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第8章 復学生活の始まり
第361話 陛下との謁見!頭を悩ます陛下!
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あれから、アレク達だけに何故か魔物が一切現れなくなり、課外授業は無事に終わりを告げた。正直、レッドドラゴンの仕業だと思っているアレクは、次に会った時に文句を言ってやろうと決めていた。
そして今日は、陛下との非公開の謁見を取り付けることが出来、会いに来ている。
「アレクよ、久しいな。学園生活はどうだ?」
王城に着くと、門番や兵士達とも顔見知りになっているアレクは、すんなりと陛下の下まで通されたのだ。今は、陛下と宰相アントンと応接室で話し合いが始まったところである。
「大変楽しい日々を過ごしています。友達との時間が、こんなにも大事で今までの生活だと味わえないような楽しさがあります」
「そうであるか!それは、何よりであるな。エリーゼとは仲良くやっておるのか?」
陛下は、早くアレクとエリーゼがくっつかないかと思っている。
「学友として仲良くしています。放課後には、訓練にも積極的に参加してくれて頑張っていますよ」
「余が聞きたいのは、そういうことではないのであるがな。まぁ、仕方ない。こればかりは、エリーゼに頑張って貰う他ないであろうな」
アレクは、陛下がどういう意図で聞いてきたのか、全てわかってはいるのだが、今の段階でははぐらかすしかないのだ。
「お!そうであった!子が出来たと聞いたぞ。めでたいことだ。母子ともに健康であることを願っておる」
「ありがとうございます!まさかこんな早く父親になるとは思ってもみませんでした。より一層頑張らなければと思う毎日です」
アレクは、もう陛下の耳まで伝わっているのかと思い、素直に驚くのだ。
「本当に13歳なのか?アレクと話しておると、時折13歳という年齢を忘れてしまうぞ」
大人と対面して話しているかのような錯覚を覚える陛下である。前世は、バリバリのおっさんだからなと思うアレク。
「まだまだ若輩者ですよ!色々学ばないといけないと日々痛感しております」
「はぁ~そういう言い回しのことを言っておるのだ。まぁよい!それで、重大なこととはなんなのだ?」
アレクの子供らしからぬ返答にこめかみを押さえながらため息を吐く陛下。そして、やっと本題を切り出す。
「この話は、内密にしたいので、防音の魔道具を置かせて貰ってもよろしいですか?」
アレクは、魔法鞄から魔道具を取り出す。
「良いぞ!アントンよ、また心労が溜まりそうであるな。本日の予定を全てなしにしてくれぬか?余は、この後自室に籠るのでな」
「フフッ、はい!畏まりました。元より本日は予定を入れておりませんのでご安心下さい」
アントンは、先を読んでアレクとの謁見が終わった後は、仕事にならないだろうと思っていた。
「アントン、それを聞いて安心したぞ。では、本題と参ろうか。アレク、聞かせてくれ」
陛下は、何が来ようと受け止める覚悟で、姿勢を正して聞く体勢を整える。
「はい!今回課外授業で、王都から少し離れた森に行ったのですが......」
それから、森の奥に行き、レッドドラゴンと戦って勝利したこと、それにより森の長となったこと、更には導くよう言われたことを話すのだ。それを聞いていた陛下は、段々顔色が悪くなり頭を抱え始める。アントンはというと、途中から笑っているのである。
「はぁ~またやらかしおったな!今に始まったことではないのでな。もう怒る気にもならんが、予想の斜め上を行きおる」
「アハハハ......」
アレクは、苦笑いを浮かべて誤魔化そうとする。
「笑って誤魔化すではないわ!それで、どうするつもりなのだ!」
「どうするもこうするも......考えていませんでした。申し訳ございません」
陛下は、顎に手をやり考える。
「アレクよ、暫しここで待つのだ!アントンと話し合いをしてくる」
そう言って、陛下とアントンは部屋を出て行く。アレクは、怒られずによかったと思うと同時に、嫌な予感が頭を過るのであった。
そして今日は、陛下との非公開の謁見を取り付けることが出来、会いに来ている。
「アレクよ、久しいな。学園生活はどうだ?」
王城に着くと、門番や兵士達とも顔見知りになっているアレクは、すんなりと陛下の下まで通されたのだ。今は、陛下と宰相アントンと応接室で話し合いが始まったところである。
「大変楽しい日々を過ごしています。友達との時間が、こんなにも大事で今までの生活だと味わえないような楽しさがあります」
「そうであるか!それは、何よりであるな。エリーゼとは仲良くやっておるのか?」
陛下は、早くアレクとエリーゼがくっつかないかと思っている。
「学友として仲良くしています。放課後には、訓練にも積極的に参加してくれて頑張っていますよ」
「余が聞きたいのは、そういうことではないのであるがな。まぁ、仕方ない。こればかりは、エリーゼに頑張って貰う他ないであろうな」
アレクは、陛下がどういう意図で聞いてきたのか、全てわかってはいるのだが、今の段階でははぐらかすしかないのだ。
「お!そうであった!子が出来たと聞いたぞ。めでたいことだ。母子ともに健康であることを願っておる」
「ありがとうございます!まさかこんな早く父親になるとは思ってもみませんでした。より一層頑張らなければと思う毎日です」
アレクは、もう陛下の耳まで伝わっているのかと思い、素直に驚くのだ。
「本当に13歳なのか?アレクと話しておると、時折13歳という年齢を忘れてしまうぞ」
大人と対面して話しているかのような錯覚を覚える陛下である。前世は、バリバリのおっさんだからなと思うアレク。
「まだまだ若輩者ですよ!色々学ばないといけないと日々痛感しております」
「はぁ~そういう言い回しのことを言っておるのだ。まぁよい!それで、重大なこととはなんなのだ?」
アレクの子供らしからぬ返答にこめかみを押さえながらため息を吐く陛下。そして、やっと本題を切り出す。
「この話は、内密にしたいので、防音の魔道具を置かせて貰ってもよろしいですか?」
アレクは、魔法鞄から魔道具を取り出す。
「良いぞ!アントンよ、また心労が溜まりそうであるな。本日の予定を全てなしにしてくれぬか?余は、この後自室に籠るのでな」
「フフッ、はい!畏まりました。元より本日は予定を入れておりませんのでご安心下さい」
アントンは、先を読んでアレクとの謁見が終わった後は、仕事にならないだろうと思っていた。
「アントン、それを聞いて安心したぞ。では、本題と参ろうか。アレク、聞かせてくれ」
陛下は、何が来ようと受け止める覚悟で、姿勢を正して聞く体勢を整える。
「はい!今回課外授業で、王都から少し離れた森に行ったのですが......」
それから、森の奥に行き、レッドドラゴンと戦って勝利したこと、それにより森の長となったこと、更には導くよう言われたことを話すのだ。それを聞いていた陛下は、段々顔色が悪くなり頭を抱え始める。アントンはというと、途中から笑っているのである。
「はぁ~またやらかしおったな!今に始まったことではないのでな。もう怒る気にもならんが、予想の斜め上を行きおる」
「アハハハ......」
アレクは、苦笑いを浮かべて誤魔化そうとする。
「笑って誤魔化すではないわ!それで、どうするつもりなのだ!」
「どうするもこうするも......考えていませんでした。申し訳ございません」
陛下は、顎に手をやり考える。
「アレクよ、暫しここで待つのだ!アントンと話し合いをしてくる」
そう言って、陛下とアントンは部屋を出て行く。アレクは、怒られずによかったと思うと同時に、嫌な予感が頭を過るのであった。
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