チート薬学で成り上がり！ 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました！

第4章 アレクの子供と日常

第423話 日常の会話とやっと魔物の街に転移！

「旦那様、準備は整っております」

ファビロが、荷馬車に荷物を乗せ終わったようで、アレクへ伝えにやってくる。

「ありがとう！ファビロ。でも、使用人全員を魔物の街に移動させて王都の屋敷はよかったの？」

このままでは、王都の屋敷の手入れや掃除をするものがおらず、廃墟と化してしまわないかと心配しているのだ。

「大丈夫でございます。すでに手配を済ませております。私の後輩に当たる人物が明日やって参ります。それと、メイドも必要最低限雇っております」

ファビロは、王都の屋敷を管理する人材を手配してくれているようなのだ。

「そうだったんだね。流石ファビロだね。でも、挨拶とかはいいのかな？」

アレクは、管理してもらうにあたり、顔合わせは必要じゃないかと考える。

「後日で構いません。一度来て頂き、屋敷の管理については説明し終えております。私と違い腕の立つ人物ですので、ゴロツキ程度であれば難なく制圧すると思いますので、その辺りも問題ございません」

どうやらファビロは、後輩ということもあり、その人物を心から信頼しているようである。

「ファビロがそう言うならそうするよ。色々先もって動いてくれて、本当に助かるよ。ありがとう」

「これも執事の仕事ですので、当たり前でございます！」

アレクが、感謝の言葉を言うとファビロは当たり前だと返す。

「それより、ナハスも来るの？学園の授業とかどうするの？」

ナハスも、当然の如く行く気満々で、この場所にいるのである。

「学園は辞めて参りました！主様がいるところこそが、私の居場所ですから！」

腰に手を当てながら、さも当たり前かのように語る。

「え？辞めたの？結構教えるの楽しんでなかったっけ？」

「新鮮な気持ちでしたが、もう飽きました。それに、主様の役に立ててこそ召喚された意味があるというものです！」

あっさり飽きたというナハスに、思わず苦笑いするアレク。そして、尽くしてくれるのは嬉しいが、もっと自由に生きてもいいんじゃないかと思う。

「まぁ、ナハスがそれでいいなら構わないけど！引き続き、ヘルミーナと赤ん坊を頼んだよ」

アレクが、留守中の間は、ナハスがヘルミーナの経過を観察しながらケアをしていたのだ。そして、アサシンが護衛として守っていたのである。

「お任せください！あれほどの能力を有した赤ん坊、楽しみでしかありません！必ずや母子共に元気な状態で出産できるように全力を尽くしましょう」

天使なので人間とは少し感性が違う。アレクの子というのは大きいが、天使であるナハスをも圧倒する赤ん坊を元気な姿で見たいのだ。それから、その赤ん坊を身籠るほどの能力がヘルミーナにも隠されているのではないかと思い、両方を大事に見守ろうと考えた。

「ナハスが、ついていてくれるなら安心して任せられるよ」

「すでに天使の加護を与えています。不浄なものから守られ、体も強く元気な子と母胎になります」

アレクは、天使の加護というものが、存在したことを初めて知るのと、今のヘルミーナと赤ん坊には必要不可欠な加護だなと感じる。

「ナハスありがとう！ヘルミーナよかったね！これで、安心できるね」

「そうね！不安だったからよかったわ！ナハス、ありがとうね」

ナハスは、二人にお礼を言われて満更でもない様子を見せる。

「じゃあ、早速転移で向かおうか！」

その言葉を聞いて全員が頷く。そして、アレクが転移と言って魔物の街へ移動するのだった。


◆


「これは......要塞なのか？」

転移してすぐに街の外壁を見て、アサシンが呟く。それも、そのはずだ。強固な壁と前とは違い大砲や魔道具が設置されている。

「一応、備えあれば憂いなしって言うし、対策はしといて損はないかなって」

「前に大砲がどういうもので絵で見せてもらっているから思うが、この数を前にしたら敵は逃げ出すぞ」

四方を埋め尽くすような砲台の数を見て、アサシンは怯える。

「なにかない限り撃ったりはしないから！あ！でも、試し打ちの時にドワーフが気に入ってしまって、普段でも撃ちたいとか言うんだよね」

ドワーフは、大砲の威力を目の当たりにして、魅力にハマってしまったのだ。

「流石は、主の仲間と言うべきか！恐ろしいな」

アサシンは、何とも言えない顔でアレクを見るのであった。