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第1章 森の長による開拓

第378話 まさかの高純度○○を発掘するドワーフ!

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昨晩は、どんちゃん騒ぎが行われて、アレクが起きると地面で寝てる人が大量にいた。一見すると、大量の死体が転がっているようにしか見えない。

「おぉ~やっと起きよったか!」

ドワーフ達は、既に動き出していて、建築を開始している者や設計をどうするか話し合っている者やおやっさんのように、鉱山に行く者などに分かれている。

「早いですね!もしかして、もう鉱山に行くのですか?」

10人近いドワーフが、ロープやツルハシを持って、行く気満々といった様子だ。

「そりゃそうじゃろ!未知のまだ開拓されとらん土地の鉱山じゃ。気になって仕方ないわい!ほれ、行くぞい」

「待って下さい!すぐにオーバーテイカーに案内してもらうように聞いてきますから」

そう言うと、スッと真横に二人の気配を感じる。パッと見ると、オーバーテイカーとパスクなのだ。

「おはようございます!アレク様!ここの指揮はお任せ下さい!」

パスクは、アレクがいない間、ちゃんとドワーフや魔物達をまとめ上げると言ってくれる。

「では、森の長様、参りましょうか?転移でお連れ致します」

パスクもそうだが、オーバーテイカーもいつの間にアレクが起きたことに気付いたんだと思う。もしかして、一晩中待っていたのではないかと考えてしまう程だ。

「パスク、ここを頼んだよ!オーバーテイカー、案内を頼むね」

二人は、畏まりましたと言う。

「楽しみじゃわい!どんな鉱物があるんじゃろうな」

ドワーフ達は、目をキラキラさせながら、鉱山のことで頭が一杯だ。

「では、転移しますね」

オーバーテイカーは、鉱山まで転移をしてくれる。次、目にした光景は、未開拓であるので、洞窟にすらなっていない鉱山であった。

「こりゃ、凄いわい!まだ手付かずの鉱山とはのぅ。皆!一気に掘って行くぞい」

ドワーフ達は、「お~!」と言って鉱山に歩みを進める。

「待って下さい!この薬とこの薬を飲んで下さい」

アレクが、昨晩の間に作っていた。『疲れ知らず君』と『力倍増薬』である。またしても、変なネーミングセンスの薬が混じっているのは気にしてはならない。

「なんじゃ?」

「これは、3時間疲れることのない体を手に入れられる薬と普段の倍の力が出る薬です。副作用はありません」

「なんと!皆聞いたかのぅ?すぐに飲んで始めるぞい」

ドワーフ達は、ゴクゴクと気にすることなく全て飲み干して、ツルハシで掘り進めていく。

「なんじゃなんじゃ!こりゃ凄いわい!サクサクいけるぞい」

ドワーフ達は、有り得ないスピードで、どんどん掘り進めていく。オーバーテイカーとアレクは、その後をついて行くのだが、ドワーフ達が何やら発見したらしい。

「これが何かわかるかのぅ?」

見せてきたのは、小さいが淡く水色のように発光する物体である。

「なんですか?」

アレクは、さっぱりといった感じで返事をする。

「純度は低いが紛れもなくミスリルじゃ。こんな浅い場所で見つかるとは、奥にはお宝が眠っとるやもしれんぞい」

こんなあっさりミスリルが見つかるとは思っていなかったアレクは、驚きを隠せずにいる。

「こんなあっさり見つかるんですね......」

「普通ではないわい!鉱物量が多いのかもしれんのぅ。オーバーテイカーとやら、鉱山ここだけかのぅ?」

「いいえ!あと4箇所程存在しています。ここが一番近い鉱山でしたので、お連れしました」

まだ4箇所もあることにドワーフ達は、驚きを隠せないようだ。

「皆、聞いてくれんか?薬が効いとる間に、奥まで掘り進めるぞい!」

おやっさんの一声でドワーフ達が、さっきよりも早いスピードで掘っていく。暫くすると、ガキーンと金属と金属がぶつかる音がした。

「見つけたようじゃわい!ジャル、あれを持ってきておるか?」

「おう!これの出番のようだな!ワシに任せろ」

金色に輝くツルハシを取り出したジャルは、振りかぶって、その硬い鉱物目掛けて叩きつける。そうすると、見事に砕けて大小様々な大きさの青く発光した鉱物が姿を現す。

「これは大物じゃわい!純度も高いのぅ。オリハルコンのツルハシがなければどうしようもなかったわい」

アレクは、これがミスリルかと思い、綺麗だなと眺めているとおやっさんが話しかけてくる。

「一度戻るぞい!ツルハシを変えて人数も増やして一気に掘るぞい。それと、他の4箇所も一斉に掘るじゃ。オーバーテイカー、転移を頼めるかのぅ?」

おやっさんは、ここまで純度の高いミスリルは久しぶりで胸を躍らせる。オーバーテイカーも「わかりました」と言って返事をする。アレクも、ドワーフがやる気を見せているのを邪魔したら悪いと思い、やりたいようにやってもらおうと考えるのだった。
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