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第8章 復学生活の始まり
第323話 風紀委員会の現状と異世界の身分差!
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「ずっと気になってたんだけど、パスクさんとマンテ爺の姿が見えないけど、どうしたの?」
授業が終わり放課後となり、帰り支度をしていると、横の席のセトが尋ねてくる。
「パスクは、子爵なったから従者としては来られないんだ。マンテ爺は、俺の師匠と狩りに行ってるよ」
「そっか...もうパスクさんに会えないのか...残念だな...また会いたかったな!フフッ、マンテ爺には、学園より狩りの方が似合うね」
セトは、パスクに会えないことを悲しんでいるようであった。
「卒業したら俺の領地に遊びにおいでよ。いつでもパスクと会えるよ」
「え?行っていいの?」
セトは、目を輝かせながら尋ねてくる。
「うん!転移で迎えに行くからみんなで来たらいいよ。まぁ、まだ領地は決まってないけどね。なんでも、開拓から始めないといけないらしくてさ」
「開拓からって大変なんだね...でもアレクくんなら凄い領地にしちゃいそうだよ」
セトは、こんなに常人離れしたアレクなら、凄いことをしてしまうんじゃないなと感じるのだ。
「アッハハハ、凄い領地ってどんなのを想像してるのさ。普通のを作るよ。多分だけど...」
「アレクくんならきっとアッと驚くような物を作るんだろうな。楽しみだなぁ」
「アレク、約束通り今から一緒に行くぞ!ついて来い」
セトと話していると、ギルバートがやってきて、風紀委員の件で呼ばれるのである。
「あ、は~い!今行きます」
アレクは、魔法鞄に急いで教科書などを仕舞ってギルバートの下へ行くのだ。
「アレクくん、どこ行くの?」
「風紀委員だよ。じゃあ、行ってくるから、また明日ね」
「うん!また明日~」
セトは、手を振って見送る。アレクも手を振って返すのだ。
「相変わらず忙しないやつだな。まぁ、アレクらしいけどよ」
ランスが、慌てて出ていくアレクを見て呟くのであった。
◆
「先生、俺が行くことは伝えてくれてるのですか?」
風紀委員の部屋に向かう最中、アレクがギルバートに尋ねる。
「風紀委員長には伝えてある。まぁ、そう緊張するな。優しいやつばかりだからな」
「はぁ...」
アレクは、緊張しているわけではなく、また面倒なのがいて絡まれるんじゃないかと心配しているだけなのだ。
「アレク、着いたぞ!ここが、風紀委員の部屋だ」
立派なドアや扉というわけではなく平凡な感じなのである。
トントントンとギルバートがノックをする。
「アレクを連れてきた。入っていいか?」
「はい!どうぞ、お入り下さい」
部屋の中から優しそうな男性の声が聞こえる。
そして、アレクとギルバートは、部屋に入るのだ。
「フェリウス、俺はこれから用があるからあとは頼んだぞ」
「はい!任せて下さい」
「じゃあ、アレク頑張れよ」
ギルバートは、部屋に入るなり、そう言ってすぐに退出するのだ。
「君が、アレクくんだね。私は、風紀委員長をしている三年のフェリウスだよ。よろしくね。それと、言葉遣いが気に入らないなら言ってね。一応、ギルバート先生から畏まらないよう言われているから、こうしているんだけどさ」
銀髪マッシュヘアーの見たからに優男な雰囲気のフェリウスがアレクに声をかける。
「フェリウス先輩、よろしくお願いします。学園内では先輩と後輩の関係でいたいので、そのままの言葉遣いでお願いします」
「そう言って貰えて嬉しいよ。辺境伯様がやってくると聞いた時は、みんな慌てたからさ。アハハハ」
他の風紀委員の生徒達も安堵のため息を漏らすのだ。そして、他の生徒もアレクへと挨拶をしてアレクも挨拶を返すのである。
「じゃあ、早速報告会を始めようか?アレクくんは、そこの空いてる席に座って見学していてくれないかな?」
それから、学園内であった暴力事件やいざこざやイジメ問題について報告が上がるのだ。そして、最後にアレクのお尻ペンペン事件も議題に上がる。
「今日の登校時の担当は、ロレンツくんとシャルルさんだったよね?何故、アレクくんが場を収めるまで何もしなかったの?それに、お尻ペンペンをしている時にも止めに入らなかったらしいね」
フェリウスは、優しい口調だが、ロレンツとシャルルを見ながら責めるように言うのだ。
「それは...その~」
「えっと...」
ロレンツもシャルルも、どもりながら答えるのだ。
「はっきり答えなさい!もし、大事になっていたらどうしていたんだ!」
フェリウスは、口調を強めて二人に言う。
二人は、同時に「申し訳ございません」と言って謝る。
「ふぅ~強く言って悪かったよ。どうしてか教えてくれないか?じゃあ、ロレンツが代表して話してくれ」
「は、はい!イスラス様...いえイスラスくんは、伯爵家のご子息だった為、手を出すことが出来ませんでした。それと、お尻ペンペンの時は、先生から止められました」
ロレンツは答えると、すぐに下を向いてしまい涙を流すのだ。後悔からなのか?フェリウスに責められたからなのか?はわからない。
「はぁぁぁ...アレクくん!これが、今の風紀委員の現状なんだよ。ガッカリしただろ?」
アレクは、ガッカリよりも異世界の風紀委員とは大変だなと思うのであった。
授業が終わり放課後となり、帰り支度をしていると、横の席のセトが尋ねてくる。
「パスクは、子爵なったから従者としては来られないんだ。マンテ爺は、俺の師匠と狩りに行ってるよ」
「そっか...もうパスクさんに会えないのか...残念だな...また会いたかったな!フフッ、マンテ爺には、学園より狩りの方が似合うね」
セトは、パスクに会えないことを悲しんでいるようであった。
「卒業したら俺の領地に遊びにおいでよ。いつでもパスクと会えるよ」
「え?行っていいの?」
セトは、目を輝かせながら尋ねてくる。
「うん!転移で迎えに行くからみんなで来たらいいよ。まぁ、まだ領地は決まってないけどね。なんでも、開拓から始めないといけないらしくてさ」
「開拓からって大変なんだね...でもアレクくんなら凄い領地にしちゃいそうだよ」
セトは、こんなに常人離れしたアレクなら、凄いことをしてしまうんじゃないなと感じるのだ。
「アッハハハ、凄い領地ってどんなのを想像してるのさ。普通のを作るよ。多分だけど...」
「アレクくんならきっとアッと驚くような物を作るんだろうな。楽しみだなぁ」
「アレク、約束通り今から一緒に行くぞ!ついて来い」
セトと話していると、ギルバートがやってきて、風紀委員の件で呼ばれるのである。
「あ、は~い!今行きます」
アレクは、魔法鞄に急いで教科書などを仕舞ってギルバートの下へ行くのだ。
「アレクくん、どこ行くの?」
「風紀委員だよ。じゃあ、行ってくるから、また明日ね」
「うん!また明日~」
セトは、手を振って見送る。アレクも手を振って返すのだ。
「相変わらず忙しないやつだな。まぁ、アレクらしいけどよ」
ランスが、慌てて出ていくアレクを見て呟くのであった。
◆
「先生、俺が行くことは伝えてくれてるのですか?」
風紀委員の部屋に向かう最中、アレクがギルバートに尋ねる。
「風紀委員長には伝えてある。まぁ、そう緊張するな。優しいやつばかりだからな」
「はぁ...」
アレクは、緊張しているわけではなく、また面倒なのがいて絡まれるんじゃないかと心配しているだけなのだ。
「アレク、着いたぞ!ここが、風紀委員の部屋だ」
立派なドアや扉というわけではなく平凡な感じなのである。
トントントンとギルバートがノックをする。
「アレクを連れてきた。入っていいか?」
「はい!どうぞ、お入り下さい」
部屋の中から優しそうな男性の声が聞こえる。
そして、アレクとギルバートは、部屋に入るのだ。
「フェリウス、俺はこれから用があるからあとは頼んだぞ」
「はい!任せて下さい」
「じゃあ、アレク頑張れよ」
ギルバートは、部屋に入るなり、そう言ってすぐに退出するのだ。
「君が、アレクくんだね。私は、風紀委員長をしている三年のフェリウスだよ。よろしくね。それと、言葉遣いが気に入らないなら言ってね。一応、ギルバート先生から畏まらないよう言われているから、こうしているんだけどさ」
銀髪マッシュヘアーの見たからに優男な雰囲気のフェリウスがアレクに声をかける。
「フェリウス先輩、よろしくお願いします。学園内では先輩と後輩の関係でいたいので、そのままの言葉遣いでお願いします」
「そう言って貰えて嬉しいよ。辺境伯様がやってくると聞いた時は、みんな慌てたからさ。アハハハ」
他の風紀委員の生徒達も安堵のため息を漏らすのだ。そして、他の生徒もアレクへと挨拶をしてアレクも挨拶を返すのである。
「じゃあ、早速報告会を始めようか?アレクくんは、そこの空いてる席に座って見学していてくれないかな?」
それから、学園内であった暴力事件やいざこざやイジメ問題について報告が上がるのだ。そして、最後にアレクのお尻ペンペン事件も議題に上がる。
「今日の登校時の担当は、ロレンツくんとシャルルさんだったよね?何故、アレクくんが場を収めるまで何もしなかったの?それに、お尻ペンペンをしている時にも止めに入らなかったらしいね」
フェリウスは、優しい口調だが、ロレンツとシャルルを見ながら責めるように言うのだ。
「それは...その~」
「えっと...」
ロレンツもシャルルも、どもりながら答えるのだ。
「はっきり答えなさい!もし、大事になっていたらどうしていたんだ!」
フェリウスは、口調を強めて二人に言う。
二人は、同時に「申し訳ございません」と言って謝る。
「ふぅ~強く言って悪かったよ。どうしてか教えてくれないか?じゃあ、ロレンツが代表して話してくれ」
「は、はい!イスラス様...いえイスラスくんは、伯爵家のご子息だった為、手を出すことが出来ませんでした。それと、お尻ペンペンの時は、先生から止められました」
ロレンツは答えると、すぐに下を向いてしまい涙を流すのだ。後悔からなのか?フェリウスに責められたからなのか?はわからない。
「はぁぁぁ...アレクくん!これが、今の風紀委員の現状なんだよ。ガッカリしただろ?」
アレクは、ガッカリよりも異世界の風紀委員とは大変だなと思うのであった。
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