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第3章 豪牙の新たな力

第419話 初代魔王の割り込みと凄まじい強度の防御結界!

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「デュアルか!久しいな!何故俺だとわかった?」

鬼人の王は、観客席にいるデュアルに聞こえるくらいの声量で話す。

「君が出すオーラを忘れるはずがないよ!懐かしいと思ってすぐにすっ飛んできたんだ」

アレクは、黙って聞いているが、魔ノ国からここまで転移なしにどうやってきたんだと思ってしまう。それほどまでに離れているのだ。

「だが、思い出話はあとにしてくれんか?今は我とこの小僧との決闘が優先だ」

鬼人の王は、ノックスを見据えながら話し出す。

「へぇ~、手強そうな人間だね。相変わらず戦うのが好きなんだなぁ!俺は、結界を張って観戦させてもらうよ!あとで積もる話をしようじゃないか。アレク、結界を張るから早くこっちに来て」

デュアルは、笑顔でアレクを呼ぶとその場に座る。アレクは、言われた通りに足早に観客席へと戻る。

「おっ!アナベルもいるの?それより、ここはなんなんだい?魔物が普通に観客席にいるんだけど」

デュアルは、懐かしいオーラに誘われてやってきたはいいが、この場所がどういうところなのか理解していない。

「先日振りでございます!初代様!ここはアレクが作った魔物の街でございます!」

ラヴァーナは、緊張した面持ちでデュアルに話しかける。やはり現魔王でも初代魔王に対しては緊張してしまうものなのだろう。

「へぇ~アレク、やるねぇ~!理性を持った魔物かぁ!アナベルが理想としてる街じゃないの?」

デュアルは、腕を組みながら目を瞑ってウンウンと頷きながら答える。

「はい!妾......ではなかった!私が、望む世界がこの街にはあります!念願が叶ったようで嬉しいです」

ラヴァーナは、妾と言いかけるが、デュアルの前なのを思い出してすぐに言い換える。

「アナベル、いつもの口調で構わないよ。俺は、そんな些細なこと気にしないからね。何度も言ってると思うけど」

「申し訳ございません。私達を作られた初代様の前ではこうなってしまうのです!お許しください。それよりも、鬼人の王が叫んでおりますが......」





「あいつ完全に我を忘れているな!小僧、準備はいいか?」

「あぁ、待たせて悪かったな!準備は出来ている」

ノックスは、まずは攻撃力・防御力・素早さ・体力・魔力を上げる強化薬タブレットを口にいれる。口をモゴモゴさせながら噛み砕いて飲み込む。

「ほぉ~、一気に力が増したようだが、何をしたんだ?」

鬼人の王が、ノックスの能力が数倍に膨れ上がったのを感じ、感心しながら尋ねる。

「あいつが作った薬のお陰だな」

ノックスは、アレクを指差しながら答える。

「確かに、一瞬にして数倍まで力を上げる薬は素晴らしいが、それだけでは我の相手にはならんぞ」

「徐々に、驚かせてやろうかと思ってな!」

まだまだ弱いと言ってくる鬼人の王に対して、ノックスは試すようなことを口にする。

「フッハハハハ、まぁ~よい!どんな小細工があろうと我が粉砕してくれる!それより、デュアル!早く結界を張れ」

鬼人の王は、ニヤニヤしながらノックスの全てを受け止めて全てを破壊してやろうと考えている。

「あ!ごめんね!今張るよ」

デュアルは、一瞬で観客席を覆い尽くす防御結界を張る。しかも、ラヴァーナとオレールが張った合せ技防御結界より強度がありそうなのだ。

「これが、初代様の力!妾とは桁が違いすぎる......」

ラヴァーナは、口をポカーンと開けながら力量差を肌で感じて驚く。オレールも、上には上がいるのだと実感して更に研磨しないといけないなと感じる。

「鬼人の王、これでいいかな?」

「フッ、相変わらずだな!だが、そんなお前を尊敬しているのも事実である」

鬼人の王は、デュアルの昔と変わらぬ強さを肌で感じて懐かしさと高揚感を憶える。

「さぁ~そろそろやろうではないか」

鬼人の王は、片手で大剣をぐるぐると回してから、試し切りをする。

「なかなかの剣だが、重さが足りないな!」

鬼人の王からすると大剣が軽すぎてしまい、これだと全体重と全部の力を預けることが出来ないと考える。

「鬼人の王、早くやろう!パスク、合図を頼む」

回復ポーションを飲んで腕の傷が治ったノックスは、早く戦いたいという意思を示す。

「それでは、両方指定の位置についてください」

パスクの言葉を聞いて、二人は指定された位置へと立つ!

「では、試合始め!」

そして、パスクの合図により、戦いの火蓋が切ったのだった。
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