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第1章 森の長による開拓

第397話 魔王様の視察と驚きの連続!

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「では、そろそろ街中を案内しますね」

いつまでも門の前にいるわけもいかないので、街を案内する。

「楽しみであるな!」

ラヴァーナも、ウキウキとした表情で言う。
そして、街へ入ると色んな魔物やドワーフ達が闊歩している。魔物達がアレクを見つけると、「森の長様~」と言って手を振ってくる。

「アレクは、人気者であるな。それにしても、これほどの魔物がいて争い一つなく平和に暮らしていることが驚きであるぞ」

和気あいあいと昼間からドワーフ達と酒を酌み交わす者やドワーフ達から色々学んで仕事をする者など様々いる。

「慕ってくれているのは嬉しいですよ。やり過ぎなような気もしますけどね。基本争いはないですね。新しい物に興味を惹かれる方が優先されているみたいです」

アレク的には、もっと普通に接してほしいなと思うのだが、魔物達はアレクを尊敬しているようで、普通に接することはまずないだろうと思われる。

「うむ。新たなことか......ジキタリス、戻ったら魔物達に何かやらせてみるのはどうだ?」

「無理矢理やらせることは可能ではありますが、率先しては難しいでしょう」

「そうか......うむ。難しいな」

ラヴァーナは、魔ノ国でも同じようなことが出来ないか試そうとしているが、なかなか難しいようだ。しかし、アレクからしたらワイバーンなどを教育してワイバーン部隊を作っているくらいなのだから可能性はあるのではと思う。

「アレク様!凄いです!こんな光景初めてです」

アギケが目をキラキラさせながら街を眺めている。

「本当に凄いよ!魔物達が服まで着て生活しているなんて」

「それに、普通に話してますし、普通の街と何ら変わりありません」

ウァラクもリリスも、「わぁぁぁ」と言いながら街の光景に目を奪われている。

「衣服がここまで受け入れられるとは思っていなかったよ。みんな率先して着てくれるんだよ」

「本当であるな。一切気にしておらぬかったが、服を着ておるとはおもしろいものであるな」

ラヴァーナも、面白いものを見たような感じで眺めている。

「次は、鍛冶屋に行きましょうか?」

「お!ドワーフの鍛冶を見られるのか?それは、楽しみであるな」





「ここが、鍛冶屋になります。早速入りましょう」

「先程から思っておったが、一軒一軒が全て貴重な鉱石を用いて造られておるのだな」

木造建築が一切なく、鉱石によって造られているのだ。

「魔物の力と体重を支えるには、木造では壊れてしまいますからね。このように造りました」

魔物が、ぶつかったり、歩いているだけでも潰れてしまう恐れがあるので、鉱石を使った建築物を建てたのだ。

「そういうことであったか!納得がいった。では、早速見させて貰うとしようか」

ラヴァーナは、そう言って鍛冶屋に入っていく。

「おやっさ~ん!おやっさ~ん」

いつものようにアレクは、おやっさんを大声で呼ぶ。

「うるさいのぅ。聞こえとるわい!坊主どうしたんじゃ」

おやっさんが、頭を掻きながら奥から出てくる。

「魔ノ国の魔王様が視察で参っているので、案内をしているところです」

「そうじゃったか!お主が魔王じゃな!よろしく頼むのぅ」

おやっさんは、すぐに魔王が誰か気づいて握手を求める。

「うむ。よろしく頼む!早速で悪いが、剣を見せてはくれぬか?」

「構わんぞい!こっちじゃ」

おやっさんは、嫌な顔一つせずにラヴァーナ達を案内する。アレクも、ここに来てからおやっさんの鍛冶屋を訪ねるのは初めてなので気になる。

「好きに見ていてええぞい!ワシは、頼まれた物を奥で作ってるからのぅ。何かあれば呼んでくれ」

そう言っておやっさんは、また鍛冶仕事に戻る。ラヴァーナ達は、おやっさんが作った剣を手に取り眺める。

「やはりドワーフのそれも名工が作りし剣は一味も二味も違うな。それに、ここまで純度の高い鉱石を使った代物に出逢ったことがないのである」

「もし、これを持った兵士が攻め込んできたと想定したら恐ろしいですね」

ラヴァーナもジキタリスも、魔物の街がどれほど恐ろしく、国家戦力以上である可能性が高いと感じてしまうのであった。
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