チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐@書籍発売中

文字の大きさ
上 下
230 / 819
第8章 復学生活の始まり

第345話 魔ノ国での強化訓練!相変わらずの魔王様!

しおりを挟む
アレクは、風紀委員としての放課後の見回りを終えてから、自主練をする皆が待つ演習場へと向かう。

「みんな、お待たせ!」

アレクが、そう言うと自主練をしていた全員がアレクの下に駆け寄ってくる。どうやら早くアレクに教わりたいそうなのだ。

「おせぇよ!待ちくたびれたぜ。早速教えてくれ」

ランスが、率先してアレクに言うと、他の皆も首を縦に振ってウンウンと頷く。

「じゃあ、まずは魔ノ国に行くよ。みんな、転移するから近寄って」

まさかの今から魔ノ国に行くということで、驚いた顔をするランス達。

「おいおい!今から魔ノ国ってどういうことだよ。確かに親に帰りは遅くなるとは言ったけどよ」

事前に、アレクから各家族には遅くなることを伝えておいてほしいと言ってあったのだ。

「まぁ、訓練の質を上げる為だよ。エリーゼとレオナードは、遅くなるの平気かな?」

レオナードは、伯爵家の嫡男である為、親が許してくれるのかが疑問だったのだ。ましてや、エリーゼの場合王女殿下である為、余計である。

「はい!父上も母上も、アレク様がいるなら平気だし、よろしくお願いしますとのことでした。なんなら泊まりでとことん鍛えてこいと言われています。それに、従者のフレデリカもいますから」

「レオナード様のお世話はお任せ下さい。それに、私も強くなるようアーノル伯爵様から仰せつかっております」 

なんとレオナードは、家族公認で認めてくれているようなのだ。

「私は、心配されましたが、お父様を言い包めてきました。それに、身の回りのお世話はイルタがしてくれますから。安心して下さい。なんならアレク様と一夜を共に......」

「アレク辺境伯様、お任せ下さい!ですが、陛下から後ほど呼び出すので絶対来るようにとお伝えするよう言われております」

アレクは、心の中で『おい!エリーゼ、全然言い包めてないじゃないか!』と思うのだ。それに、またまた陛下からお怒りの一言を貰うのかとガックリくる。しかも、一夜をなどいうことを口にするエリーゼに更に不安を覚えるのだ。

「レオナードは、いいとしてエリーゼは、本当に大丈夫なのかな?俺が後々お叱りを受ける姿が目に浮かぶんだけど......」

「その時は、お母様も同席させてお父様に有無を言わせないようにしますからご安心下さい」

そう言えば、エリーゼのお母さんにはまだ会ったことがないなと思うのだ。しかし、陛下は奥さんも娘には頭が上がらないのだと知り、ついつい笑ってしまう。

「まぁ、お叱りは仕方ないとして、魔ノ国に向かいますか。もう向こうには話は通してあるから行くよ!みんな」

そうして、アレク達は魔ノ国へ転移する。
転移した先は、転移の魔道具がある場所であり、すでにジキタリスが待っていた。

「ご無沙汰しております。お元気そうで何よりです。魔王様も、首を長くしてお待ちしておりますので、向かいましょう」

「お久しぶりです。ジキタリスさんも元気そうですね。え?ラヴァーナ様もわざわざ見にきてるのですか?」

今日は、ラヴァーナに会いにきた訳ではないのだが、どうやらラヴァーナも観戦するようなのだ。

「はい!楽しみにされておりました。あ!そうでした。皆様、私はジキタリスと申します。よろしくお願い致します」

綺麗な所作で、挨拶をする。ランス達は、あまりの綺麗な挨拶に緊張してしまう。

「お初にお目にかかります。ウズベル王国第三王女エリーゼと申します」

「私は、レオナード・フォン・アングレスと申します。よろしくお願い致します」

だが、レオナードとエリーゼは、慣れたように挨拶をする。流石、伯爵家嫡男と王女殿下と言ったところだろう。
しかし、ランスとセトとスローとレティーは、緊張のあまり変な敬語で挨拶をしてしまうのだ。ジキタリスは、変な挨拶でも笑うことなく笑顔で「よろしくお願いします」と言って答えるのだ。あの挨拶を笑わずに受け答えするとは流石だなと思うアレク。

「それでは、魔王様がお待ちですので、そろそろ参りましょうか」

「そうですね。あまりお待たせするわけにはいけませんね」

アレク達は、ジキタリスの後をついて行き、ラヴァーナが待つ訓練場へと向かう。





訓練場へと着くと既に訓練が行われており、魔王の子供達であるリリスとウァラクとパスクの弟のアギケがラヴァーナにしごかれていたのだ。
その訓練とは、三人が一斉にラヴァーナに襲いかかり返り討ちに合うというのを繰り返していた。

「俺達もあれをするのか......?」

ランスが、凄く嫌そうな顔でアレクを見る。他の皆も同じように嫌な顔をしたり恐怖する顔になるのだ。

「いや!あれは流石に......ちゃんとした計画を立ててあるから心配しないで」

それを聞いた皆は、胸を撫で下ろし安堵する。
それから、ラヴァーナによるしごきが終わるのを待っていると、ラヴァーナがこちらに気付いたようでやってくる。

「久しいな!アレクよ!お!後ろにおるのが、アレクの言っていた者たちだな。よろしく頼む」

ラヴァーナの強者のオーラに当てられたランス達は、ガチガチに固まってしまうのだ。

「どうしたのだ?」

ラヴァーナは、ガチガチに固まるランス達を見て何が合ったのかと聞く。

「ラヴァーナ様の所為ですよ。オーラが出まくりです。闘争心を抑えて話して下さい。みんな萎縮してしまってますよ」

「あ!すまぬすまぬ!訓練といっても戦いは戦いであるからな。出てしまうのだ。これで平気か?」

闘争心を抑えるラヴァーナだったが、アレクはランス達と戦いたいとか言わないよなと心配すると同時によくリリスとウァラクとアギケはあれに耐えているなと思うのであった。
しおりを挟む
感想 2,193

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *無断転載、無断翻訳を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス

於田縫紀
ファンタジー
 雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。  場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?

伽羅
ファンタジー
 転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。  このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。  自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。 そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。 このまま下町でスローライフを送れるのか?

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。