上 下
286 / 695
第1章 森の長による開拓

第401話 日常の会話と豪牙は希少種族!?

しおりを挟む
ドワーフ達は、壊れた闘技場と家をさっさと直して、酒を受け取ってすぐ帰っていったのだ。

「やっぱりドワーフの仕事の早さは、いつ見ても凄いね」

アレクが、驚いた表情でドワーフ達の仕事を見ていた。

「アレクくん!ドワーフって凄いんだね!驚いたよ」

ウァラクも驚きの表情を見せて、アギケもリリスもうんうんと頷く。

「あ!そう言えば魔ノ国でドワーフを見かけないけどなんでだろう?」

色々な魔族を受け入れているなら、ドワーフがいっぱいいてもいいだろうと思うのだが、全然姿を見たことがない。

「なんででしょう?今度お母様に聞いてみます」

リリスも気になったようで、ラヴァーナに尋ねてくれるそうだ。あと、アレクも思ったのだが、王国にもおやっさんしかドワーフを見たことがないので、余計気になったのだ。

「気になるから聞いてくれると嬉しいな」

「はい!任せてください」

リリスは、胸を張って期待するように言う。

「師匠、正座をやめていいですよ。ちゃんと反省しましたか?」

横で、ずっと正座をしているノックスに、正座をやめていいことを伝える。

「おっ!やっとか!いつ終わるのか待ち浴びたぞ。反省?してると言えば嘘になるな。他人の家を壊したことは反省しているけどな」

ノックスは、正座しながら反省することなく魔力循環をして己を鍛えていた。

「はぁ~!もういいですよ。師匠に反省をさせようとした俺が間違いでした。まぁ~家を壊したことを反省してくれているならいいです」

「よし!豪牙、続きをやるぞ」

ノックスは、まだ戦いを続けるようなのだ。いったいこの戦闘狂は、どうなっているんだと考えるアレク。

「師匠、その前に予備の防御結界を設置してください!あと、壊さないようお願いします」

「そうだったな!すぐ設置する。あと、壊さないようには善処する」  

壊さないとは言わない辺りがノックスらしいのである。

「師匠、壊さないでくださいよ!もう予備がないんですから!もし、壊したら買いに行ってもらいますからね」

アレクが、転移を使って普段は買い出しに行ったりしているが、防御結界を壊したらノックス自身に買いに行くように言う。

「おいおい!歩いて買いに行けって?」

「師匠なら走れば1日で戻って来られますよ」

アレクは、ほぼ無限の体力なのだから、全速力で走ればどうにか出来るだろうと思う。

「俺をなんだと思っているんだ!そんなやつがいたら化け物だぞ?」

「ハハハ、とりあえず壊したら自分で買ってきてもらいますからね」

アレクはこの時、内心化け物だろうと思うのだが、声には出さずに黙っている。

「わかったわかった!壊さないようする!よし、さっさと設置して続きをやるぞ」

「わかった!次は負けないからな!」

豪牙が、拳を突き出してノックスに宣言する。

「お前にまだ負けるほど落ちぶれちゃいねぇよ。だが、素質はあるから体で感じて学べ」

突き出した拳を合わせることなく、ノックスは豪牙の肩を組んで歩き出す。そして、アレクの時と同じで豪牙に身をもって体感させて教えているようなのだ。

「俺達も見に行こうか?」

アレクが、三人を誘って戦いを見に行くか尋ねる。

「是非見に行きたいです。あと、気になってたんだけど、あの豪牙って人の種族は何ですか?」

アギケが、豪牙を見て気になったようでアレクに尋ねる。

「鑑定で調べたら鬼人だって!オーガから進化したんだけど、見た目が人間や魔族に近い感じになっちゃったんだよね」

「鬼人ですか!?昔お母様に聞いたことがあります!昔は、少なからず存在したらしいですが、今では存在しているのかすら不明な種族らしいです」

リリス曰く、どうやら豪牙は、唯一無二の存在かもしれないことがわかった。

「え?そんな存在だったの?なんか名付けたら進化したんだよね」

「え?名付けですか?でも、お母様も魔物に名前を付けていますが、進化しませんよ?何故でしょうか?」

「マンテ爺曰く、オーガの中でも特殊個体で最終進化までしていたらしいんだよ。だから、名付けで進化したらしいよ」

それを聞いたリリスは、目を丸くして驚いている。

「これは、お母様に報告する必要がございます。あ!ちゃんとアレク様に褒美を出すように言っておきますね」

どうやらかなり希少な情報だったようだ。そしてアレクは、褒美を出すように言うリリスを見てラヴァーナの子供だなと感じるのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク 普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。 だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。 洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。 ------ この子のおかげで作家デビューできました ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが

前世で家族に恵まれなかった俺、今世では優しい家族に囲まれる 俺だけが使える氷魔法で異世界無双

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
家族や恋人もいなく、孤独に過ごしていた俺は、ある日自宅で倒れ、気がつくと異世界転生をしていた。 神からの定番の啓示などもなく、戸惑いながらも優しい家族の元で過ごせたのは良かったが……。 どうやら、食料事情がよくないらしい。 俺自身が美味しいものを食べたいし、大事な家族のために何とかしないと! そう思ったアレスは、あの手この手を使って行動を開始するのだった。 これは孤独だった者が家族のために奮闘したり、時に冒険に出たり、飯テロしたり、もふもふしたりと……ある意味で好き勝手に生きる物語。 しかし、それが意味するところは……。

あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。

▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ...... どうしようΣ( ̄□ ̄;) とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!! R指定は念のためです。 マイペースに更新していきます。

聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】

青緑
ファンタジー
 聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。 ——————————————— 物語内のノーラとデイジーは同一人物です。 王都の小話は追記予定。 修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。

大好きな母と縁を切りました。

むう子
ファンタジー
7歳までは家族円満愛情たっぷりの幸せな家庭で育ったナーシャ。 領地争いで父が戦死。 それを聞いたお母様は寝込み支えてくれたカルノス・シャンドラに親子共々心を開き再婚。 けれど妹が生まれて義父からの虐待を受けることに。 毎日母を想い部屋に閉じこもるナーシャに2年後の政略結婚が決定した。 けれどこの婚約はとても酷いものだった。 そんな時、ナーシャの生まれる前に亡くなった父方のおばあさまと契約していた精霊と出会う。 そこで今までずっと近くに居てくれたメイドの裏切りを知り……

異世界に行ったら才能に満ち溢れていました

みずうし
ファンタジー
銀行に勤めるそこそこ頭はイイところ以外に取り柄のない23歳青山 零 は突如、自称神からの死亡宣言を受けた。そして気がついたら異世界。 異世界ではまるで別人のような体になった零だが、その体には類い稀なる才能が隠されていて....

生活魔法しか使えない少年、浄化(クリーン)を極めて無双します(仮)(習作3)

田中寿郎
ファンタジー
壁しか見えない街(城郭都市)の中は嫌いだ。孤児院でイジメに遭い、無実の罪を着せられた幼い少年は、街を抜け出し、一人森の中で生きる事を選んだ。武器は生活魔法の浄化(クリーン)と乾燥(ドライ)。浄化と乾燥だけでも極めれば結構役に立ちますよ? コメントはたまに気まぐれに返す事がありますが、全レスは致しません。悪しからずご了承願います。 (あと、敬語が使えない呪いに掛かっているので言葉遣いに粗いところがあってもご容赦をw) 台本風(セリフの前に名前が入る)です、これに関しては助言は無用です、そういうスタイルだと思ってあきらめてください。 読みにくい、面白くないという方は、フォローを外してそっ閉じをお願いします。 (カクヨムにも投稿しております)

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。