チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐@書籍発売中

文字の大きさ
上 下
302 / 807
第3章 豪牙の新たな力

第417話 鬼人の王の出現と小僧呼ばわりされるノックス!

しおりを挟む
「俺は、負けたのか?」

豪牙は、ノックスから胸に感じたことのない攻撃を受けたことは覚えており、負けてしまったのかと思う。そして、今横になった状態で暗闇を漂っているのだ。意識は、ハッキリしているのだが、体が思うように動かない。

「鬼人として情けない!我が王であった時は、人族に負けるような鬼人は誰一人としていなかったぞ!久々に鬼人が現れたと喜んでいたが、このような情けない鬼人とはな」

暗闇から声がするのだが、豪牙は動けず見ることが出来ないので誰なのかわからない。

「動けず、声も出せないとはな!鬼人の恥さらしがぁぁぁぁ」

暗闇から話す人物に、罵倒される。

「さっきから好き勝手いいやがって!お前は誰なんだ!ここは、どこだ?」

豪牙は、横たわったまま大声をあげて言い返す。

「フッハハハハ、威勢だけはいいな!どこまでいっても情けなくて笑けてくるぞ!だが、特別に答えてやろう。我は、鬼人の王だ。そして、ここは我が作った空間である」

豪牙を馬鹿にしたように笑う鬼人の王。そして、この空間は鬼人の王が作ったというのだ。

「鬼人の王!?この世に鬼人は、俺だけじゃないのか?」

アレクから鬼人は、もう存在すらしていない種族の可能性があると聞かされていたので、王が存在することに疑問を感じる。

「700年前に鬼人は滅びた!疫病でな!我は、ただの精神体にすぎん!またこの世に鬼人が現れた時、この空間へ来るようデュアルに頼んで、ある魔道具を作ってもらったのだ」

なんと初代魔王との繋がりがあり、疫病による死を悟った鬼人の王は、デュアルに頼んで精神を封印し、新たなる鬼人が現れた時に発動する魔道具を作って貰っていたのだ。

「本当に鬼人の王なのか?」

豪牙は、突拍子もないことに半信半疑となり尋ねる。

「信じられんと言うのか!ならば、その体を貸せ!ゆっくり我と貴様の違いを見ておくといい」

その瞬間、豪牙の中に黒い何かが入り込んでくる。そして、意識が途絶えるのだ。





ノックスが、ただならぬ雰囲気を察して、飛び退いて距離を取る。豪牙は、ヌルっと立ち上がり、下を向いたままなのだが、一切の隙がないのである。しかも、角が倍の太さになり、顔や体には見たこともない黒い紋様が浮かんでいる。

「豪牙、目を覚ませ!しかと、我の戦いを見ておくのだ」

鬼人の王が、大声で叫ぶと意識を失っていたはずの豪牙が目を覚ます。しかし、体の自由もなく声すらも発することが出来ず、第三者の目線で見ているような感覚になる。

「人間、鬼人があのような情けないものだと思うなよ!これが、本当の鬼人の力よ」

豪牙に乗り移った鬼人の王が発する威圧とオーラは、凄まじくノックスも身構えて冷や汗を流すほどであった。

「おい!お前は誰だ?豪牙じゃないだろ?」

ノックスも、押し返すように威圧とオーラを出して対抗する。対抗してくるとは思っていなかった鬼人の王は、思わず笑ってしまう。

「フッハハハハ、人族にこのような力を持った者が存在するとはな!愉快愉快!我は、豪牙ではない!鬼人の王である!」

「鬼人の王のお出ましとはな!相手にとって不足はないな」

ノックスも、久々に感じる強者を前に武者震いと高揚感を感じる。

「生意気な小僧だ!早くその腕を治せ!我が手傷を負った者を負かしたとあっては、皆に笑われてしまうわ!」

鬼人の王は、ノックスを小僧呼ばわりする。700歳を越えた鬼人の王と30代のノックスでは小僧呼ばわりされても仕方ないのだ。そして、傷を治して万全な状態で戦うように言う。

「小僧なんて久しぶりに言われたな!鬼人の王、本当に回復していいのか?」

ノックスは、子供の時以来の小僧呼ばわりに思わず笑ってしまう。

「くどいぞ!なんならあらゆる手段を使ってかかってくるといい!我の本気と小僧の本気とでは力量差があり過ぎるからな」

「チッ!言い返せないのが悔しいが、確かに差があるな!なんでもいいと言ったな!アレク坊、強化薬と向上薬と狂化強靭薬、それと全ての薬を出してくれ!あと回復薬も頼む」

普段であれば己の力で、どうにかするノックスだが、鬼人の王の強さは、今のノックスを超えていることが明白であり、悔しさはあるのだが、薬の力を借りて戦うことを決めたのであった。
しおりを挟む
感想 2,181

あなたにおすすめの小説

【前編完結】50のおっさん 精霊の使い魔になったけど 死んで自分の子供に生まれ変わる!?

眼鏡の似合う女性の眼鏡が好きなんです
ファンタジー
リストラされ、再就職先を見つけた帰りに、迷子の子供たちを見つけたので声をかけた。  これが全ての始まりだった。 声をかけた子供たち。実は、覚醒する前の精霊の王と女王。  なぜか真名を教えられ、知らない内に精霊王と精霊女王の加護を受けてしまう。 加護を受けたせいで、精霊の使い魔《エレメンタルファミリア》と為った50のおっさんこと芳乃《よしの》。  平凡な表の人間社会から、国から最重要危険人物に認定されてしまう。 果たして、芳乃の運命は如何に?

攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?

伽羅
ファンタジー
 転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。  このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。  自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。 そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。 このまま下町でスローライフを送れるのか?

スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~

白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」 マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。 そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。 だが、この世には例外というものがある。 ストロング家の次女であるアールマティだ。 実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。 そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】 戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。 「仰せのままに」 父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。 「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」 脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。 アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃 ストロング領は大飢饉となっていた。 農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。 主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。 短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした

赤白玉ゆずる
ファンタジー
【コミックス第1巻発売です!】 早ければ、電子書籍版は2/18から販売開始、紙書籍は2/19に店頭に並ぶことと思います。 皆様どうぞよろしくお願いいたします。 【10/23コミカライズ開始!】 『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました! 颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。 【第2巻が発売されました!】 今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。 イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。サクヤとポンタ超可愛いですよ。ゾンダールもシブカッコイイです! 素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。 【ストーリー紹介】 幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。 そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。 養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。 だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。 『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。 貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。 『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。 『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。 どん底だった主人公が一発逆転する物語です。 ※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

せっかく転生したのに得たスキルは「料理」と「空間厨房」。どちらも外れだそうですが、私は今も生きています。

リーゼロッタ
ファンタジー
享年、30歳。どこにでもいるしがないOLのミライは、学校の成績も平凡、社内成績も平凡。 そんな彼女は、予告なしに突っ込んできた車によって死亡。 そして予告なしに転生。 ついた先は、料理レベルが低すぎるルネイモンド大陸にある「光の森」。 そしてやって来た謎の獣人によってわけの分からん事を言われ、、、 赤い鳥を仲間にし、、、 冒険系ゲームの世界につきもののスキルは外れだった!? スキルが何でも料理に没頭します! 超・謎の世界観とイタリア語由来の名前・品名が特徴です。 合成語多いかも 話の単位は「食」 3月18日 投稿(一食目、二食目) 3月19日 え?なんかこっちのほうが24h.ポイントが多い、、、まあ嬉しいです!

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。