チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

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第5章 日常を脅かす敵と求める豪牙

第436話 ヨゼフへの報告とヨゼフを支える者達!

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陛下からあとのことは任せるようにと言われたアレクは、自白薬を陛下に渡して、実家へと転移する。

「え?セバス、ずっと待ってたの?」

玄関の前に転移して帰ってくると、当たり前かのようにセバスが待っている。

「いえ、そんなことはございません。アレク様が、そろそろご帰宅するかと思っただけでございます」

セバスは、特殊能力でもあるのではないかと、勘の鋭さに驚いてしまう。

「本当にセバスの勘には毎回驚かされるよ。発信機でもつけられてるんじゃないかってね」

「ハッシンキ?なんですか?それは?」

セバスは、発信機とはなんなのだろうと、頭に?を浮かべる。

「う~ん?追跡の魔道具みたいなものだよ。今どこにいるのか、すぐにわかってしまう物って感じかな」

アレクは、分かりやすいように発信機の説明をする。すると、セバスは手を顎に当てて何かを考えているようだ。

「ほほぉ~では、高貴な方にその発信機という物を身につけてもらえば、拉致などの際に役に立ちますね」

セバスは、すぐに活用方法を見出すのだ。アレクは、流石セバスだなと感心してしまう。

「その通りだよ。でも、監視されるのは、あまりいい気持ちにはならないから、絶対に確認を取ってからだけどね」

「その通りでございますね。おっと、申し訳ございません。お急ぎでしたね。参りましょう」

セバスは、本題を思い出して慌てるように、ヨゼフが待つ執務室へと向かうのだ。

トントントンとドアをノックする。

「アレク様をお連れ致しました」

「入りなさい」

部屋の中からヨゼフが入室の許可をする。アレクは、許可を得たので中へ入る。

「セバスも、報告を聞いてくれんか?」

珍しく今回は、セバスも同席を許された。今後の対策も兼ねてだろう。

「畏まりました」

セバスは、頭を下げて部屋の隅で待機する。前に出てこない辺りが、出来た執事といった感じだ。

「タカハシ辺境伯様、この度はヴェルトロ家のために、ご尽力頂き感謝致します」

ヨゼフは、いつものような感じではなく、自分より身分の上の者に対する挨拶をする。

「父上......ヴェルトロ伯爵、無事突き止めました。色々順を追って説明していきますね」

アレクは、一瞬戸惑ってしまうが、すぐに切り替えて話を切り出す。

「尋問した結果、ヴェルトロ伯爵に対する恨みだったそうです......」

陛下勅命部隊時代に、没落させたとある元侯爵の息子が今回の首謀者であり、一番精神的苦痛を与えることができるのが、カリーネの殺害だったことを話す。そして、呪いのナイフについては、解呪できる者を探し出すよう手配していること、呪術師についてもルーヘンが捜索していること、何故陛下勅命部隊にヨゼフが所属していたことがわかったのかも調査中であることを伝える。

「そうじゃったか......ワシの責任というわけじゃな。カリーネとロイスになんと言えばよいんじゃ......」

ヨゼフは、過去のことによって、身内を危険な目に合わせてしまったことを悔いている。

「父上の所為ではありません。全ては悪いことをした者の逆恨みなのですから!」

アレクは、明るく普段通りに言うよりも、敬語で話した方が伝わると思い敬語で話す。

「そうじゃろうか?じゃが、ワシが関係しているのは事実だしのぅ」

ヨゼフは、珍しく弱音を吐いて落ち込んでしまう。妻と身近な者を危険に晒してしまったのが影響しているようだ。

「父上......」

アレクは、これ以上何も言うことができなかった。すると、部屋の隅にいたセバスが、こちらへとやってくる。

「旦那様、それを言うなら私も悪いことになります。言うなれば陛下も宰相様も、関わった者全ての責任です。人一倍、責任感が強い旦那様は自分だけを責めるでしょうが、私にもその責任を背負わせて下さい」

セバスは、陛下と宰相の名前まで出して、聞かれていたら不敬罪に問われかねないことを言う。不敬罪に問われようと、ヨゼフ一人の責任ではない!そして、その責任を自分にも背負わせてほしいと言うのだ。

「セバス......気を遣わせてしまったようじゃな。すまんかった。アレクもすまんのぅ。そうじゃな、今は悩んでおる時ではないわい」

ヨゼフは、顔を上げて前を向こうと決意する。

「旦那様、一緒に解決していきましょう。一人で思い悩むことはありません。我々がいることを忘れないで下さい」

セバスは、主人を支えていかなくてはいけないと考える。

「父上、俺もいるよ!何があっても味方だし、今回の件も犯人を許す気はないしね。必ず解決するように手を貸すから」

アレクは、任せておいてと胸をトンと叩く。それを見たヨゼフは、アレクが立派に育ったなと感じて、思わず涙が出てくるのだった。
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