チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

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第2章 魔物の街の視察

第409話 陛下の怒りとワザといじめる陛下!

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宴が終わり夜を迎えていた。そして、陛下達を城へと案内して夜を過ごしてもらうことになった。だが、城に着くなり、やはり一悶着起こるのだ。

「やはり城ではないか!しかも、余の城の倍はあるではないか!それに、なんとう城壁と城門なのだ!羨ま......けしからん」

城に着くなり陛下は、有り得ない規模の城に文句を言い始める。内心は、ただ羨ましいだけなのだ。

「そう言われましても、ドワーフ達が勝手に作ってくれたものでして......」

「どうじゃ?オリハルコンの城壁に頑丈な城門、それにどこにも負けない大きさの城だわい!ブッハハハハ」

アレクが、申し訳なさそうにしているのをしり目におやっさんは、陛下を煽るようなことを言う。

「なにぃぃぃ!オリハルコンの城壁だと!頭がクラクラしてきたのだが......」

陛下は、伝説級の鉱石をこれでもかと使った城壁を眺めながら頭を抱えてしまう。

「アレクよ、何故オリハルコンなんぞがあるのだ?今すぐ答えよ」

陛下は、グイッとアレクに近付いて、早く白状しろと迫る。

「色々な鉱山の中に、オリハルコンの鉱山が見つかったんですよ。幸運でした」

アレクは、平然とした顔で答えるが、目の前にいる陛下の顔がどんどん般若のようになっていく。

「何故、余にすぐ報告せんのだ!王国で初めて見つかったオリハルコンの鉱山であるぞ!」

アレクは、報告しなかったのは悪いと思っているが、何故ここまで怒っているのかがわからない。

「アレクくん、国内で貴重な物が見つかった場合は、即座に陛下へと報告する義務があります。今回のように報告せずにいると隠蔽したと捉えられて最悪の場合、罰せられます」

「えぇぇぇ~でもパスクは何も......」

アレクは、この時そんなこと知らないし、パスクは何も言っていなかったよと思う。

「流石に、私も陛下へはご報告しているものだと思っておりました。魔王様と交易をしているのですから、陛下の許可を頂いたものだと」

パスクも、ここまで知識がないとは思っておらず、少し呆れながら発言する。

「なにぃぃぃ!もうアナベルと交易までしておるのか!まずは、余に話を通すのが筋であろう」

アレクは、般若のように迫りくる陛下から逃げる術はないかと周りを見渡すが、全員がそっぽを向いて逃げる。

「みんなぁぁぁ......あ!陛下、ある程度無償で供給しますので許してはもらえませんか?」

「はぁぁ......幸い口外する者がおらんから良いが、もう少し貴族社会の勉強をせい!後で、ゆっくりと交渉するとしよう!アントン、騎士団に供給する武具としてどのくらい必要か算出を頼む」

陛下は、アレクを怒鳴りつけるが、ある程度無償で提供されると聞いて、すぐに王国に必要な量の計算をアントンにさせる。

「畏まりました!アレクくん、今回は覚悟しておいた方がよろしいかと」

「そ、そんなぁぁぁ~陛下~ごめんなさい!適度な量で許してくださ~い」

アレクは、嘆きながら陛下の前で土下座をする。

「簡単に許しはせぬ!覚悟しておくのだな」

「うわぁぁぁぁ~」

アレクが、地面に伏せて嘆いているのを見ながら陛下は、ニヤリと笑い全員を見る。それを見たみんなは、いじめて楽しんでいるなと気付き、大笑いするのだった。





「アナベルよ、この街をどう思っている?」

交易の話をする前に、ラヴァーナと陛下は二人だけで話し合っている。

「全てが、妾の想像を遥かに超えてきておるな!魔物が、魔族や人族のように生活しておるのもそうだが、まずは争いが起こっておらぬことが驚きである」

「いまだに余も信じられぬ!アレクは、本当に奇想天外なことをやりおるわ!アナベルは、この街をいずれは国と認めるべきだと思うか?」

普通ではないことが、現実で起こっているのを再確認し合って、陛下は街で留まる場所ではないのではと思うのだ。

「うむ!いずれは、国にすべきであるが、アレクには統治の能力はあるが、知識が全くないのが難点である!ジキタリスやアントンのような右腕が必要であろうな。パスクでは、アレクに甘すぎるであろう?」

「確かに、そうであるな。アレク自身が成長し、パスクも主人として敬いながらも、時には厳しく忠告できる人物にならなくてはいかぬな」

「だが、まだ先のことだ!それに、アレクは若い!まだまだ発展途上の段階である。気長に待つのが最良ではないか?」

アレクの欠点やアレクを取り巻く環境について話し合う二人。最終的にラヴァーナは、成長を見届けようと言うのだ。

「そうであるな!それには、余とアナベルで指導する必要があるな!どうだ?アレクを教育していかんか?」

「うむ!それは名案であるな!誰にも有無を言わせぬ最高の統治者にしてやろうではないか!」

もし、アレクがこのことを知れば、どんな手段を使っても逃げてしまうだろう。だが、そんなことはお構いなしに、アレクの知らないところで、陛下とラヴァーナは盛り上がるのだった。
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