だろうから、このままにしてこの先の村か街に行って馬を購入しよう」
パタンッとセバスは、ゆっくりと日記を閉じ、アイテムボックスに仕舞う。
「久々に日記を読みましたが、懐かしいですね。また暇な時にでも日記を読んでみましょう。案外、面白いものですね。では、そろそろ寝ましょうかね」
セバスは、机の明かりを消して、ベッドへ入り眠りに就くのだった
張り詰めた空気から一転、和やかな雰囲気となり、コリンズ男爵もシュラウド伯爵も安心した顔をする。そして、セバスがワインを注いで3人に渡す。
「うちのストレン領で採れた葡萄を使っております。是非、お飲み頂けると嬉しく思います」
そう言うと、3人は一斉に飲むのであった。しかも、口に合ったのか?全員が一滴も残さず飲み干すのであった。
「これは、上手い! 是非、購入させてもらいたい」
「ヴェルトロ子爵、私も、購入したい」
トランブル侯爵もシュラウド伯爵も購入を望んで和やかなムードが続く。陛下が 、仕入れたワインは、流石だなと思うヨゼフ。
「はい。ありがとうございます。では後日、商人に伝えておきますので、よろしくお願い致します」
そして、無事に任務を達成したヨゼフは、ある程度のところでトランブル侯爵に挨拶を済ませて屋敷を出る。そして、ヨゼフもセバスも無言のまま馬車に乗って出発する。
「ふぅ~何事もなく終わってよかったぞ」
「案外、今回の任務は簡単だったな。侯爵も伯爵も男爵も馬鹿で助かったってとこか?ぶっはははは」
首元を緩めて一息吐くヨゼフ。そして、セバスも任務が終わり、いつものセバスに戻るのであった。そこから、どのくらい時間が経っただろうか?もうトランブル侯爵の領地を抜けるか?抜けないか?の場所へ来ていた時に、馬車が急に止まる。
「どうした?急に…… 」
ヨゼフが、急停車したので驚いていると、セバスがヨゼフを抱きかかえるようにして、馬車を突き破って外に出る。その直後、大爆発が起きて馬車が炎上するのだ。
「ヨゼフの旦那、怪我はねぇか?動けるなら今すぐ、結界の魔道具を展開しろ」
「セバス、助かった」
セバスに言われた通りに、結界の魔道具を取り出して作動させる。ちなみに、結界の魔道具はかなり貴重で、陛下や公爵くらいしか持っていない物なのだ。このことから、ヨゼフがかなりの重要人物だとわかる。
「あの状況から抜け出すとは......厄介ですね。ちなみに、依頼主はトランブル侯爵ですよ。どうせお聞きになるんでしょうから、先にお伝えしておきます」
2人を狙ったのは、腰くらいまで伸びた髪と綺麗な銀髪で、顔は中性的な綺麗な顔立ちをしている人物であった。
「トランブル侯爵とは、仲良くなったと思ったのだが、理由を教えてくれないか?」
「理由?知りませんよ。連れて来るように言われたのと、抵抗するなら殺せと言われただけです。ですが、面倒なので抵抗したことにして殺害しようとしたのですが、逃げられてしまったという訳です。では、早速始めさせて頂きます」
ヨゼフは、どこで気付かれたのかは、わからないが、この様子だと連行されたところで尋問の末、殺されるなと思う。そんなことを考えていると、もう目の前に、暗殺者が来ていた。しかし、セバスが蹴りを入れる。だが、暗殺者は間一髪で避けて後ろへ飛ぶ。
「ヨゼフの旦那、後ろに下がってろ。邪魔だ」
「面倒臭いですね。貴方から先に始末して、ヴェルトロ子爵にはついてきてもらいましょうか」
ヨゼフは、邪魔になると思い邪魔にならない場所まで避難する。ヨゼフが、避難している間も、暗殺者の攻撃がセバスを襲う。しかし、セバスは間一髪のところで躱す。
「ほらほら、逃げていては、私を倒せませんよ」
セバスは、暗殺者の剣の速度が早過ぎて避けるだけで精一杯なのだ。しかし、暗殺者はセバスが逃げるだけしかできないと思い、少し油断をして剣での攻撃が大振りになる。
「身体強化」
大振りをした瞬間、身体強化で素早さと攻撃力を上げて、暗殺者の腹を思いっきり殴る。油断していた暗殺者は避けることが出来ず、直撃してぶっ飛ぶ。
「ぐはぁ…… はぁはぁはぁ、貴様ぁぁぁぁ。殺してやる。炎烈弾」
本性を現した暗殺者は、凄い形相になり、無数の炎の玉が出してセバスに攻撃をする。
「疾風迅雷」
セバスに炎烈弾が、迫ってくる。しかし、目で追えない程の速さまで素早さを上げる疾風迅雷というスキルを使って簡単に躱して一瞬にして暗殺者の背後を取って殴る蹴るの連打を浴びせる。
「ぐはぁぐへぐほぉぐぁぁぁぁ」
セバスは、連打を浴びせたあと、片手で首を掴んで締め上げる。
「あ……あ……あっ……くか……」
暗殺者の綺麗な顔は歪んで、口からは涎を流して、目からは涙が流れる。
「いい顔をするな。好きな顔だが、人をまたしているからな。終わらせるとするか」
グギッと指の力だけで、首の骨をへし折るセバス。
「ヨゼフの旦那、終わったぞ」
「セバス、怪我はないか?」
隠れていたところから走ってきたヨゼフは、セバスの心配をする。
「あぁ大丈夫だが、こいつの処理と、これからどうやって帰るか......」
「処理をしてる間に見つかっても厄介だろうから、このままにしてこの先の村か街に行って馬を購入しよう」
パタンッとセバスは、ゆっくりと日記を閉じ、アイテムボックスに仕舞う。
「久々に日記を読みましたが、懐かしいですね。また暇な時にでも日記を読んでみましょう。案外、面白いものですね。では、そろそろ寝ましょうかね」
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