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第1章 王国を脅かす敵

第465話 ジギタリスから報告と作戦会議!

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「タカハシ辺境伯様、ご無沙汰しております」

ジギタリスが、商会に設置してある転移魔道具を使って魔物の街へとやってきた。

「ジギタリスさん、お久しぶりです。ラヴァーナ様は、お元気ですか?」

「はい!毎日四天王と訓練をするほど元気にしております」

ジギタリスは、笑いながら魔ノ国の近況などをアレクに伝える。そして、世間話が一段落ついたのを見計らいアレクから今回来た目的を尋ねる。

「今回は、転移魔道具まで使って訪ねて来られた目的はなんでしょうか?」

「まずは、ウズベル王からの親書でございます。こちらからお読みください」

アレクは、何故ジギタリスが陛下の手紙を持っているのか疑問に感じながらも、受け取り読み始める。そこに書いてあった内容は、ハルセンが襲われたこと聖王国から十戒と呼ばれる騎士達が魔物の街やそれに関わる者を始末しにくることが書かれていた。

「遠く離れた聖王国が、何故魔物の街とそれに関係する者達を殺しにくるのですか?」

親書に書かれていたのは概要だけで詳しい内容までは書かれておらず、聖王国に狙われる理由が一切わからないのだ。

「聖王国は、古くから魔物を悪とみなしております。必然的に魔ノ国も該当するようで、何度も戦争を仕掛けてきましたが、初代魔王様の圧倒的武力の前に返り討ちに合い、それ以後は聖王国内で糾弾する動きしか見せていませんでしたが.......」

しかし、その後ジギタリスは、魔物の街を悪とみなして壊滅させるのは大義名分だと話し出した。歴代の教皇は、本当に魔の者を悪とみなしていたが、現教皇は俗物で目先のことしか考えていない最低なやつだと話す。ジギタリスの予想になってしまうが、魔の者を悪とみなす考えを利用して王国を手に入れようとする算段だというのだ。

「そんな教皇によくみんな従いますね。普通なら裏切り者が出てもおかしくないと思うのですが」

「教皇の裏の顔は一部の者しか知りません。私も、以前魔ノ国に逃げてきた者から色々聞いて知りました」

ジギタリスは、聖王国から命からがら逃げてきた教会の人間を保護した際に、教皇の裏の顔を聞いたらしい。

「創造神様が、下界に干渉できるなら話が早かったのに......でも、創造神様が魔物を悪と言っているところを見たことがないのに、聖王国がここまで魔物を目の敵にするのが不思議ですね」

アレクは、創造神を知っているからこそ、今回のような魔物を悪とみなす聖王国がおかしいと考えている。

「聖王国は、独自の神を信仰しております。魔の者を悪とみなす行動も教会の人間が勝手に作ったに過ぎません」

「本当に身勝手ですね。よく創造神様がこれまで怒らなかったのか不思議なくらいですよ」

創造神からすると、俗物の行動などいちいち気に留めるほどのことではないという考えであった。だが、それを放置した結果、今回のようなことにまで発展したことで、流石に黙ってはおけないとハルセンに忠告したのだ。

「そうですね。もしかすると、下界のことは下界の者が解決せよとおっしゃっているのかもしれません。それより、どのように解決するおつもりですか?」

「ん~そうですね。あっ!陛下には無闇に戦わず、ここに案内するように言ってもらえませんか?王国の民を無駄に巻き込むよりも、魔物の街で決着をつけましょう」

アレクは、危険になるかもしれないことを承知の上で魔物の街へと誘導するように伝える。

「それでは、魔物の街にも被害が及びます!お考え直された方がよろしいかと」

「ちなみに、聖王国からここまで何日くらいかかるのですか?」

ジギタリスは、心配してやめるように言うが、アレクは一切気にも止めていないようである。

「どれだけ早くこようと、14日はかかると思いますが、一体何をお考えなのですか?」

ジギタリスは、アレクの考えていることがさっぱりであり、思わず聞き返す。

「14日なら余裕かな!ちょっと耳を貸してください」

アレクは、ジギタリスにあることを耳打ちする。すると、ジギタリスは「なるほど」と言って納得する。

「それならば安全ですね。ドワーフがいるならば、余裕でしょう。今すぐ魔ノ国経由で王城へ報告に向かわせて頂きます」

「よろしくお願いします。では、こちらは迎え討つ準備をしておきます」

そう言うと、ジギタリスは一礼をして部屋を出ていく。アレクも、作戦を遂行するために立ち上がり仲間の元へ向かうのだった。
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