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第1章 王国を脅かす敵

第470話 トランブル侯爵邸に侵入するヨゼフとセバス!

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「コリンズ男爵とシュラウド伯爵に挨拶に行く。その時確認して、いつもの合図で伝えるからよろしく頼むな」 

「ヴェルトロ子爵様、お任せ下さい」 

仕事モードになったヨゼフは、恥ずかしくない言葉遣いを平然と使うのだ。そして、会場へ行き、男爵と伯爵を探すヨゼフ。すると、幸先よくコリンズ男爵が1人でいるところを見つけたのだ。ヨゼフは、見つけるとすぐにコリンズ男爵に近付く。 

「コリンズ男爵でしょうか?私は、ヴェルトロと申します」 

「これは、ご丁寧なご挨拶ありがとうございます。大変お恥ずかしい話なのですが、ヴェルトロ殿の爵位をお聞きしてもよろしいでしょうか?勉強不足で申し訳ございません」 

コリンズ男爵は、恥ずかしそうに言う。 

「子爵の位を与えられております。ストレンという小さな田舎領地ですので、知らなくて当然ですよ。お気になさらないで下さい」 

このタイミングで、ヨゼフは真実の目を発動する。すると、完璧に黒判明なのである。しかも、強姦の様子が映し出されて不快な顔になってしまう。その不快な顔が、コリンズ男爵からするとヨゼフを知らないことに怒っていると思ったようだ。ヨゼフは髪の毛を触ってセバスへと合図を送る。 

「大変申し訳ございません。子爵様とは露知らず、先程の発言、大変失礼致しました」 

「構いませんよ。それよりこれはうちの領で作られた自慢のワインです。飲んでみて下さい」 

合図が出たタイミングで、セバスがワインをアイテムボックスから出して持ってきたのだ。 

「ほぉ~これは上物ですね。嫌な酸味が一切なく飲みやすいです。是非、購入させて頂けませんか?」 

この言葉を待ってましたと思うヨゼフ。そして、このワイングラスには、遅効性の毒が塗られているのだ。しかも、苦しまずに静かに死に至る為、毒殺という証拠も残らないのである。 

「コリンズ男爵とは、末永く仲良くしたいと思っておりますので、お安くさせて頂きますよ。それで申し訳ないのですが、シュラウド伯爵様をご紹介頂けませんか?是非、このワインを飲んで頂きたく思っておりまして」 

「ヴェルトロ子爵様とは、末永くお付き合いしていきたいものです。シュラウド伯爵様ですか?分かりました。このコリンズが、責任を持ってご紹介致しましょう」 

コリンズ男爵は、ワインをいたく気に入ったのか、満面の笑みになる。そして、コリンズ男爵の案内で、シュラウド伯爵の下へと向かう。すると、シュラウド伯爵はちょうどトランブル侯爵と一緒にいたのだ。 

「トランブル侯爵様、本日はお招き頂き感謝致します」 

「おぉ~コリンズではないか。楽しんでおるか?」 

コリンズ男爵が、トランブル侯爵に挨拶をすると、やはり仲良いのか、大歓迎する。この時、ヨゼフは、トランブル侯爵とシュラウド伯爵に、真実の目を使う。すると、やはり完全に黒なのだ。 

「はい。楽しんでおります。先程も、こちらのヴェルトロ子爵様と新たな出会いがありまして、大変おいしいワインを紹介して頂いたところです。それと、シュラウド伯爵様をご紹介してほしいとのことで、お連れしたのです」 

トランブル侯爵は、ヨゼフの顔を凝視して、悩んだような顔をする。 

「ワシは、ヴェルトロ子爵など呼んでおらんぞ。何故、招待客の印をつけておる?」 

その言葉に、コリンズ男爵もシュラウド伯爵も驚き、ヨゼフを凝視する。 

「お初にお目にかかります。トランブル侯爵様。私も、面識がなかったもので、驚いていたのですが、このように招待状が届いたのです。何かの間違いかと思ったのですが、最近一番勢いのあるトランブル侯爵様とお近づきになれるいい機会だと思い、やってきた次第でございます。ですが、やはり間違いだったようですね......私は退場した方がよろしいでしょうか?」 

わざと悲しそうな顔をするヨゼフ。そして、トランブル侯爵もこちらの手違いの可能性があると思い、問い詰めるのは早計だったと思うのだった。 
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