215 / 732
第8章 復学生活の始まり
第330話 決闘当日も相変わらずのウッドストック侯爵!
しおりを挟む
あれから、数日が経ち決闘の日を迎えた。
決闘を行うということで、王都のギルドにある訓練場を貸し切ることにしたのだ。
「俺が、こんなみすぼらしいところにわざわざ来てやったんだ。感謝してほしいものだな」
ウッドストック侯爵は、ギルドに入るなり、冒険者を敵に回すような発言をする。しかし、事前に侯爵が来ることと周りを兵士で完全に護衛されている為、冒険者は言い返すことも出来ないのだ。
「初めまして、ウッドストック侯爵!アレク・フォン・タカハシです」
アレクは、このどんよりした空気の中、平然とウッドストック侯爵に挨拶をするのだ。
「き、貴様ぁぁぁぁ!よくも大事な息子に手を出してくれたな!絶対に許さんからなぁぁぁ」
ウッドストック侯爵は、アレクの顔を見るなり顔を真っ赤にさせて唾が飛ぶ勢いで怒鳴りつけるのである。
「ハハ、アハハハ!これは傑作だよ。そっちから手を出しながら返り討ちに合えば、復讐かぁ。今まで何人ウッドストック兄弟にやられて、それを揉み消してきたのか...今日は、その報いを受けて貰うよ。ウッドストック」
アレクは、畏まりました言葉も侯爵や殿や卿すら付けず呼び捨てにするのだ。
辺境伯と侯爵が、同等の爵位であるからこそ言えることである。
「新参者風情が調子に乗りおって!許さん許さん許さん!クーザーわかっているな?」
「はい!父上!もう準備は出来ております。破滅へのね」
クーザーは、ほくそ笑みながらウッドストック侯爵に言うのだ。
「破滅とは言うようになったな!それでこそウッドストックの嫡男だ」
ウッドストックは、アレクに対して破滅という言葉を言ったと思い込み上機嫌になっているのだ。本当の意味を知らずに。
「決闘をするなら負けた方は、爵位返上と全財産没収にしたいんだけど、いいよね?まさか天下の侯爵様が怖くなって断ったりしませんよね?」
アレクは、更に挑発するような発言をウッドストック侯爵にするのだ。
「グギギギ、逃げるわけないだろう!貴様が廃爵し、落ちぶれた姿を見られると思うと愉快なものだ」
音が鳴るほど歯を食いしばるウッドストック侯爵。しかし、爵位返上したアレクの姿を思い浮かべて笑い出すのだ。
「では、魔法での誓約を結びましょう。お互い負けた後、無かったことにする訳にはいきませんからね」
急にアレクは真剣な顔になり、また畏まりました口調に戻るのだ。
「いいだろう!貴様に逃げられても困るからな」
ウッドストック侯爵は、もう勝った気でいるようで、自信満々の顔をするのだ。それから、ギルドの受付で魔法での誓約を結ぶのである。
「じゃあ、さっさと始めようか?」
「貴様、また舐めた口を聞きやがって」
アレクは、ウッドストック侯爵の言葉など無視するように地下にある訓練場に向かうのだ。
「父上、私の勇姿をこの目に焼き付けて下さい。さぁ、行きましょう!」
地団駄を踏むウッドストック侯爵を宥めるように嘘臭い言葉を並べるクーザー。
「そうだな!クーザーの勇姿をこの目でしかと見ようではないか。グッハハハハ」
クーザーの一言で、すぐに上機嫌となったウッドストック侯爵は、大笑いをしながら地下の訓練場に行くのである。
それを見ていたクーザーは、内心ヤレヤレと思うのだ。
「観客席には、強力な結界を張りましたので安心して皆さん見て下さい」
アレクは、事前に魔ノ国から借りてきた防御結界の魔道具を観客席に置いて起動させていたのだ。
冒険者達は、初めて見る決闘に興味津々となり、観客席に集まる。
「防音結界も張ればよかったかな?」
観客席では、ウッドストック侯爵が「殺せ」だの「殺ってしまえ」だのとずっと騒いでいるのだ。
「クーザー殿、初めまして!良き決闘を致しましょう」
「そうですね!胸を借りるつもりで戦わせて頂きます」
観客席まで声が届かないのを良いことに二人は健闘を願う言葉を交わすのだ。
「クーザー殿の父親に対して失礼だけど、本当にギャーギャーとうるさいね」
「私個人としてもお恥ずかしいばかりです。申し訳ございません」
クーザーは、共闘していることがわかってしまうので、頭を下げることはないが、アレクに対して申し訳なさそうに謝るのだ。
「両者、指定の位置について下さい」
二人が、話していると審判である受付嬢から指定の位置に付くように言われるのだ。
「では、これより決闘を行います。両者始め!」
拡声器の魔道具を受付嬢に渡し、観客席から決闘の合図を出してもらうのだ。受付嬢が怪我をしないようにする為の配慮である。
そして、決闘の合図が出されて、二人は対峙するのであった。
決闘を行うということで、王都のギルドにある訓練場を貸し切ることにしたのだ。
「俺が、こんなみすぼらしいところにわざわざ来てやったんだ。感謝してほしいものだな」
ウッドストック侯爵は、ギルドに入るなり、冒険者を敵に回すような発言をする。しかし、事前に侯爵が来ることと周りを兵士で完全に護衛されている為、冒険者は言い返すことも出来ないのだ。
「初めまして、ウッドストック侯爵!アレク・フォン・タカハシです」
アレクは、このどんよりした空気の中、平然とウッドストック侯爵に挨拶をするのだ。
「き、貴様ぁぁぁぁ!よくも大事な息子に手を出してくれたな!絶対に許さんからなぁぁぁ」
ウッドストック侯爵は、アレクの顔を見るなり顔を真っ赤にさせて唾が飛ぶ勢いで怒鳴りつけるのである。
「ハハ、アハハハ!これは傑作だよ。そっちから手を出しながら返り討ちに合えば、復讐かぁ。今まで何人ウッドストック兄弟にやられて、それを揉み消してきたのか...今日は、その報いを受けて貰うよ。ウッドストック」
アレクは、畏まりました言葉も侯爵や殿や卿すら付けず呼び捨てにするのだ。
辺境伯と侯爵が、同等の爵位であるからこそ言えることである。
「新参者風情が調子に乗りおって!許さん許さん許さん!クーザーわかっているな?」
「はい!父上!もう準備は出来ております。破滅へのね」
クーザーは、ほくそ笑みながらウッドストック侯爵に言うのだ。
「破滅とは言うようになったな!それでこそウッドストックの嫡男だ」
ウッドストックは、アレクに対して破滅という言葉を言ったと思い込み上機嫌になっているのだ。本当の意味を知らずに。
「決闘をするなら負けた方は、爵位返上と全財産没収にしたいんだけど、いいよね?まさか天下の侯爵様が怖くなって断ったりしませんよね?」
アレクは、更に挑発するような発言をウッドストック侯爵にするのだ。
「グギギギ、逃げるわけないだろう!貴様が廃爵し、落ちぶれた姿を見られると思うと愉快なものだ」
音が鳴るほど歯を食いしばるウッドストック侯爵。しかし、爵位返上したアレクの姿を思い浮かべて笑い出すのだ。
「では、魔法での誓約を結びましょう。お互い負けた後、無かったことにする訳にはいきませんからね」
急にアレクは真剣な顔になり、また畏まりました口調に戻るのだ。
「いいだろう!貴様に逃げられても困るからな」
ウッドストック侯爵は、もう勝った気でいるようで、自信満々の顔をするのだ。それから、ギルドの受付で魔法での誓約を結ぶのである。
「じゃあ、さっさと始めようか?」
「貴様、また舐めた口を聞きやがって」
アレクは、ウッドストック侯爵の言葉など無視するように地下にある訓練場に向かうのだ。
「父上、私の勇姿をこの目に焼き付けて下さい。さぁ、行きましょう!」
地団駄を踏むウッドストック侯爵を宥めるように嘘臭い言葉を並べるクーザー。
「そうだな!クーザーの勇姿をこの目でしかと見ようではないか。グッハハハハ」
クーザーの一言で、すぐに上機嫌となったウッドストック侯爵は、大笑いをしながら地下の訓練場に行くのである。
それを見ていたクーザーは、内心ヤレヤレと思うのだ。
「観客席には、強力な結界を張りましたので安心して皆さん見て下さい」
アレクは、事前に魔ノ国から借りてきた防御結界の魔道具を観客席に置いて起動させていたのだ。
冒険者達は、初めて見る決闘に興味津々となり、観客席に集まる。
「防音結界も張ればよかったかな?」
観客席では、ウッドストック侯爵が「殺せ」だの「殺ってしまえ」だのとずっと騒いでいるのだ。
「クーザー殿、初めまして!良き決闘を致しましょう」
「そうですね!胸を借りるつもりで戦わせて頂きます」
観客席まで声が届かないのを良いことに二人は健闘を願う言葉を交わすのだ。
「クーザー殿の父親に対して失礼だけど、本当にギャーギャーとうるさいね」
「私個人としてもお恥ずかしいばかりです。申し訳ございません」
クーザーは、共闘していることがわかってしまうので、頭を下げることはないが、アレクに対して申し訳なさそうに謝るのだ。
「両者、指定の位置について下さい」
二人が、話していると審判である受付嬢から指定の位置に付くように言われるのだ。
「では、これより決闘を行います。両者始め!」
拡声器の魔道具を受付嬢に渡し、観客席から決闘の合図を出してもらうのだ。受付嬢が怪我をしないようにする為の配慮である。
そして、決闘の合図が出されて、二人は対峙するのであった。
44
お気に入りに追加
5,417
あなたにおすすめの小説
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
女子力の高い僕は異世界でお菓子屋さんになりました
初昔 茶ノ介
ファンタジー
昔から低身長、童顔、お料理上手、家がお菓子屋さん、etc.と女子力満載の高校2年の冬樹 幸(ふゆき ゆき)は男子なのに周りからのヒロインのような扱いに日々悩んでいた。
ある日、学校の帰りに道に悩んでいるおばあさんを助けると、そのおばあさんはただのおばあさんではなく女神様だった。
冗談半分で言ったことを叶えると言い出し、目が覚めた先は見覚えのない森の中で…。
のんびり書いていきたいと思います。
よければ感想等お願いします。
魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
西園寺若葉
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
- この話はフィクションです。
- カクヨム様でも連載しています。
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
異世界転生したら何でも出来る天才だった。
桂木 鏡夜
ファンタジー
高校入学早々に大型トラックに跳ねられ死ぬが気がつけば自分は3歳の可愛いらしい幼児に転生していた。
だが等本人は前世で特に興味がある事もなく、それは異世界に来ても同じだった。
そんな主人公アルスが何故俺が異世界?と自分の存在意義を見いだせずにいるが、10歳になり必ず受けなければならない学校の入学テストで思わぬ自分の才能に気づくのであった。
===========================
始めから強い設定ですが、徐々に強くなっていく感じになっております。
転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!
akechi
ファンタジー
アウラード大帝国の第四皇女として生まれたアレクシア。だが、母親である側妃からは愛されず、父親である皇帝ルシアードには会った事もなかった…が、アレクシアは蔑ろにされているのを良いことに自由を満喫していた。
そう、アレクシアは前世の記憶を持って生まれたのだ。前世は大賢者として伝説になっているアリアナという女性だ。アレクシアは昔の知恵を使い、様々な事件を解決していく内に昔の仲間と再会したりと皆に愛されていくお話。
※コメディ寄りです。
異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト)
前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した
生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ
魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する
ということで努力していくことにしました
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。