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第1章 王国を脅かす敵

第468話 十戒王都へ到着!副団長は、自分達のミスに気付いて慌てる。

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「陛下、聖王国の一団が入国致しました。只今、使いの者を送っておりますので、じきに王城へやってくるかと存じます」

アントンが、急いで陛下へと知らせにやってくる。

「そうか!とうとう来たのだな。この場で暴れられても困る。丁重に扱うのだぞ」

「ハッ!ルーヘン団長を含めた第三騎士団とバトラーを向かわせております。何かあったとしても対応可能かと思います」

アントンは、王都で対応できる最大戦力で出迎えることにした。何故かというと、武力行使をされた場合のこともあるが、相手になめられないようにするためだ。

「そうであったか!第三騎士団とバトラーであれば安心であるな。アントン、使いの者を今すぐ魔物の街へ向かわせ、アレクへと伝えるのだ」

「ハッ!畏まりました!すぐに向かわせます」

信用のおける人物を魔物の街へ向かわせて、十戒が魔物の街にくることを伝えに行く。





「ほぉ~!これは王国を侮っていましたね。このような強者がいようとは」

十戒が待つ詰所を訪れたバトラーとルーヘンを見て小さな声で呟く十戒の隊長。

「十戒の皆様、ようこそおいでくださいました。私は、執事をしておりますバトラーと申します。皆様を王城へ案内するよう仰せつかっております」

バトラーは、綺麗な所作で一礼をして挨拶をする。ルーヘンも、同じように名を名乗って挨拶をする。十戒のリーダーは、バトラーから十戒という言葉が出てきて、バレていることに対して面倒なことになったと思うのだ。

「これはこれは、ご丁寧にありがとうございます。事前にご訪問の連絡をしなかったこと平にご容赦ください。私は、十戒の隊長をしています。マーカスと申します」

マーカスは、深々とお辞儀をして謝罪と挨拶をする。その低姿勢がルーヘンからすると、意外な行動だったため、面食らってしまう。バトラーも意外だとは思ってはいるが、顔に出すようなことはない。

「聖王国の王家から事前の連絡がないということは、密談か?あるいは王家には知られたくない話であろうと陛下は仰っておりましたので、お気になさらないでください。まさか、教皇様の独断で来られたわけではありませんよね?」

バトラーは、気にも止めることなく、ズバッと相手の嫌なところを攻める。それを聞いたマーカスは、一瞬苦い顔をするが、すぐに元の平静さを取り戻す。

「アハハ、密談など恐れ多いです。少し気になる噂をお聞き致しまして、事実確認に参った次第です。まだ確証がないまま、王に知らせて大事になってはと思い、知らせず参りました」

マーカスは、当たり障りのない返答をする。だが、十戒だということがバレており、このままでは国同士の争いになる可能性が出てくるため、どうしたものかと考えを巡らせるのだ。

「そうでございましたか!どのような噂かは存じ上げませんが、陛下がお待ちです。そろそろ参りましょうか?」

バトラーは、あっさりとした答えで返して、場を相手の空気にさせないようにする。マーカスは、本当に食えない人物だと思い、思わず笑みが溢れる。

「副団長、あの二人ともう一人ですが、かなりの強者です。もし戦うようなら神具を使ってください」

サリウスが、副団長に報告をする。

「そこまでか。だが、これ以上はいないだろう。もし居たとすれば人間ではなく化け物だからな。待て......何故考えなかったんだ......」

副団長は、スキルがなくとも、ルーヘンとバトラーとヘリオスの強さを肌で感じていた。しかし、普通に戦えば勝てない人物ではないと思ってる。だか、ここであることを思い出して青ざめるのだ。

「副団長、どうされたのですか?」

急に青ざめる副団長を見て只事ではないと察するサリウス。

だ!帝国が公国に変わった時点で何故気付かなかった!史上最悪の悪魔であるデストロイが負けたということに......王国の余裕の振る舞いは、そういうことだったのか」

帝国いや世界最強の男デストロイ将軍が負けている事実に気付いた副団長は、それ以上の強敵がいることを察する。しかし、この状況で隊長に報告することも出来ず、無闇に暴れた場合、こちらがやられるかもしれないと思った副団長は、黙ったままついていくほかないのだった。
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