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第3章 豪牙の新たな力

第420話 ノックスvs鬼人の王!計り知れない強さ!

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「小手調べといこうか」

鬼人の王が、素早い動きでノックスに近づき、短剣を振るかのようなスピードで大剣を振り回す。ノックスも、両手ではあるものの負けず劣らずのスピードで応戦する。

「ほぉ~やるではないか!ならば、これならどうだ?」

鬼人の王は、更にスピードを上げて斬り掛かってくる。もうすでに常人の目では追いきれないスピードなのだ。

「クッ!強化薬くらいじゃ、これが限界か!泥沼クワグマイアー

地面を泥沼化して鬼人の王の動きを止める。その隙に、ノックスは後ろへ飛び退いて、攻撃力・防御力・素早さ・魔力・体力の向上薬のタブレットを口に含んで飲む。そして、泥に足を取られている鬼人の王に攻撃を仕掛ける。

疑似雷龍スードサンダードラゴン

黄金に光りバチバチと電気を帯びたドラゴンが、鬼人の王へと向かって襲い掛かる。向上薬で更に強化された疑似雷龍スードサンダードラゴンは、普段よりも高密度の魔力を帯びており攻撃力が増している。

「フッハハハハ、こんなもので我を倒せると思ったか!フンッ」

鬼人の王は、軽々と片手で受け止めると、そのまま上空へと跳ね飛ばす。そして、防御結界に当たって大爆発するが、デュアルの結界にはヒビ一つ入らない。

「おいおい!数十倍の疑似雷龍《スードサンダードラゴン》をあっさりと片手で払いのけるのかよ」

ノックスは、呆れたような顔をしながら大爆発した上空を見上げる。

「これで、終わりなら我から行くぞ」

泥沼からあっさりと抜け出した鬼人の王は、目に見えない速さでノックスに迫る。ノックスは、泥沼から出る前にまずいと思い、潜在能力をMaxまで引き上げる薬を飲む。

「おっ!これを受け止めるか!ぐはぁっ」

さっきよりも速い剣筋で、ノックスに斬りかかるが、ノックスは難なく受け止めて弾き返して、鬼人の王が体勢を崩した瞬間、一刀両断を使って頭上から真っ二つに切る。しかし鬼人の王は、体を傾けて腕を犠牲にしながら致命傷を避ける。

「これも避けるのかよ!だが、腕を斬り落としたぞ!負けを認めるか?」

ノックスは、これ以上戦えないだろうと鬼人の王に降参するように言う。

「フッ、腕を斬り落としたくらいで調子に乗るとはな。やはりこちらの方が動きやすい」

体の紋様が、腕に集中して真っ黒な腕らしき物が形成されていく。鬼人の王は、新しい腕を試すように動かして満足そうな顔をする。

「この腕が気になるのであろう?これは、本来の我の腕だ!この紋様はな、鬼人に伝わる秘術である!一部だけ教えてやろう!再生能力だ」

鬼人の王は、得意げな顔で、秘術の一部を伝える。

「本当に反則的な能力だな!しかも、その腕から禍々しいオーラが......うっ......」

ノックスは、話している途中で前のめりにぶっ倒れる。皆、何が起こったのかと口々に騒ぎ出す。

「やはり人族には、見えないか」

何をしたかというと、一瞬腕を動かした時に、一点集中した衝撃波だけでノックスを倒したのだ。





「早く助けに行った方がいいよ。多分内臓まで損傷してるはずだからさ」

観客席にいるデュアルが、アレクに対して言う。だが、アレクは動こうとしない。

「まだ終わっていませんよ!なんせ俺の師匠ですからね!」

アレクは、何か確信めいたものがあり、ノックスを信じるように見つめる。

「あれを食らって立てる人間がいるはずないよ。俺ですら初見殺しにあったんだから」

デュアルも過去に鬼人の王と戦っており、この技で倒されたことがあるようなのだ。

「大丈夫です!見てください」

アレクが、指を差すと全身が真っ赤になったノックスが起き上がっているのだ。しかし、大事な大剣は真っ二つに折れている。





「危なかったぞ。こいつのお陰で助かった!もうここからは、本気で行かせてもらう!」

折れた愛剣に感謝をするノックス!そして、狂化強靭薬を飲んだにも関わらず、精神力がずば抜けているノックスは、理性を保った状態でいる。

「小僧......いや、ノックスと言ったな!我も本気で行かせてもらおう。それに値する強さだ」

ノックスの禍々しいオーラと能力の向上に鬼人の王は、ノックスのことを一人の戦士と認めて小僧ではなく名前で呼ぶのであった。
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