301 / 730
第3章 豪牙の新たな力
第416話 ついに豪牙が覚醒するのか!?
しおりを挟む
豪牙は、笑っているノックスを見てゾクッとするものを感じて、普段あまりかかない冷や汗を垂らしている。
「豪牙、これからが本番だ!がっかりさせるなよ」
おやっさんの作った魔力を流すと強化される大剣を受けて、腕から大量の血を流しているノックスだが、負傷しているようには見えない強いオーラを発している。豪牙は、自分の顔を殴って、その痛みでオーラに飲み込まれそうになるのをどうにか振り解こうとする。
「ほぉ~自分で抜け出すか!成長したな」
ノックスは、豪牙の行動を見て嬉しくなったのか、更にオーラを強くして今にも襲い掛かろうという勢いになる。
「ここで、決めさせてもらう!」
先に仕掛けたのは豪牙であった。力強い踏み込みで一気にノックスへ近付いて大剣を振りかざす。
「同じ手が通じると思ったか?がっかりだ」
ノックスは、ギリギリのところで躱して、顔面へとカウンターパンチをぶち込む。そして、怯んだ豪牙を見て回し蹴りを腹にぶち込むのだ。今までとは桁違いのパワーに豪牙が吹き飛ぶ。
「灼熱息吹」
吹き飛んだ豪牙に対して間髪入れずに灼熱息吹を打ち込む。そして、見事に命中してドガーンと凄い音が鳴り響く。更に、灼熱息吹の威力は落ちず、防御結界へと当たるのだ。しかし、強化された防御結界は、軽く振動するくらいで全てを吸収する。
「クソ!血が止まんねぇ」
ノックスは、膝から足首にかけてのズボンを破いて腕の傷に巻き付けて止血する。思っている以上に傷が深くそれでも血が滲んでくる。
「もうこっちは使い物にならないな。速度は落ちるが片手でどうにかするしかないか」
傷を負っているにも関わらずノックスは、カウンターパンチを負傷している手で打ち込み、更に傷が広がってしまった。試すように大剣を片手で振っているが、速度は一切落ちているようには見えず、大剣を片手でいとも簡単に扱っているのだ。
「まぁ、これくらい振ることが出来ればどうにかなるだろう!豪牙、そろそろ起き上がってこい」
すでに煙が晴れて、這いつくばる豪牙に、早く立ち上がるように言う。
「もう少し回復してから立ち上がる予定だったのだが......仕方ない」
豪牙は、ゆっくりと立ち上がる。すると、あれほど頑丈に作られていたはずの防具がボロボロになっているのだ。
「これは、おやっさんに怒られるかもしれない。ノックス、少し待っててくれ」
豪牙が、ボロボロになった防具を見ながら一言言う。それから、ボロボロなった防具を全て脱いで、闘技場の端へと行き、ゆっくりと置く。
「ノックス、中断して悪かった。おやっさんの防具をこれ以上ボロボロにするわけにもいかなかったからな」
豪牙は、ゆっくりと防具を置くと、素早く闘技場の真ん中に戻って来る。
「構わないぞ。俺も剣が折れた時は同じ気持ちになったからな。理由はわかる。だが、これでお前を守る物がなくなった。これからどうする?豪牙」
今までは、なんとか外皮硬化とおやっさんの防具でノックスの攻撃を凌いできたが、今は生身となり、外皮硬化のスキルのみなのだ。
「ノックス、言い忘れていたが、俺はもう一つスキルを持っているんだ。時間制限があるのが難点だがな。妖鬼化」
体全体が赤くなり、動くとユラっと残像のような、よく見ると神秘的にも感じる何かが見えるのだ。そして、気付くとノックスが吹き飛んでいる。観客席の全員が何が起こったのかわからず騒ぎ出す。更に、気付くとまたノックスは吹き飛んでおり、防御結界へと叩きつけられている。
「クソ!豪牙の野郎~こんな奥の手を......くっ!」
ノックスは、なんとか防御するが、パワーで負けているのか吹き飛ばされる。更に攻撃を返す隙がない。しかも、防御をした時に大剣を手放してしまっているのだ。
「これで、終わりだ。」
豪牙が、最後だと言い、渾身の一撃をノックスの顔面へと浴びせる。防御をしていない顔面へとまともに入り、凄い音が鳴り響く。
「豪牙、正直驚いたが、これで俺をやれると思ったか?だが、お前の本気に応えて俺の本気も見せてやる」
そう言うとノックスは、豪牙の胸を殴る。それは、なんの変哲もないパンチに見えたのだが、豪牙は白目になってその場に崩れ落ちるのだ。
「拳に魔力を最大限込めた一撃だ。どうだ?効いただろう?って聞こえていないか。パスク、試合終了の合図......」
ノックスは、振り返ってパスクに終了の合図を頼むが、後ろからただならぬ気配を感じて飛び退いて距離をとる。なんと、豪牙が立ち上がっており、今までの雰囲気とは逸脱したようなオーラを発しているのだ。
「これは、厄介だな......」
珍しくノックスが、一筋の汗を垂らしながら焦りの表情を見せるのだった。
「豪牙、これからが本番だ!がっかりさせるなよ」
おやっさんの作った魔力を流すと強化される大剣を受けて、腕から大量の血を流しているノックスだが、負傷しているようには見えない強いオーラを発している。豪牙は、自分の顔を殴って、その痛みでオーラに飲み込まれそうになるのをどうにか振り解こうとする。
「ほぉ~自分で抜け出すか!成長したな」
ノックスは、豪牙の行動を見て嬉しくなったのか、更にオーラを強くして今にも襲い掛かろうという勢いになる。
「ここで、決めさせてもらう!」
先に仕掛けたのは豪牙であった。力強い踏み込みで一気にノックスへ近付いて大剣を振りかざす。
「同じ手が通じると思ったか?がっかりだ」
ノックスは、ギリギリのところで躱して、顔面へとカウンターパンチをぶち込む。そして、怯んだ豪牙を見て回し蹴りを腹にぶち込むのだ。今までとは桁違いのパワーに豪牙が吹き飛ぶ。
「灼熱息吹」
吹き飛んだ豪牙に対して間髪入れずに灼熱息吹を打ち込む。そして、見事に命中してドガーンと凄い音が鳴り響く。更に、灼熱息吹の威力は落ちず、防御結界へと当たるのだ。しかし、強化された防御結界は、軽く振動するくらいで全てを吸収する。
「クソ!血が止まんねぇ」
ノックスは、膝から足首にかけてのズボンを破いて腕の傷に巻き付けて止血する。思っている以上に傷が深くそれでも血が滲んでくる。
「もうこっちは使い物にならないな。速度は落ちるが片手でどうにかするしかないか」
傷を負っているにも関わらずノックスは、カウンターパンチを負傷している手で打ち込み、更に傷が広がってしまった。試すように大剣を片手で振っているが、速度は一切落ちているようには見えず、大剣を片手でいとも簡単に扱っているのだ。
「まぁ、これくらい振ることが出来ればどうにかなるだろう!豪牙、そろそろ起き上がってこい」
すでに煙が晴れて、這いつくばる豪牙に、早く立ち上がるように言う。
「もう少し回復してから立ち上がる予定だったのだが......仕方ない」
豪牙は、ゆっくりと立ち上がる。すると、あれほど頑丈に作られていたはずの防具がボロボロになっているのだ。
「これは、おやっさんに怒られるかもしれない。ノックス、少し待っててくれ」
豪牙が、ボロボロになった防具を見ながら一言言う。それから、ボロボロなった防具を全て脱いで、闘技場の端へと行き、ゆっくりと置く。
「ノックス、中断して悪かった。おやっさんの防具をこれ以上ボロボロにするわけにもいかなかったからな」
豪牙は、ゆっくりと防具を置くと、素早く闘技場の真ん中に戻って来る。
「構わないぞ。俺も剣が折れた時は同じ気持ちになったからな。理由はわかる。だが、これでお前を守る物がなくなった。これからどうする?豪牙」
今までは、なんとか外皮硬化とおやっさんの防具でノックスの攻撃を凌いできたが、今は生身となり、外皮硬化のスキルのみなのだ。
「ノックス、言い忘れていたが、俺はもう一つスキルを持っているんだ。時間制限があるのが難点だがな。妖鬼化」
体全体が赤くなり、動くとユラっと残像のような、よく見ると神秘的にも感じる何かが見えるのだ。そして、気付くとノックスが吹き飛んでいる。観客席の全員が何が起こったのかわからず騒ぎ出す。更に、気付くとまたノックスは吹き飛んでおり、防御結界へと叩きつけられている。
「クソ!豪牙の野郎~こんな奥の手を......くっ!」
ノックスは、なんとか防御するが、パワーで負けているのか吹き飛ばされる。更に攻撃を返す隙がない。しかも、防御をした時に大剣を手放してしまっているのだ。
「これで、終わりだ。」
豪牙が、最後だと言い、渾身の一撃をノックスの顔面へと浴びせる。防御をしていない顔面へとまともに入り、凄い音が鳴り響く。
「豪牙、正直驚いたが、これで俺をやれると思ったか?だが、お前の本気に応えて俺の本気も見せてやる」
そう言うとノックスは、豪牙の胸を殴る。それは、なんの変哲もないパンチに見えたのだが、豪牙は白目になってその場に崩れ落ちるのだ。
「拳に魔力を最大限込めた一撃だ。どうだ?効いただろう?って聞こえていないか。パスク、試合終了の合図......」
ノックスは、振り返ってパスクに終了の合図を頼むが、後ろからただならぬ気配を感じて飛び退いて距離をとる。なんと、豪牙が立ち上がっており、今までの雰囲気とは逸脱したようなオーラを発しているのだ。
「これは、厄介だな......」
珍しくノックスが、一筋の汗を垂らしながら焦りの表情を見せるのだった。
27
お気に入りに追加
5,415
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
妹しか愛していない母親への仕返しに「わたくしはお母様が男に無理矢理に犯されてできた子」だと言ってやった。
ラララキヲ
ファンタジー
「貴女は次期当主なのだから」
そう言われて長女のアリーチェは育った。どれだけ寂しくてもどれだけツラくても、自分がこのエルカダ侯爵家を継がなければいけないのだからと我慢して頑張った。
長女と違って次女のルナリアは自由に育てられた。両親に愛され、勉強だって無理してしなくてもいいと甘やかされていた。
アリーチェはそれを羨ましいと思ったが、自分が長女で次期当主だから仕方がないと納得していて我慢した。
しかしアリーチェが18歳の時。
アリーチェの婚約者と恋仲になったルナリアを、両親は許し、二人を祝福しながら『次期当主をルナリアにする』と言い出したのだ。
それにはもうアリーチェは我慢ができなかった。
父は元々自分たち(子供)には無関心で、アリーチェに厳し過ぎる教育をしてきたのは母親だった。『次期当主だから』とあんなに言ってきた癖に、それを簡単に覆した母親をアリーチェは許せなかった。
そして両親はアリーチェを次期当主から下ろしておいて、アリーチェをルナリアの補佐に付けようとした。
そのどこまてもアリーチェの人格を否定する考え方にアリーチェの心は死んだ。
──自分を愛してくれないならこちらもあなたたちを愛さない──
アリーチェは行動を起こした。
もうあなたたちに情はない。
─────
◇これは『ざまぁ』の話です。
◇テンプレ [妹贔屓母]
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング〔2位〕(4/19)☆ファンタジーランキング〔1位〕☆入り、ありがとうございます!!
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。