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第2章 魔物の街の視察

第407話 魔王様とレイリシア王妃が魔物の街を楽しむ!

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「昼間から酒が飲めるとは愉快であるな。それにしても、魔物達がこのように楽しんでいる姿が見られるとはなんとも言えん気持ちになるものだ」

ラヴァーナが、焼酎を飲みながら騒いでいる魔物達を見ながら呟く。ちなみに、大きく拓けた広場のような場所で簡易的な椅子やテーブルを用意して宴をしている。

「そうですね!見ているだけで楽しい気分になります。それとドワーフが、凄い人数おりますね。これだけいれば、この発展の速度も納得がいきます」

ジキタリスは、嬉しそうに話すラヴァーナを見てよかったなと思うのと同時に、ドワーフが溢れ返っている現状に驚きの表情を見せる。

「そうであるな!魔ノ国にもドワーフがいれば良いのだが、秘密主義のドワーフを招く術が全くなかった......アレクはどのようにしてこれだけのドワーフを集めたのやら」

普通は、秘密主義で国外に出ることのないドワーフ達を、アレクは平気で何人も集めており、どうやってこれだけのドワーフ達を集めたのか気になる。

「タカハシ辺境伯のことですから、私達の思いもよらない考えで集めたのでしょう。後で秘密を聞いてみましょう!それより、私の見間違いでなければ、あれは鬼人ですよね?」

豪牙を見つけたジキタリスが、今は存在しないはずの鬼人ではないかと発言する。

「あぁ、まぎれもなく鬼人であるな!文献通りの姿をしておる。妾も目にするのは初めてである!クックック、またしてもアレクが、何かやりおったな!」

口元に手をやりながら、笑っているのだ。

「タカハシ辺境伯には、お聞きすることが山程ありますね」

ジキタリスも、酒を飲み笑いながら答える。





「お母様、凄い美味しい料理ですね!これも、アレク様が考えついたのでしょうか?」

エリーゼとレイリシアは、普段食べたことのない料理に舌鼓を打ち盛り上がっている。

「そうね~このお肉料理なんてフワフワで肉汁が凄くてなんとも言えないおいしさのソースが口いっぱいに広がって幸せだわ~」

レイリシアは、ハンバーグを食べながらなんとも言えない表情を浮かべて手を頬に置き、余韻まで味わっている。

「嬉しいねぇ、そんな喜んでくれて!これも食べな!森の長様が考えたピザって料理だよ!ってすまないねぇ~驚かせるつもりはなかったんだよ!」

エプロン姿の女性オーガが、ピザを運んでエリーゼとレイリシアの前に出してくる。まだ、魔物に慣れていないレイリシアとエリーゼは、オーガを見て一瞬ビクっとして驚く。

「ごめんなさい!不快させてしまって......まだ慣れないのよ~。あとこれは、貴女が作ったのかしら~?」

レイリシアが、オーガを見つめながら申し訳なさそうに謝る。

「わたしゃ、そんなことで怒ったりしないよ!元々人間と魔物は、相容れない存在だからねぇ。でも、ここにいる魔物は、安易に襲ったりはしないから安心しな!それと、これはわたしゃが作った料理だよ」

オーガは、一見凶悪そうな笑みを浮かべながらも、安心するように二人に言う。

「おいしい~このトロッとしたチーズと酸味があるソースとフワフワの生地が合わさって、素晴らしいです。オーガさん、ありがとうございます」

エリーゼが、幸せいっぱいの顔をしながらピザを味わう。そして、肝っ玉母さんのようなオーガにお礼を言うのだ。

「嬉しいねぇ!いっぱい食べて大きくなるんだよ。子供は、元気に遊んで食べることが仕事だからねぇ」

魔物らしくないことを口にするオーガに対して、思わずレイリシアは笑ってしまうが、すぐに表情を戻して、ここにいる魔物は人間と対して変わらず同じような考えを持っているのだと思う。

「貴女にも、お子様がいるのかしら~?」

レイリシアが、気になって尋ねる。

「あそこで、走り回ったり騒いでいるのが、子供達だよ!夫がせがむものだから10人も子供が出来てねぇ。毎日が大変で仕方ないよ」

頬を赤らめながら話すオーガに、オーガの男性は性欲が凄いんだなと感じるレイリシア。エリーゼは、意味がわかると恥ずかしくなって顔を赤くしてしまう。

「母ちゃん!またアイツが俺を殴ってくるんだ!どうにかしてよ」

一人の子オーガが、走ってきて肝っ玉母さんのようなオーガに助けを求めに来る。

「またあの子は!逃げるんじゃないよ!待ちな!わたしゃ、あの子を叱りつけてくるから、あんた達は楽しみな」

そう言って走って逃げて行く子オーガを追いかける肝っ玉母さんのようなオーガを見て、エリーゼもレイリシアも笑ってしまうのであった。
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