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第3章 豪牙の新たな力

第415話 ノックスvs豪牙!まさかのノックス負傷!?

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アレク達が、いまか今かと登場を待っていると、いつも通りの大剣を背負ったノックスと新しい装備に身を包んだ豪牙が登場した。観客席にいる魔物達は、大声援を送りながら盛り上がっている。

「それでは、両者指定の位置についてください」

今回は、パスクが審判を務めている。何故かというとある程度の実力がないと巻き込まれて死ぬか負傷してしまうからだ。ノックスも豪牙も、パスクの言葉を聞いて「おう」と言葉少なげに指定された位置へとつく。そして、いきなりではあるが、二人共大剣をすぐに抜いて臨戦態勢に入るのだ。

「準備はよろしいようですね。はじめに軽く説明をします。基本なんでもありの模擬戦になりますが、相手が戦闘不能又は降参の意思を示した段階で試合終了となります。よろしいですか?」

パスクが、説明をすると二人はわかったと言うように、首を縦に振る。

「それでは、早速ではありますが、模擬戦開始です!始めてください」

パスクが、合図すると豪牙がまず先に仕掛ける。なんの小細工もなしに真っ直ぐノックス目掛けて走り出して大剣を振りかざすのだ。

「ほぉ~真っ向勝負とは気に入った」

そしてノックスは、嬉しそうな顔をしながらそれに応えるような言葉を投げかけて、真っ向から大剣と大剣をぶつけ合う。見事に、バキーンと凄まじい音が鳴り響き、お互いの力が拮抗しているためか、二人共軽く弾き飛ばされる。

「おっ!豪牙、また力が増したんじゃないか?弾き飛ばす勢いでぶつけにいったんだがな」

ノックスは、豪牙の能力が上がっていることを嬉しそうに語る。

「いつまでもやられっぱなしじゃいられない!密かに特訓をしたからな」

ニヤリと笑いながら答える豪牙。特訓が無駄ではなかったと理解したのとノックスを多少驚かせたことに嬉しくなる。

「じゃあ、次は俺から行かせてもらう!一刀両断」

ノックスは、高くジャンプをして上段の構えから一気に振り下ろす。豪牙からしたら安易に避けることが可能にも関わらず、大剣を横にして真っ向から受け止めるのである。すると、ドゴーンと凄まじい音が鳴り響き土煙が辺り一面に立ち込める。

「くっ!ギギギ!氷弾アイスバレット

地面が抉れる威力の攻撃を真っ向から受け止めた豪牙だったが、耐えるには少々キツかったようで、氷弾アイスバレットでノックスを牽制しようとする。しかしノックスは、避けることはせず、まともに氷弾アイスバレットを食らうのだ。そして、ダメージが一切ないのか?食らいながら豪牙の横腹目掛けて大剣を振りかざす。

「ぐはぁっ......」

豪牙は、まさかあの場面から攻撃から来るとは思わずまともに脇腹へ食らってしまうのだ。そして、吹き飛ばされる豪牙。

「チッ!おやっさん、また伝説級か神話級の防具を作りやがったな」

ノックスは、まともに当てたにも関わらず舌打ちをして文句を口にする。

「おやっさんの防具がなければ真っ二つになって死んでいた!後で感謝しなければな」

吹き飛ばされた豪牙は、すぐに立ち上がる。ノックスの攻撃をまともに食らったにも関わらずダメージはさほどないようだ。そして、ノックスも豪牙もおやっさんの防具を褒める。

「おやっさんの防具を壊すのは一筋縄ではいかなさそうだな。身体強化、武功」

ノックスは、身体強化と武功を使って能力を向上させる。一気にここで仕掛けるつもりなのだろう。

「身体強化、外皮硬化、更におやっさんの防具の仕掛けを利用させてもらう」

どういう原理かは不明なのだが、防具が一瞬光る。アレクのガントレットと同じで仕掛けがあるのだろう。

「小手調べといこうか!疑似雷龍スードサンダードラゴン

黄金に光りバチバチと電気を帯びたドラゴンが、豪牙を襲う。豪牙は、また避けることなく両手で受け止める姿勢を見せる。そして、両手で受け止めて力技で消し飛ばすのだ。

疑似雷龍スードサンダードラゴンを素手で受け止めたのは褒めてやるが、これで終わったと思うなよ」

ノックスは、すでに豪牙の背後を取っており、そのまま斬りかかるのだ。しかし、ノックスの大剣が弾かれてしまう。おやっさんの防具は、ミスリルとオリハルコンが混ぜ合わされており、更に細工を施していることで魔力を通すことにより強固になるのだ。

「チッ!」

ノックスは、すぐに姿勢を正そうとするが、豪牙はその隙を見逃さずに大剣で斬りかかる。しかも、また大剣が一瞬光るのだ。

「ぐはぁっ!」

だが、ノックスも致命傷を避けようと体を捻って腕で受け止める。受け止めた腕からは血が流れる。

「やるな!豪牙!油断したぞ」

ノックスは、右腕を押さえながら何故か笑みを浮かべる。しかも、普段の笑みとは違いどこか恐怖を覚える笑みなのだ。豪牙は、その笑みを見て一瞬ゾクッとしてしまうのだった。
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