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第8章 復学生活の始まり

第343話 召喚術の授業!やらかすアレク編

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「アレクくん、準備はいいですか?」

イエラ先生が、アレクに近寄り声をかける。

「はい!大丈夫です」

そう言ってアレクは、魔法陣に近付いて最大魔力量を流し込むのだ。あまりの魔力量に突風が吹き荒れて、みんながしゃがみ込んだり物にしがみついたりして耐えるのである。そして、魔法陣は青ではなく金色に輝く。

「キャァァァ!魔法陣が金色に輝くなんて聞いたことがありません」

イエラ先生は、飛ばされないように物にしがみつきながら、あり得ない現象を目にする。

「あら?これは召喚術かしら?私が呼び出されるなんて...ってえぇぇぇ~半神様ぁぁぁ
!」

召喚されたのは、天使の輪があり、背中に白い羽が生えている。所謂天使であった。そして、アレクを見るなり半神様だと言うのだ。

「ちょっと黙ろうか!人間!俺は人間!わかったかな?」

アレクは、天使に顔を近付けて真剣な顔で言うのだ。天使は、その圧に負けてコクコクと首を縦に振る。

「それで、契約はしてくるのかな?」

「は、はい~!貴方様であれば、すぐにでもご契約致します。なんなりとご命じ下さい。もし必要とあらば、部下を全員召集させますが...」

忠実そうなのはいいのだが、何故か怖い発言をする天使なのだ。

「召集させなくていいからね。それより名前だよね?う~ん?あ!ナハスにしよう。ナハスよろしくね。契約してくれるかな?」

アレクは、前世で聞いたことのある天使の名前をつけたのだ。

「ナハスナハス...なんと素晴らしい響きなのでしょう。ご契約は完了致しました。今後とも何卒よろしくお願い致します。主様」

ナハスは、綺麗なお辞儀をして畏まったように言う。

「で、ナハスはいつ消えるの?魔力を吸い続けているけど...」

「何をおっしゃいますか!主様なら一生共にしても魔力が枯渇することはございません!暫くこちらに滞在するご許可を頂けませんか?人間の世界を知りたいのです」

天使を一生召喚し続けられる魔力量っておかしいだろうと思うと同時に、天使を人間界に置いていいのかと考えるのである。

「その羽と天使の輪を消すことは出来る?流石に目立ちすぎるよ」

「造作もないことです。これでよろしいでしょうか?」

本当に、羽も天使の輪も消えているのだ。そこには、ただの絶世の美女が佇んでいる。

「本当に出来るとは思わなかったよ。イエラ先生、そういうことらしいので一緒にいていいですか?」

アレクは、イエラ先生の方を向いて尋ねるが、イエラ先生もランス達も固まってしまっている。

「イエラ先生イエラ先生!!」

アレクは、イエラ先生の目の前で大きな声を出して呼ぶ。

「ハッ!アレクくん?私なんだか天使を見たような気がするのですが...」

「ナハス、羽と天使の輪を出して」

「は~い!畏まりました」

バサッと羽を出して頭には天使の輪が浮かぶ。

「て、天使!アレクくん!天使ですよ!天使!何を召喚しているのですか!」

イエラ先生は、取り乱したままアレクに話しかけるのだ。

「そんなこと言われても...出てきちゃったんですから...それよりも、人間の世界で生活したいらしいのですがいいですか?」

「天使ですよ!一大事件になります!すぐに学園長を呼んできますので、待っていて下さい」





「ホッホッホッ!またやらかしよったか?なんでも、天使を召喚しおったらしいの」

ドゥーマが、笑いながら演習場へとやってくる。イエラ先生は、もう疲れ切った表情をしているのだ。

「そのようです。一緒に生活したいらしいのですが、許可してもらえますか?」

「うむ。天使の輪と羽はどうするのだ?」

やはり、そこが一番の気になるところらしいが、流石学園長といったところで、取り乱す様子など一切ないのだ。

「それなら、この通りです」

アレクが、バッと振り返ると羽も天使の輪もない絶世の美女が立っていたのだ。

「ホッホッホッ!こりゃたまげた!許可しよう!イエラ先生、手続きは任せたからよろしく!じゃあ、天使さん人間の世界を楽しんどくれい」

そう言って学園長のドゥーマは、手を振って去って行く。ナハスも、手を振って学園長を見送るのだ。

「はぁ~...アレクくんとナハス様は、今すぐに応接室に来て下さい!手続きの書類を用意しますので」

完全に疲れ切って屍と化したイエラ先生は、淡々と話し始めてフラフラしながら歩き出す。しかし、固まる生徒を放置していいのかなと思いながらもアレクとナハスは、先生についていくのだった。
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