チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

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第1章 森の長による開拓

第390話 まさかの進化!?だが、ノックスに怯える!

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「オーガの長って呼びにくいよね!う~ん?豪牙ゴウガとかどうかな?単純に強いイメージでつけてみたんだけど」

森の案内を任せようとしたのだが、オーガの長とずっと呼び続けるのは、呼び辛いと思って名前を付けてみた。

「豪牙豪牙......いい!俺は、今日から豪牙だぁぁぁ!森の長様、ありがとう。気に入った」

その瞬間、豪牙の体に変化が起こる。ピカッと輝きを見せた後、光が止むとそこには、人間に近い体となった人物が立っていたのだ。しかも、顔も牙とツノ以外人間に近い感じなのである。

「え?どうなってるの?」

アレクは、その姿に驚きの表情を浮かべる。豪牙も体をペタペタと触って驚いているのだ。

「進化したんじゃな。気配が全く別物じゃわい」

マンテ爺が、アレクに抱えられながら、進化という言葉を口にする。

「マンテ爺、どういうことなの?」

「ワシもそこまで詳しくはないがのぅ。最上級まで進化した魔物は名付けによって更に進化すると聞いたことがあるんじゃ。眉唾と思っておったがのぅ」

まさかの出来事に、その場にいた全員が驚きで言葉を失ってしまう。

「変なことを聞くけどマンテ爺もいつか進化するってこと?」

「知らんのぅ。ワシの種族は進化がないとされてきたからのぅ。じゃが、アレクと共に戦ってきて一度進化しておるから可能性はあるのぅ」

以前に一度進化したことがあるマンテ爺は、可能性があると話す。しかし、確証が持てないようだ。

「種族によって進化度合いは様々なんだね。それにしても、まさか豪牙が進化して、こんな姿になるとは......」

アレクが見ても、進化前以上の威圧感と強者のオーラを発している。

「森の長様、感謝する。まだ上があったとは思わなかった。こんなに力が漲ってくるのは初めてだ。森の長様、何があろうと貴方をお守り致します。この命に変えても!」

豪牙は、片膝を突いて畏まった口調でアレクに、さらなる忠誠を誓う。

「うん。ありがとう!その言葉は嬉しいんだけど、とりあえず服を着替えようか?ブカブカで、そのままでは森に行けないよ」

人間の姿になったオーガは、元々が筋肉ダルマのような大柄だった為に、服のサイズが一切合っていないのだ。

「こちらの服は、いかがでしょうか?合うと思いますよ」

パスクが、横から服をサッと魔法鞄から取り出して豪牙に渡す。

「パスク、なんで持ってるの?」

アレクは、服をそれもここにいる誰にもサイズが合わなさそうな服を取り出したことに驚きを隠せずにいる。

「アレク様の側にいるということは、いつ如何なる時も、不測の事態に備えていなくてはなりませんので」

「いやいや!」

アレクは、どんな不測の事態だよと心の中で思う。

「まぁでも、パスクのお陰で助かったよ。豪牙、着心地はどうかな?」

パスクは、さも当たり前かのように、「どう致しまして」と答えて、サッと後ろに下がるのだ。

「いい感じだ。それに体も軽くて動きやすい!今なら誰にも負けねぇ気がするぞ」

「なら俺とやるか?」

気合いが入りまくった豪牙の後ろから、ノックスがオーラを全開に出しながら話しかけてくる。そのオーラに当てられた豪牙は、後退りしてしまう。アレクは、進化して強くなったはずの豪牙ですら師匠の殺気の前では赤子なのだと知って恐怖を覚える。

「アハハハハ、まだ進化したてだし、勝負は次の機会にしてほしいなぁ~」

豪牙は、冷や汗を掻きながら逃げるようにどんどん離れていく。

「いやいや!今からで構わないんじゃないか?豪牙も、自分がどれだけ強くなったか知りたいだろ?」

ノックスは、わざとなのか?ニヤリと笑いながら大剣に手をかけながら豪牙に詰め寄る。これは、助け舟が必要だなとアレクは思うのだ。

「師匠も豪牙も、今回の目的は魔物狩りをして道を作ることですよ。遊んでないで、そろそろ行きますよ」

「チッ!せっかく楽しめそうだったのによ。仕方ないか」

ノックスは、大剣から手を離して、残念そうにするが、仕方なく諦める。
豪牙は、「ふぅ~」とため息をついて良かったと安堵するのだった。
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