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第3章 豪牙の新たな力

第413話 久々のチート薬学と母性をくすぐるアレク!

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陛下達の視察が済んだので、ノックスと豪牙の模擬戦を見てもらうことになった。もちろんラヴァーナにも協力を依頼して防御結界を張ってもらう。

「ラヴァーナ様とオレールさん、大変だと思いますが、防御結界よろしくお願いします」

観客席に全員が集まっている中、アレクがラヴァーナとオレールに頭を下げてお願いをする。

「うむ!任された!だが、ここまでの防御結界は見たことがないぞ」

防御結界用の魔道具とラヴァーナとオレールの防御結界の三重構造に驚きを見せる。

「ラヴァーナ様、師匠はすぐ暴走しちゃうので、これでも心配なくらいです。ね?オレールさん」

「そうですね。今のノックスの最大火力をぶつけたら壊れるかもしれません。観客席にまで被害が及びそうなら一点集中で防御結界を張ってなんとか防ぎます」

全体に防御結界を張るだけでも相当な魔力を消費しないといけないにも関わらず、高度な魔力操作と魔法操作が必要な状況になっても集中力を切らさずに行うと言うのだ。

「ほぉ~、更に強くなっておるのだな!確かに、会った時の気配が以前とは比べ物にならぬ感じではあったな」

ラヴァーナは、魔物の街の入口でノックスと再会した時のことを思い出しながら語る。

「ここに来てから、魔物とずっと訓練を繰り返していますからね。師匠は、どこまで強さを求めているのかと思ってしまう時があります」

「ノックスには目標がありますからね。まだ到達していないのでしょう。それより魔王様、少し高度ですが、更に強固な防御結界を組んでみませんか?」

オレールが、ラヴァーナに防御結界のことで提案する。

「うむ。どのようなものか説明せよ!」

「魔力の波長を合わせて混ぜるのです!かなり難しいとは思いますが、アレクくんがいれば問題は解決すると思います。アレクくん、魔力を同じに出来る薬はありませんか?」

アレクは、久しぶりにスキルが役に立つのではないかと思う。すぐさま、全知全能薬学を使って薬を探す。

「待っていてくださいね。う~ん?これもいいかも!でもこっちも捨て難ないな」

アレクは、タッチパネルを操作しながら色々な薬を検索して、より良いものを探す。

「よし!これにしよ!すぐ作るから待っていてください」

スキルで素材を出して、すぐに調合を開始する。

「いつ見ても凄いスキルであるな!こんなことが世に知れてしまえば大変なことになるであろうな」

あらゆる薬を探し出して瞬時に作り出すスキルは、脅威のなにものでもないのである。ラヴァーナは、そのことを懸念してしまう。

「アレクくんが、こうしていられるのも陛下や魔王様が利用しようと画策しないお陰でもあります!本当に感謝しています」

「当たり前であろう!アレクは妾の子を救ってくれた恩人である。そのような人物を利用しようなどできるはずがなかろう」

オレールは、頭を下げてラヴァーナに感謝の言葉を述べるが、ラヴァーナからすると当たり前のことだと言うのであった。

「出来ましたよ!1日だけ魔力波長を同じにする薬と魔力常時回復薬と魔法速度向上薬です」

アレクは、あの一瞬の間に三つもの薬を作っていた。魔法速度向上薬については、名前の通り、魔法の発現スピードを上げる薬である。
そしてアレクは、やり切ったと言う表情で二人を見る。あまりにも清々しい顔をするので、オレールもラヴァーナも母性がくすぐられたのか自然とアレクの頭を撫でてしまう。

「うむ!素晴らしいではないか!よくやったぞ!アレクよ」

「アレクくん、まさか本当に作ってしまうとは素晴らしいですよ」

アレクの髪の毛がぐしゃぐしゃになるまで二人は撫で回す。アレクは、嫌がることなく少し恥ずかしいのか頬を赤く染めて下を向き笑顔になる。

「そんな褒めないでくださいよ!恥ずかしいじゃないですか」

何故だがわからないが、更に母性をくすぐられてしまったラヴァーナは、思わず我が子にするように抱きついてしまう。

「偉いぞ!それに本当に可愛いなアレクは!」

「ラヴァーナ様!恥ずかしいですよ~」

大きな胸に顔を埋める形となったアレクは、恥ずかしさで居ても立っても居られなくなる。

「アレクよ、済まなかった!あまりにも可愛すぎて、つい抱き締めてしまったのだ。許せ」

ラヴァーナは、アレクの言葉で我に返ると、すぐに離して謝る。

「いいですよ。それより薬を試してみてください」

アレクは、すぐに気持ちを切り替えてラヴァーナとオレールに薬を飲むように言うのだった。
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