チート薬学で成り上がり！ 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました！

第4章 アレクの子供と日常

第430話 オヤジの自信作！みんな大満足の昼食！

アレク達が他愛もない話をしていると、出来上がった料理をオークの肝っ玉母さんとオヤジさんが運んでくる。

「はいよ！待たせたねぇ。旦那の自信作さね。いっぱい食べていくんだよ」

「俺の自信作だ！いつもより気合いを入れたからうめぇはずだ」

二人が自信作だと言うと、店中にいたお客さんがまた騒ぎ出す。だが、「うるさいよ！静かにしな」と肝っ玉母さんが怒鳴りつけると、すぐに静かになるのだ。

「よし！食うか......やっぱりうまいな！オヤジの生姜焼き最高だ！甘辛いタレと米がよく合う」

ノックスは、生姜焼きを口に入れて、大盛りのご飯を掻き込みながら食べるのだ。

「かぁぁぁ！唐揚げ美味すぎる！この肉汁が口いっぱいに広がり、ホロホロ鳥の肉本来のうまさ！それに、この何とも言えない唐揚げ独特の味付けとカリっとした歯ごたえ最高だ！飯が進む」

豪牙は、いつになく饒舌に食の感想を述べるのだ。こんな饒舌な豪牙を見たことがないアレク達は、驚いてしまう。それほどにおいしい唐揚げなのだろう。

「じゃあ、俺も食べよっと。ん～やっぱりタルタルソースのかかったチキン南蛮最高～甘辛いタレもおいしいし、オヤジさん更に腕をあげましたね」

アレクは、前世でも食べ慣れているので、そこまでの感想はないのだが、大好物のチキン南蛮はいつ食べてもおいしいなと感じて、オヤジの料理スキルが更に向上したことに驚くのである。そして、褒められたオヤジさんは、満更でもない表情をする。

「私も......って思ったけど、この魚どうやって食べたらいいのかしら？」

普段、白身の魚をフォークとナイフを使って食べているのだが、塩焼きとして見たのは初めてでどう食べたらいいかわからないのだ。

「お箸ありますか？」

「はいよ！準備してるさね」

アレクが、箸をお願いすると、すでに肝っ玉母さんは箸を準備しており、アレクに渡す。
アレクは、箸を受け取ると秋刀魚の身を綺麗に取っていき、骨と身を綺麗に分けるのだ。そして、ヘルミーナへ渡す。

「まずは、そのまま食べてみて。大丈夫そうなら、この醤油をつけて食べてみてね」

「わかったわ！ん！？おいしい！塩が効いてて身も脂が乗っててホロホロ口の中で溶けていくわ！え！？待って！醤油と魚ってこんなに相性がよかったの？いつもの魚と全然違うわ」

ヘルミーナは、秋刀魚のおいしさと醤油との相性の良さに二段階くらいの驚いた表情を浮かべる。

「食べられるかわからないけど、この大根おろしと醤油をつけて食べてみて」

秋刀魚の塩焼きには欠かせない大根おろしを食べてみてほしいと思う。

「最初は、ピリッときて不思議な味だったのだけれど、秋刀魚がさっぱりして、よりおいしさが増したわ！おもしろいわね。色んな食べ方があって食べ進めても飽きてこないわ！ん！ご飯との相性もいいわね」

大根おろしを普段食べ慣れていないヘルミーナにとっては不思議な味と感じたようだが、食べ進めていくうちにどうやら口に合ったらしい。それを見ていたアレクは、よかったと安堵の表情を浮かべる。

「俺のは、エビフライといったか？このまま食べたらいいのか？」

「この白いタルタルソースをつけて食べてみて！絶対に合うから」

アレクは、タルタルソースは必須と言わんばかりに真剣な顔で言う。それを聞いたアサシンは、「おぉ」とちょっと引いた感じで答えながらも、言われた通りタルタルソースをつけて食べるのだ。

「な、な、なんだこれは！美味すぎて言葉が出ない！カリッとしたと思いきやプリッとしたうまいエビが出てきて、この複雑な味のタルタルソースと絡み合って何とも言えないハーモニーを奏でている」

アサシンも、これ以上ない称賛の言葉を述べてエビフライを味わうのだ。

「言ったでしょ？エビフライにはタルタルソースは欠かせないって！タルタルソースあってのエビフライなんだから」

アレクは、えっへんと自信満々に答える。

「確かに、タルタルソースはうまい！だが、他にも合うタレかソースがあると俺の第六感が言っている！オヤジさん、他に合うタレかソースがあったりしないか？」

アサシンは、何かピンッときたものがあったようで、オヤジに何かないか尋ねるのだ。

「あるぞ！最近、魔ノ国から入ってきたブラックソースだ」

アレクも、覗き込んで見てみるが、どっからどう見てもウスターソースなのだ。

「よし！食ってみるか！お、おぉ、少しスパイスが効いて酸味があるが、それがまたいい！やはり第六感は、当たっていたな」

アサシンは、満足そうな顔をして食べているが、アレクは合うのはウスターソースよりタルタルソースだよと心の中で思うのだった。