チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

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第8章 復学生活の始まり

第329話 訪問・決闘・思惑・裏切り!

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「なにぃぃぃぃ!来いだと!」

ウッドストック侯爵は、アレクからの書簡を読んでいるのだ。

「旦那様...」

執事は、どうしたものかといったような顔をするのだ。

「成り立ての辺境伯の分際で俺に盾突くだと!クソがぁぁぁぁ!今すぐ、クーザーを呼べ」

「クーザー坊ちゃまをですか?」

「あぁ~あいつなら期待に応えてくれるはずだ。戦争を仕掛けたいが、後々面倒になるからな。決闘で完膚無きまでに叩きのめす」

クーザーとは、ウッドストック兄弟の一番上の兄らしく、学園から学院に進学したエリートなのだ。

「畏まりました!学院に報告を致します」





数日が経ち、クーザーが屋敷に帰ってきたのだ。

「父上、お久しぶりです。私に用件があると伺いましたが...」

「よく来てくれたな。二人の様子は見てきたのか?」

「はい!治癒院によってきました。魔力回路を完全に潰されたようですね。用件とは、そのことでしょうか?」

クーザーは、ウッドストック兄弟の様子を伺いに行ったようだが、狼狽える様子もなく淡々と話すのだ。

「そうだ!二人をあのようにしたタカハシ辺境伯と決闘をしろ!完膚無きまでに叩きのめすのだ。殺しても構わん!なんなら殺せぇぇぇ」

顔を真っ赤にさせながら怒り狂ったように話し出すウッドストック侯爵。

「父上、落ち着いて下さい。相手は、タカハシ辺境伯ですか...噂通りであれば、私では歯が立ちませんよ」

「噂通りな訳があるかぁぁぁ!13歳の小僧が一人でスタンピードを止められるはずがなかろう!陛下の思惑に決まっている」

これを聞いた瞬間、クーザーは今の父に何を言っても聞く耳を持たないだろうと思ったのだ。

「わかりました。決闘をしましょう。しかし、学院から急に来たものでして、3日お時間を頂けませんか?」

「そうだな。急に呼び出してすまなかった。3日間時間をやろう!もう行っていいぞ」

ウッドストック侯爵は、ニヤニヤしながら勝ち誇ったような顔をしているのだ。

「はい!では、失礼します」

この時クーザーは、既に別の事を考えて行動に移そうとしていたのである。





「タカハシ辺境伯様、お忙しい中、私のような者にお時間を割いて頂きありがとうございます」

「いえいえ、暇をしていましたから問題ありません。それで、訪ねてきたご用件とは?クーザー殿」

クーザーは、単独でアレクの下を訪れていたのだ。今は、応接室でお互い向かい合いながら座っている。アレクの後ろには、アサシンが控え、膝にはマンテ爺が座っている。

「明日には、父から私との決闘の申し込みが書かれた手紙が届くと思われます。ですが、正直やりたくないのが本音なのです」

クーザーは、真剣な顔でアレクを見据えながら話しだしたのだ。

「決闘ですか...それで、決闘をしたくない理由とは何ですか?」

アレクは、ウッドストック兄弟とウッドストック侯爵の行動を見て来ており、正直クーザーを信用していないのだ。

「タカハシ辺境伯様に勝てる見込みがないことと、昔から父もあの二人のことも好きになれないからです。父のことは将来の為に、利用しているに過ぎません」

クーザーからは、思いもよらない言葉が飛び出し、アレクは思わず「え?」と声が出そうになるのだ。

「俺は、まだ信用していないよ。魔法による誓約が出来るならクーザー殿だけ生きる道を示してあげられるけどどうする?」

アレクは、畏まりました言葉遣いをやめて、相手を見定めに入るのだ。

「今の環境を謳歌出来るのであれば、魔法による誓約を受け入れます。もし、信用できないのであれば、誓約に死を追加して頂いても構いません」

アレクは、その言葉を聞いてクーザーは、本音で話しているのだと感じるのだ。

「俺の案だけど、決闘はしよう!クーザー殿の実力がみたいしね。それでね...」

アレクは、決闘で負けた場合、爵位返上にすることと全財産没収を賭けることにしたいと伝えた。勿論、クーザーには手を抜くことなく全力で来いと伝えるのだ。そして、クーザーが負けた場合、アレクが資金を出して今まで通り学院に通えるようにすると伝えたのだ。唯一気掛かりなのが、長男であるクーザーが侯爵を継げなくなることである。

「アッハハハ...辺境伯様の前で申し訳ございません。ですが、あまりにも突飛過ぎまして...ですが、その話乗りましょう!それに、元々与えられた侯爵などに興味はありません。自分で勝ち取ってこそ意味がありますから」

クーザーは、涙を浮かべながら大笑いをするのだ。しかも、アレクの好きなタイプの人間のようで、アレクも自然と笑みが溢れる。

「じゃあ、早速魔法での誓約を結ぼうか!ファビロ、用意を頼む」

「畏まりました」

その後、アレクとクーザーは、魔法での誓約を結び、握手を交わすのであった。
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