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第1章 王国を脅かす敵
第467話 暗部からの報告と暗部辞めようかな?
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十戒の隊長に殺気を放たれた暗部達は、いち早く偵察をやめてその場を離れた。そのまま1時間ほど走って、ある村の宿に入っていく。
「遠距離通信の魔道具の準備を頼む」
そう言うと、アイテムボックス持ちの暗部の一人が水晶のような丸い透明な石を取り出す。
「準備できました。いつでも王城へ繋ぐことが可能です」
「よし!今すぐ繋げてくれ」
リーダーらしき人物に命令されて、王城へと通信を繋げる。すると、通信器にはアントンが映し出される。
「偵察ご苦労様です。ご無事で何より......とはいかなかったご様子ですな」
アントンは、暗部全員の顔が曇っているのを見て、何か面倒なことが起きたのだろうと察する。
「宰相様、ご報告致します。すでに十戒は国境を越えました。あと数日で王都へ着くと思われます。我々は、一瞬にして見つかり、殺気を放たれたため離脱致しました」
リーダーが、報告と状況説明をする。
「そうですか。こちらもお出迎えの準備に入らなくてはいけませんね。にしても、あなた方が見つかるとは驚きなのですが......」
暗部の隠密は、普通であれば見つかることがないと思っている。しかし、殺気まで放たれており、居場所を特定されたことに驚くのだ。
「なんらかのスキルだと思います。かなりの距離を保ち、偵察していたのですが、一瞬で見つかりました。そして、殺気を放った人物なのですが、殺気の濃さから見てかなりの強者だと思います」
かなりの距離を保っていたにも関わらず、足が震えるほどの殺気を放たれたことに猛者だと判断する。
「それは色々と厄介ですな!なんにせよ、無事に離脱できてよかったです。あとは、こちらに任せてゆっくり帰還してください」
アントンは、すぐさま陛下へと報告をして、どのようにしていくかを相談しなくてはならないと考える。
「ハッ!了解致しました。それでは、失礼します」
そう言って通信切る。
「ふぅ~これにて任務終了とする!本当にお疲れ様」
暗部にしては珍しく、全員がその場でへたり込む。それほどに緊張していたのである。
「あの殺気を受けた瞬間、死んだと思いましたよ。俺は、王城に帰還したら辞表を提出するつもりです。故郷へ帰ろうと思っています」
「俺も同じことを考えていたよ。これ以上続けていたらいつか取り返しのつかないことになると......」
二人の部下が、それぞれ暗部を辞めると宣言する。それほどに先程の殺気は衝撃的なものとなったようだ。
「おいおい、お前ら二人共辞めるのか?お前らは、暗部でも指折りだぞ!辞められたら困るんだがな」
リーダーが、辞めると宣言した二人を止めようとする。このような危険な任務をこなせるのは、この二人しかいないと考えているから余計である。
「そのようにおっしゃって頂いて嬉しいのですが、最近手に負えない化け物ばかりが現れるようになり、限界を感じています。それならば、残り少ない人生を故郷で過ごしたいとなりました」
部下の一人がそう答えると、もう一人もそうだと言うように頷く。
「確かにそうだな。最近は、化け物ばかり現れるな!タカハシ辺境伯様が、もしいなければと考えると恐ろしく感じる!はぁ~、俺も辞めようかな......」
リーダーは、思わず自分も辞めようかと口にしてしまう。少なからず、思うところがあったようだ。
「これまで国に尽くしてきましたし、自由になっても文句はないでしょう。このまま全員で辞めて楽しく余生を暮らしませんか?」
「それもいいな!結婚して子供を授かって、のんびりというのも悪くない。ゆっくり余生とは今まで考えてもいなかったからな。まぁ、とりあえずは王都に戻るとするか」
暗部の三人は、それぞれのこれからのことを考えて思い思いにふけるのだった。
「遠距離通信の魔道具の準備を頼む」
そう言うと、アイテムボックス持ちの暗部の一人が水晶のような丸い透明な石を取り出す。
「準備できました。いつでも王城へ繋ぐことが可能です」
「よし!今すぐ繋げてくれ」
リーダーらしき人物に命令されて、王城へと通信を繋げる。すると、通信器にはアントンが映し出される。
「偵察ご苦労様です。ご無事で何より......とはいかなかったご様子ですな」
アントンは、暗部全員の顔が曇っているのを見て、何か面倒なことが起きたのだろうと察する。
「宰相様、ご報告致します。すでに十戒は国境を越えました。あと数日で王都へ着くと思われます。我々は、一瞬にして見つかり、殺気を放たれたため離脱致しました」
リーダーが、報告と状況説明をする。
「そうですか。こちらもお出迎えの準備に入らなくてはいけませんね。にしても、あなた方が見つかるとは驚きなのですが......」
暗部の隠密は、普通であれば見つかることがないと思っている。しかし、殺気まで放たれており、居場所を特定されたことに驚くのだ。
「なんらかのスキルだと思います。かなりの距離を保ち、偵察していたのですが、一瞬で見つかりました。そして、殺気を放った人物なのですが、殺気の濃さから見てかなりの強者だと思います」
かなりの距離を保っていたにも関わらず、足が震えるほどの殺気を放たれたことに猛者だと判断する。
「それは色々と厄介ですな!なんにせよ、無事に離脱できてよかったです。あとは、こちらに任せてゆっくり帰還してください」
アントンは、すぐさま陛下へと報告をして、どのようにしていくかを相談しなくてはならないと考える。
「ハッ!了解致しました。それでは、失礼します」
そう言って通信切る。
「ふぅ~これにて任務終了とする!本当にお疲れ様」
暗部にしては珍しく、全員がその場でへたり込む。それほどに緊張していたのである。
「あの殺気を受けた瞬間、死んだと思いましたよ。俺は、王城に帰還したら辞表を提出するつもりです。故郷へ帰ろうと思っています」
「俺も同じことを考えていたよ。これ以上続けていたらいつか取り返しのつかないことになると......」
二人の部下が、それぞれ暗部を辞めると宣言する。それほどに先程の殺気は衝撃的なものとなったようだ。
「おいおい、お前ら二人共辞めるのか?お前らは、暗部でも指折りだぞ!辞められたら困るんだがな」
リーダーが、辞めると宣言した二人を止めようとする。このような危険な任務をこなせるのは、この二人しかいないと考えているから余計である。
「そのようにおっしゃって頂いて嬉しいのですが、最近手に負えない化け物ばかりが現れるようになり、限界を感じています。それならば、残り少ない人生を故郷で過ごしたいとなりました」
部下の一人がそう答えると、もう一人もそうだと言うように頷く。
「確かにそうだな。最近は、化け物ばかり現れるな!タカハシ辺境伯様が、もしいなければと考えると恐ろしく感じる!はぁ~、俺も辞めようかな......」
リーダーは、思わず自分も辞めようかと口にしてしまう。少なからず、思うところがあったようだ。
「これまで国に尽くしてきましたし、自由になっても文句はないでしょう。このまま全員で辞めて楽しく余生を暮らしませんか?」
「それもいいな!結婚して子供を授かって、のんびりというのも悪くない。ゆっくり余生とは今まで考えてもいなかったからな。まぁ、とりあえずは王都に戻るとするか」
暗部の三人は、それぞれのこれからのことを考えて思い思いにふけるのだった。
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