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第8章 復学生活の始まり

第344話 ナハス先生の初授業!いきなり問題を起こす?

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あれから天使のナハスがどうなったかというと、見た目が大人なので生徒という訳にはいかず、学園長が決めたのは、新任の教師になることだった。
本人は、やる気満々で「はい!任せて下さい」と言ってはいるが、大丈夫なのだろうかとアレクは思う。

「ナハス先生、今日が初の授業ですが、何を教えるつもりですか?」

イエラ先生は、新任の先生ナハスの指導役としてついたので、心配で尋ねる。イエラ先生は、天使と知っているので正直指導役が私でいいのだろうかと思っている。

「あ!イエラ先生、おはようございます。今日は、天使と悪魔の戦争......」

「駄目~!そんなこと誰も知りませんし、大事になりますよ!そうですね......魔法学を教科書通りに教えるとか......」

イエラ先生は、問題にならないようにしないといけないと思い、単純な授業を推奨する。

「学園長の許可は、頂いてますよ。Sクラスの専任として普通の教師が教えられないことを教えるようにと」

しれっと学園長が絡んでいることを話すナハス。

「学園長から何も聞いてませんよ。私......いらないのでは......指導役になってませんよ」

イエラ先生は、肩をガクッと落としてしまうのだ。

「イエラ先生には、常識を教わりたいのです。天使と人間では考え方などが異なりますから。間違ったことをしていたら注意して下さい。頼りにしています」

「え~更に荷が重たいです。私どうしたらいいのでしょう」

天使に対して指導するのもおこがましいのに、更に注意までしろと言われて、イエラ先生は、今後どうしたらいいのだろうと悩むのだ。

「そんな深く考えたら駄目!気楽に気楽に」

肩をポンポンと叩いて、ナハスはSクラスへと向うのだ。後ろでは「はぁぁぁ~」とため息をつくイエラ先生。





「新任講師のナハスよ。今日からSクラス担当で色々教えていくからよろしく~」

軽い挨拶をするナハス。天使と知っているランスやレオナードやエリーゼやセトは、目を丸くして驚く。しかし、それ以外の生徒は、絶世の美女を前にして頬を赤らめたり、綺麗過ぎて固まるのだ。

「そこの生徒達、顔が赤いけど熱でもあるんじゃないの?先生が計ってあげるわ」

そう言って、赤らめる生徒に近付いておでことおでこを合わせるナハス。すると、その生徒は限界を迎えて顔を真っ赤にして後ろへと倒れてしまうのだ。

「え?え~大丈夫?」

「ナハス先生は、授業を始めて下さい!私が保健室に連れていきますから。それから、無闇矢鱈に先生を触らないで下さい」

ナハスは、何が起きたのかさっぱりわからず頭に?を浮かべる。そして、イエラ先生がその生徒を保健室に連れて行くのだが、これは先が思いやられるなと感じながら、またまたため息を吐くのだ。

「えへへ、なんだかわからないけど、いきなり大変なことになったわね。みんなも、体調が悪かったら、すぐ言うように!じゃあ、授業を始めるわよ~」

それを聞いたSクラス全員が『あんたの所為だよ』と心の中でツッコむのだ。そう言われていていることに気付いていないナハスは、淡々と授業を始める。

「今日は、1000年前に行われた天使と悪魔の戦争の話をしま~す。他では聞けないからみんな寝ないようにね」

すると、一人の生徒が手を挙げる。

「ん?質問かな?どうしたのかしら?」

「天使と悪魔がいるなど聞いたことがありません。本当に存在するのですか?ましてや、神様がいるのすら怪しいのですが......」

それを聞いたアレクは、『神様もいるし天使は目の前にいますよ』と心の中で呟く。
ランス達は、机に伏せて笑いを堪えているのだ。天使に対して天使がいるのかという質問をぶつけた所為である。

「姿を見せないからいるかいないか怪しいのは確かよね。正直信じても信じなくても私はどっちでも構わないわ。じゃあ、こうしましょう。信じられない人は、今日の話を言い伝え程度に聞いてほしいわ」

正直な話、存在を否定されたからと言って怒るようなことはない。何故なら、天使は人間を下に見ており、そんな存在にどう思われようがどうでもいいのである。

「じゃあ、始めるわよ。天使と悪魔が、何故いがみ合って戦争を始めたのか......」

その後は、淡々と授業が進んだ。しかし、あまりにも内容が過激でリアルだった為に、全員がいつの間にか真剣な顔で聞いているのだ。そして、授業が終わると拍手が生まれる程であった。
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