上 下
337 / 730
第6章 新たな仲間

第451話 夜明けの雫と子供達を連れて王都を出発!

しおりを挟む
朝の2回目の鐘がなると手分けしてパスクとオレールは、子供達を迎えに行き、ノックスは夜明けの雫を迎えに行く。

「ここだな!夜明けの雫はいるか?ノックスだ!迎えにきたぞ」

ノックスは、ドアをドンドンと叩いて夜明けの雫を呼ぶ。

「は、はい!今行きます」

ラミリスが、急いでドアを開ける。

「アレク坊から聞いていると思うが、魔物の街が完成したから迎えにきた。出発はできるか?」

「完成したのですね。出発はいつでもできます!それと、貴方様はもしかして伯爵様ですか?」

アレクから事前にノックスのことを聞いていたので、もしかしてと思い聞いてみる。

「あぁ、一応伯爵だが、畏まった言葉遣いをしなくてもいいぞ!そんなくだらないことで怒るようなバカではないからな」

ノックスは、気を遣われるのが嫌なのでラミリスに伝える。

「ふぅ~怖い貴族様じゃなくてよかったです。ですが、年上には変わりないので、このままの口調にさせてもらいます」

「好きにしたらいい。それより、他の仲間はいないのか?」

ノックスは、すぐにでも魔物の街へ帰って、多分豪牙であろうオーラが何だったのかを知りたいのだ。そのため、早く集まって出発したいと考えている。

「今必死で荷物をまとめていると思います。少し待っていてください」

ラミリスが、そのように言っていると、部屋の奥からドタドタと走る音が聞こえてくる。

「ラミリス、お待たせ~」

リンが、いつものようにラフな感じで話しかけてくる。その後ろからリッドとゼフが荷物を持ってやってくる。

「ノックス様ですね。この度は、わざわざ迎えにきて頂きありがとうございます!リッドと申します」

オドヘートに散々貴族の礼節を叩き込まれたリッドは、まだおぼつかないながらも、それなりの挨拶をする。

「お前が、リッドか!話は聞いている。オドヘートが、早くこいと言っていたぞ」

それを聞いたリッドは、貴族社会や内政の勉強、礼節などの過酷な毎日を思い出してゾッとしてしまう。

「やっぱり俺やめようかな......なんだかクラクラしてきた.....」

「ノックス様、こいつは俺が責任を持って連れていきます。それと、お待たせしてすみません!」

ゼフは、リッドを片手で軽々と担ぎ肩に乗せる。リッドは、慌てて「自分で歩く」からと言うが、ゼフは一切聞く耳を持たずに玄関を出るのだった。

「気にするな!急に訪ねたのは俺だ。よし!行くとするか」

ノックスは、夜明けの雫を見て、個性豊かなおもしろいやつらだなと思う。





「俺達が一番最後か!悪い!待たせた」

ノックスと夜明けの雫が、待ち合わせの場所に着くとすでに子供達とパスクとオレールが待っていた。

「私達も先程着いたばかりです!お互いの挨拶は移動しながらということで、早速行きましょう!」

パスクは、なるべく子供達の負担を減らすため、明るいうちに移動しようと考えていた。

「パスクくん、ちなみに何日くらいかけて帰るつもりですか?」

「三日くらいを考えています。アレク様から薬を頂いているので、ランス君達と夜明けの雫には飲んで頂こうかと思っています」

体力とスピードが、どうしても劣ってしまうので事前に薬を用意していた。そして、アレクからの薬と聞いた面々は、受け取るとランス達も夜明けの雫も、すぐさま飲み干すのだ。

「アレクくんの薬があるならどうにかなりそうですね。ノックス、先行してくれませんか?魔物と盗賊がいたら有無を言わせず殺してください」

「あぁ、任せてくれ!じゃあ、俺は先に行っているぞ」

オレールは、一番戦闘力が高く斥候にも慣れたノックスを先に行かせる。それと、他にも理由があり、ゆっくり進むとノックスのストレスが溜まるだろうと感じて、先に行かせたのだ。

「では、私達はのんびり魔物の街へ行きましょう」

オレールがそういうと子供達が、「お~」と言う。どうやら魔物の街へ行くことを凄く楽しみにしていたようだ。夜明けの雫では、リンが唯一子供達に混ざって「お~」と言っていて、その様子を見ていたラミリスがクスクスと笑うのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話

ラララキヲ
恋愛
 長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。  初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。  しかし寝室に居た妻は……  希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──  一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……── <【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました> ◇テンプレ浮気クソ男女。 ◇軽い触れ合い表現があるのでR15に ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾は察して下さい… ◇なろうにも上げてます。 ※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)

妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。

しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹 そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる もう限界がきた私はあることを決心するのだった

初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。 ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。 ※短いお話です。 ※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

妹しか愛していない母親への仕返しに「わたくしはお母様が男に無理矢理に犯されてできた子」だと言ってやった。

ラララキヲ
ファンタジー
「貴女は次期当主なのだから」  そう言われて長女のアリーチェは育った。どれだけ寂しくてもどれだけツラくても、自分がこのエルカダ侯爵家を継がなければいけないのだからと我慢して頑張った。  長女と違って次女のルナリアは自由に育てられた。両親に愛され、勉強だって無理してしなくてもいいと甘やかされていた。  アリーチェはそれを羨ましいと思ったが、自分が長女で次期当主だから仕方がないと納得していて我慢した。  しかしアリーチェが18歳の時。  アリーチェの婚約者と恋仲になったルナリアを、両親は許し、二人を祝福しながら『次期当主をルナリアにする』と言い出したのだ。  それにはもうアリーチェは我慢ができなかった。  父は元々自分たち(子供)には無関心で、アリーチェに厳し過ぎる教育をしてきたのは母親だった。『次期当主だから』とあんなに言ってきた癖に、それを簡単に覆した母親をアリーチェは許せなかった。  そして両親はアリーチェを次期当主から下ろしておいて、アリーチェをルナリアの補佐に付けようとした。  そのどこまてもアリーチェの人格を否定する考え方にアリーチェの心は死んだ。  ──自分を愛してくれないならこちらもあなたたちを愛さない──  アリーチェは行動を起こした。  もうあなたたちに情はない。   ───── ◇これは『ざまぁ』の話です。 ◇テンプレ [妹贔屓母] ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇なろうにも上げてます。 ※HOTランキング〔2位〕(4/19)☆ファンタジーランキング〔1位〕☆入り、ありがとうございます!!

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜

白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。 舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。 王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。 「ヒナコのノートを汚したな!」 「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。