239 / 756
第8章 復学生活の始まり
第354話 二日目の朝にして料理番がアレクに代わる?
しおりを挟む
「寝る前に、目的を再確認しよう」
アレク達は、時間に余裕が出来たので、三人で火を囲んで簡易的な地図を広げながら話し合うのだ。
「まずは、森の中間地点を目指して折り返して、ここに戻ってくることが第一目標だね」
二人共、うんうんと頷き応える。
「これはあくまで予想だけど一班につき一名以上の先生か雇った人物が付いているはずだから、気を抜かずに行動しよう。評価を常に付けているはずだよ」
「だからと言って慌てる必要はないかな。訓練の成果を出せれば、浅い森の魔物なら簡単に倒せるしね」
アレクは、気負いしないように、セトとレティーに言い聞かせる。
「リーダー、質問いいですか?」
レティーが、挙手をして珍しい敬語で話して来るのだ。
「どうしたの?」
「魔物と遭遇した場合、私とセトくんはどうしたらいいかな~?」
レティーは、ずっと魔物との遭遇に脅威を感じていたのだ。そして、事前に聞いておけば多少なりとも臆することなく対処ができると考えたのである。
「そうだね。まずは、俺が手本を見せるから、手本通りセト、レティーの順番で魔物を倒そうか」
「手本は嬉しいけど、アレクくんのが手本になるかな~?真似出来なさそうにないよ~」
アレクの凄さは周知の事実であり、レティーからしたら、到底真似できないと思うのだ。
「そこは、考えてあるから大丈夫!とりあえず、みんなが出発する前に移動したいから早く寝よう」
そう言ってアレク達は、どの班よりも早く寝るのである。
◆
「おはよう!二人共、起きるの早いよ~」
アレクが、一番最初に起きて次にセトが起き、最後にレティーが起きてきたのだ。
「こんな早く起きることないもんね。朝食を作ったから食べて!食べ終わって、少ししたら出発するよ」
アレクは、朝一番に先生から食材を貰って調理していたのだ。
「すまんが、俺達も食わせてもらうぞ」
ギルバート先生や他の先生達も、やってきて三人の前に座る。
「どうぞどうぞ!いっぱい食べて下さい」
これくらいで、得点を稼げはしないだろうが、何かあった時に大目に見てくれる可能性があるかもしれないと、起き始めた先生達を誘ったのだ。
「うまっ!なんだこれは?あの食材から作ったのか?」
ギルバート先生が、一口齧り付いたところで、大きな声を出す。ちなみに、作ったのは、パンにオーク肉と野菜を挟んで、アレクのスキルで作った特製ソースを絡めてあるのだ。他の先生達も思わず叫んでいる。
「はい!干し肉じゃなくて、オークの肉を貰えましたからね。スキルを使って特製ソースを絡めてみました。何も不正はしてませんよ」
「それならいいんだ。すまんが、もう一つくれないか?」
指についたソースを舐めながら、ギルバート先生は、もう一つおねだりをする。余程気に入ったようだ。
「はい!まだありますから食べて下さい」
アレクは、ギルバート先生に特製オーク肉サンドを渡す。すると、他の先生もほしいと言ってくるのだ。そして、一人一人に渡しているとレティーが、話しかけてくる。
「今日から料理番はリーダーで決定だね!」
凄くいい笑顔で言ってくるのだが、それだとレティーは、何番をするんだと思うのだ。
「え?レティーが、料理番でしょ?」
「こんなおいしいの食べたら、私作れないよ~!それに、もっとおいしい物を隠してるはずだからね~」
更に、秘蔵のレシピがきっとあるだろうと、レティーの第六感が告げるのである。
「じゃあ、レティーがテントを張ってくれるの?」
「え?私は見ているだけだよ~」
「おい!働け!」
そう言うと、レティーは新しく受け取った特製オーク肉サンドを持って逃げるのだった。
「はぁぁぁ......仕方ないか......」
アレクは、こうなった以上、どうしようもないし、仕方なくやるかと諦めるのだ。だが、帰ったらレティーには、特別訓練をさせようと密かに思いつくのである。
「セト、レティー、食べ終わったら出発するから荷物をまとめてね。俺は、テントを片付けるから」
セトとレティーが、「うん」と元気よく返事をする。どうやらアレク特製のオーク肉サンドで元気が出たようなのだ。
「ギルバート先生達も見張り役頑張って下さいね」
「おい!それは......まぁ、わかって当然か!確かアレク達には、現役の冒険者が見張り役につくはずだったな。だから、安心して課外授業を楽しんだらいい」
「はい!セトとレティーのレベルアップをしながら帰ってきます」
それを聞いたギルバート先生は、趣旨が違うだろうと思うのだが、アレクだし仕方ないかと思うのだった。
アレク達は、時間に余裕が出来たので、三人で火を囲んで簡易的な地図を広げながら話し合うのだ。
「まずは、森の中間地点を目指して折り返して、ここに戻ってくることが第一目標だね」
二人共、うんうんと頷き応える。
「これはあくまで予想だけど一班につき一名以上の先生か雇った人物が付いているはずだから、気を抜かずに行動しよう。評価を常に付けているはずだよ」
「だからと言って慌てる必要はないかな。訓練の成果を出せれば、浅い森の魔物なら簡単に倒せるしね」
アレクは、気負いしないように、セトとレティーに言い聞かせる。
「リーダー、質問いいですか?」
レティーが、挙手をして珍しい敬語で話して来るのだ。
「どうしたの?」
「魔物と遭遇した場合、私とセトくんはどうしたらいいかな~?」
レティーは、ずっと魔物との遭遇に脅威を感じていたのだ。そして、事前に聞いておけば多少なりとも臆することなく対処ができると考えたのである。
「そうだね。まずは、俺が手本を見せるから、手本通りセト、レティーの順番で魔物を倒そうか」
「手本は嬉しいけど、アレクくんのが手本になるかな~?真似出来なさそうにないよ~」
アレクの凄さは周知の事実であり、レティーからしたら、到底真似できないと思うのだ。
「そこは、考えてあるから大丈夫!とりあえず、みんなが出発する前に移動したいから早く寝よう」
そう言ってアレク達は、どの班よりも早く寝るのである。
◆
「おはよう!二人共、起きるの早いよ~」
アレクが、一番最初に起きて次にセトが起き、最後にレティーが起きてきたのだ。
「こんな早く起きることないもんね。朝食を作ったから食べて!食べ終わって、少ししたら出発するよ」
アレクは、朝一番に先生から食材を貰って調理していたのだ。
「すまんが、俺達も食わせてもらうぞ」
ギルバート先生や他の先生達も、やってきて三人の前に座る。
「どうぞどうぞ!いっぱい食べて下さい」
これくらいで、得点を稼げはしないだろうが、何かあった時に大目に見てくれる可能性があるかもしれないと、起き始めた先生達を誘ったのだ。
「うまっ!なんだこれは?あの食材から作ったのか?」
ギルバート先生が、一口齧り付いたところで、大きな声を出す。ちなみに、作ったのは、パンにオーク肉と野菜を挟んで、アレクのスキルで作った特製ソースを絡めてあるのだ。他の先生達も思わず叫んでいる。
「はい!干し肉じゃなくて、オークの肉を貰えましたからね。スキルを使って特製ソースを絡めてみました。何も不正はしてませんよ」
「それならいいんだ。すまんが、もう一つくれないか?」
指についたソースを舐めながら、ギルバート先生は、もう一つおねだりをする。余程気に入ったようだ。
「はい!まだありますから食べて下さい」
アレクは、ギルバート先生に特製オーク肉サンドを渡す。すると、他の先生もほしいと言ってくるのだ。そして、一人一人に渡しているとレティーが、話しかけてくる。
「今日から料理番はリーダーで決定だね!」
凄くいい笑顔で言ってくるのだが、それだとレティーは、何番をするんだと思うのだ。
「え?レティーが、料理番でしょ?」
「こんなおいしいの食べたら、私作れないよ~!それに、もっとおいしい物を隠してるはずだからね~」
更に、秘蔵のレシピがきっとあるだろうと、レティーの第六感が告げるのである。
「じゃあ、レティーがテントを張ってくれるの?」
「え?私は見ているだけだよ~」
「おい!働け!」
そう言うと、レティーは新しく受け取った特製オーク肉サンドを持って逃げるのだった。
「はぁぁぁ......仕方ないか......」
アレクは、こうなった以上、どうしようもないし、仕方なくやるかと諦めるのだ。だが、帰ったらレティーには、特別訓練をさせようと密かに思いつくのである。
「セト、レティー、食べ終わったら出発するから荷物をまとめてね。俺は、テントを片付けるから」
セトとレティーが、「うん」と元気よく返事をする。どうやらアレク特製のオーク肉サンドで元気が出たようなのだ。
「ギルバート先生達も見張り役頑張って下さいね」
「おい!それは......まぁ、わかって当然か!確かアレク達には、現役の冒険者が見張り役につくはずだったな。だから、安心して課外授業を楽しんだらいい」
「はい!セトとレティーのレベルアップをしながら帰ってきます」
それを聞いたギルバート先生は、趣旨が違うだろうと思うのだが、アレクだし仕方ないかと思うのだった。
97
お気に入りに追加
6,084
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
富士とまと
ファンタジー
一緒に異世界に召喚された従妹は魔力が高く、私は魔力がゼロだそうだ。
「私は聖女になるかも、姉さんバイバイ」とイケメンを侍らせた従妹に手を振られ、私は王都を追放された。
魔力はないけれど、霊感は日本にいたころから強かったんだよね。そのおかげで「英霊」だとか「精霊」だとかに盲愛されています。
――いや、あの、精霊の指輪とかいらないんですけど、は、外れない?!
――ってか、イケメン幽霊が号泣って、私が悪いの?
私を追放した王都の人たちが困っている?従妹が大変な目にあってる?魔力ゼロを低級民と馬鹿にしてきた人たちが助けを求めているようですが……。
今更、魔力ゼロの人間にしか作れない特級魔力回復薬が欲しいとか言われてもね、こちらはあなたたちから何も欲しいわけじゃないのですけど。
重複投稿ですが、改稿してます
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。