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第6章 新たな仲間
第448話 ノックス、パスク、オレールの道中の会話!
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アレクと豪牙が、手合わせしている頃、パスクとノックスとオレールは凄まじいスピードで森を駆け抜けていた。
「ノックスさん、何故安全な道があるにも関わらずこちらを走っていくのですか?」
ドワーフが作ってくれた安全な道を使わずに、いつ魔物が襲ってくるかわからない森を駆け抜けている。現に、先程から魔物がひっきりなしに襲ってきている。
「あんな安全な道を使っても退屈なだけだろ?それに、いざって時の勘が鈍るからな!常に勘を研ぎ澄ませる必要があるんだ」
パスクもオレールも、ノックスのストイックさと戦闘狂ぶりに苦笑いを浮かべてしまう。
「パスクくん、ノックスは昔からこうなのです。凡人にはわからない考えですよ」
オレールは、ヤレヤレといった様子で、いつものノックスだな程度に捉える。
「おい!俺がおかしいやつみたいに言うな!ん?これは豪牙か?いや?オーラの質は似てるが......またアレク坊が何かしたな」
魔物の街からかなり離れたにも関わらず、ノックスは何かを察したようだ。
「ノックスさん、アレク様がまた何か始めたのですか?全く何も感じないのですが......」
パスクは、後ろを振り返るが、ノックスの感じた違和感の正体は分からずにいる。
「鬼人の王との戦いから感覚が研ぎ澄まされて魔力やオーラの変化に敏感になってな。それに、この距離で感じるなら相当な強さだろうな。まぁ悪いオーラではないから戻る必要はなさそうだ」
ノックスは、鬼人の王との一戦でまた能力全体のレベルが飛躍したのだ。その影響からか?感知能力も増して、今のようにオーラと魔力を敏感に感じ取ることができるようになってしまった。
「それならいいのですが。帰ったらアレク様に何があったかお尋ねしないといけませんね」
「必ずな!もしこのオーラが豪牙だとすると、模擬戦を申し込まなきゃいけないしな」
こんなに離れているにも関わらず、感じ取れる程のオーラの正体が豪牙であるとならば、また面白い戦いができるぞと思うノックス。そして、こんな会話をしながらも魔物が襲ってくるので、三人はひたすら討伐しながら進んでいる。
「またノックスの病気が始まりましたね。それと二人共、そろそろ森を抜けますので、スピードを緩めてください」
オレールは、笑いながらノックスの話を聞いている。そして、永遠に続くだろう話を遮るかのように出口が近付いていることを知らせる。
「もうこんなところまできたのか!」
ノックスは、豪牙のオーラと会話に気を取られて出口に近付いていることに、やっと気付いたようだ。
「私が、先行して王国の兵士に通る許可を頂いてきます」
「パスクくん、よろしく頼みます」
まだ一般開通されていないので、勝手に森に入らないよう王国の兵士が森の入口で警備をしている。パスク達は、通行を許可されているが、通るたびに検問で通行証明書を提示する義務があるのだ。
◆
「通行許可がおりました。行きましょう」
検問は、問題なく通過できるようで、笑顔のパスクが二人を出迎える。兵士達は、貴族三人が通過するので、緊張した面持ちで全員が通るのを見届ける。
「帰りは学生もいますから、今はなるべく早く向かった方がいいでしょう!」
オレールが、行きに時間をかけていたら戻るのがいつになるかわからないと判断して、先を急ぐ。
「そうだな!さっさと王都に行くぞ!」
そして三人は、また凄まじいスピードで街道を走り始める。
「あ!そうそう!オレールさんは、正式な弟子を取らないのですか?」
ノックスは、アレクを弟子にしているが、オレールは全くそんな気配がないので、気になり尋ねるパスク。
「そうですね。あまり取りたくはありません。責任が問われてしまいますからね。ですが、スベアに関しては弟子にせざるを得ないと思っています」
王都での昇格試験の際に、戦った元鉄血の牙のスベアという女性は、アレクが学園に通っている最中、オレール達のパーティーに所属していた。最近は、一切見かけておらず、パスクはスベアの名前が出てきて懐かしいと感じる。
「そういえば、スベアさんは最近何をされているのですか?鉄血の牙に戻られたとかでしょうか?」
パスクが、それとなくオレールに尋ねる。
「スベアさんですか?ある場所で、訓練を積ませています。あの状態で成長してもたかが知れていますしね。それに、私達と行動を共にするなら急成長をさせる必要がありますからね」
「そうでしたか。全く姿を見ないので、どうしているのかと思いました」
パスクは、いつの間にか師匠らしいことをしてるじゃないかとオレールを見ながら思う。スベアが、オレールの試験をクリアして魔物の街にきた時、どれだけ成長しているか楽しみになる。
「二人共止まれ!まだ距離はあるが何か嫌な予感がする」
ノックスは、急に止まって二人に声をかける。オレールもパスクも気配を探るが全く何も感じないので、相当距離があるのだろう。
「敵ですか?魔物ですか?」
「人間だが、複数で待ち構えているようだな」
パスクが尋ねるとノックスは、目を瞑ってオーラを探る。そして、複数の敵だとわかり、オレールもパスクも身構えて慎重に行動を開始するのであった。
「ノックスさん、何故安全な道があるにも関わらずこちらを走っていくのですか?」
ドワーフが作ってくれた安全な道を使わずに、いつ魔物が襲ってくるかわからない森を駆け抜けている。現に、先程から魔物がひっきりなしに襲ってきている。
「あんな安全な道を使っても退屈なだけだろ?それに、いざって時の勘が鈍るからな!常に勘を研ぎ澄ませる必要があるんだ」
パスクもオレールも、ノックスのストイックさと戦闘狂ぶりに苦笑いを浮かべてしまう。
「パスクくん、ノックスは昔からこうなのです。凡人にはわからない考えですよ」
オレールは、ヤレヤレといった様子で、いつものノックスだな程度に捉える。
「おい!俺がおかしいやつみたいに言うな!ん?これは豪牙か?いや?オーラの質は似てるが......またアレク坊が何かしたな」
魔物の街からかなり離れたにも関わらず、ノックスは何かを察したようだ。
「ノックスさん、アレク様がまた何か始めたのですか?全く何も感じないのですが......」
パスクは、後ろを振り返るが、ノックスの感じた違和感の正体は分からずにいる。
「鬼人の王との戦いから感覚が研ぎ澄まされて魔力やオーラの変化に敏感になってな。それに、この距離で感じるなら相当な強さだろうな。まぁ悪いオーラではないから戻る必要はなさそうだ」
ノックスは、鬼人の王との一戦でまた能力全体のレベルが飛躍したのだ。その影響からか?感知能力も増して、今のようにオーラと魔力を敏感に感じ取ることができるようになってしまった。
「それならいいのですが。帰ったらアレク様に何があったかお尋ねしないといけませんね」
「必ずな!もしこのオーラが豪牙だとすると、模擬戦を申し込まなきゃいけないしな」
こんなに離れているにも関わらず、感じ取れる程のオーラの正体が豪牙であるとならば、また面白い戦いができるぞと思うノックス。そして、こんな会話をしながらも魔物が襲ってくるので、三人はひたすら討伐しながら進んでいる。
「またノックスの病気が始まりましたね。それと二人共、そろそろ森を抜けますので、スピードを緩めてください」
オレールは、笑いながらノックスの話を聞いている。そして、永遠に続くだろう話を遮るかのように出口が近付いていることを知らせる。
「もうこんなところまできたのか!」
ノックスは、豪牙のオーラと会話に気を取られて出口に近付いていることに、やっと気付いたようだ。
「私が、先行して王国の兵士に通る許可を頂いてきます」
「パスクくん、よろしく頼みます」
まだ一般開通されていないので、勝手に森に入らないよう王国の兵士が森の入口で警備をしている。パスク達は、通行を許可されているが、通るたびに検問で通行証明書を提示する義務があるのだ。
◆
「通行許可がおりました。行きましょう」
検問は、問題なく通過できるようで、笑顔のパスクが二人を出迎える。兵士達は、貴族三人が通過するので、緊張した面持ちで全員が通るのを見届ける。
「帰りは学生もいますから、今はなるべく早く向かった方がいいでしょう!」
オレールが、行きに時間をかけていたら戻るのがいつになるかわからないと判断して、先を急ぐ。
「そうだな!さっさと王都に行くぞ!」
そして三人は、また凄まじいスピードで街道を走り始める。
「あ!そうそう!オレールさんは、正式な弟子を取らないのですか?」
ノックスは、アレクを弟子にしているが、オレールは全くそんな気配がないので、気になり尋ねるパスク。
「そうですね。あまり取りたくはありません。責任が問われてしまいますからね。ですが、スベアに関しては弟子にせざるを得ないと思っています」
王都での昇格試験の際に、戦った元鉄血の牙のスベアという女性は、アレクが学園に通っている最中、オレール達のパーティーに所属していた。最近は、一切見かけておらず、パスクはスベアの名前が出てきて懐かしいと感じる。
「そういえば、スベアさんは最近何をされているのですか?鉄血の牙に戻られたとかでしょうか?」
パスクが、それとなくオレールに尋ねる。
「スベアさんですか?ある場所で、訓練を積ませています。あの状態で成長してもたかが知れていますしね。それに、私達と行動を共にするなら急成長をさせる必要がありますからね」
「そうでしたか。全く姿を見ないので、どうしているのかと思いました」
パスクは、いつの間にか師匠らしいことをしてるじゃないかとオレールを見ながら思う。スベアが、オレールの試験をクリアして魔物の街にきた時、どれだけ成長しているか楽しみになる。
「二人共止まれ!まだ距離はあるが何か嫌な予感がする」
ノックスは、急に止まって二人に声をかける。オレールもパスクも気配を探るが全く何も感じないので、相当距離があるのだろう。
「敵ですか?魔物ですか?」
「人間だが、複数で待ち構えているようだな」
パスクが尋ねるとノックスは、目を瞑ってオーラを探る。そして、複数の敵だとわかり、オレールもパスクも身構えて慎重に行動を開始するのであった。
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