チート薬学で成り上がり！ 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました！

第8章 復学生活の始まり

第321話 ギルバートからの提案と久々のクラスメイト！

「アレクのお陰で、見事1時間目は自習となっているからな。それより、従者のパスクの姿が見えないが、どうしたんだ？」

この学園には、貴族であれば従者を一人連れてきていい決まりとなっている。だが、アレクは一人で学園に来ているのだ。それにイスラスも、従者をいないことで平民と勘違いしたのだろう。

「子爵に叙爵されたので、後任を探している最中なんです。最悪、従者なしでも構いませんか？」

「まぁ、従者を必ず連れて来ないといけない規則はないから、一人でも構わないが...平民だと勘違いされて、また舐めた口を聞いてくるやつがいるかもしれないぞ」

学園では、皆平等と謳ってはいるが、少なからず差別はあるのだ。

「その時は、今回みたいに対処しますよ。先生には迷惑をかけると思いますが...」

「俺は構わないぞ。俺からしても常識のないやつをそのまま卒業させたくないからな。そうだ！風紀委員に入るのはどうだ？」

「どうだと言われましても...風紀委員の存在も今知りましたし、そんなあっさり入れるものなのですか？」

ギルバートは、真剣な顔をして薦めてくるのだが、前世の記憶から各種委員会とは、すでに人選が決まっており、入る余地などないだろうと思ってアレク。

「そんなことはないぞ。今回、廃爵になった貴族が何人もいるだろ？その所為で、学園を辞めたり不登校になった生徒が多数いる。その中に、生徒会のやつや委員会のやつもいたんだ。それで、風紀委員にも空きがある」

「そうなんですね。でもまた何故風紀委員なんですか？」

委員会に空席があることはわかったのだが、何故風紀委員入りを推しているのかわからないのである。

「風紀委員は、学園の風紀を取り締まる委員会だ。だが、今までの生徒会も委員会も貴族だけしかおらず、必然と貴族が有利になるようになっていたんだ。それを、変えてほしい！アレクなら公平に罰を下すことができるだろう？」

「え～！それを聞いたら嫌ですよ。周りにいるのが、変な貴族の子息や令嬢ばかりなんでしょ？」

アレクは、偉そうな子息やキーキーうるさい令嬢を思い浮かべて嫌な顔をするのだ。

「それに関しては、問題ないぞ！風紀委員に残ったやつらは、まともなのばかりだからな。それに、男爵や子爵の子息や令嬢ばかりになってしまって権力不足が懸念されているところだ」

アレクは、権力不足とはどういうことかわからず、頭に？を浮かべる。

「権力不足とは、どういうことですか？」

「風紀委員とは、風紀を乱す者を取り締まる委員会と言ったな。もし、風紀を乱したやつが上級貴族の場合どうなると思う？」

アレクは、すぐに何が問題なのかを理解するのだ。

「そういうことですか...それで、侯爵と同等の俺が入れば問題が解消されると」

「そういうことだ。入る入らないは、別にして放課後に風紀委員会に行ってみないか？」

上級貴族の場合、逆らうことが出来ず言いなりになるしかないか、逆らった場合、家の問題まで発展する恐れがあるのだ。それを、抑制させる為にアレクに入ってもらいたいのである。そして、アレク自身も今までのように問題に発展することなく、取り締まりとして公に問題を解決することができるのだ。

「そこまで言って頂けるなら放課後行ってみたいと思います」

「よし！決まりだな！そろそろ1限目が終わるから教室に向おうか」

「はい！わかりました」

アレクは、ギルバートと一緒に部屋を出て、皆が待つSクラスの教室に向かう。


◆


「知ってるやつもいれば知らないやつもいると思うが、アレクが復学することとなった！アレク、自己紹介をしてくれ」

教団の前へ立つアレクは、教室内を見渡す。すると、見知った顔を発見して安心するのだ。

「アレク・フォン・タカハシと申します。俺は、身分関係なく色んな人と仲良くなりたいと考えているので気兼ねなく話しかけて下さい！よろしくお願いします」

アレクが、話し終えるとパチパチパチと拍手が鳴る。

「アレク、待ってたぜ！」

赤い髪の少年ランスが、相変わらずの明るさでアレクを迎え入れるのだ。
他にも、レオナードや従者のフレデリカやセトやエリーゼや従者のイルタやスローとレティーも手を振ってくれたり笑顔で迎え入れてくれたりしてくれている。

「アレクは、セトの横の空いてる席に座れ！じゃあ、そろそろ授業を始めるぞ」

アレクは、言われた通りに空いてる席へと向かう。

「セト、久しぶり！会えて嬉しいよ」

「僕もだよ。それに、アレクは相変わらずみたいだね。僕を助けた時みたいに、また今日も鉄拳制裁したんでしょ？」

セトとは、入学時に虐められているところを救った獣人の男の子なのだ。

「え？なんで知ってるの？」

「みんなで、教室から見てたからね。アレク、またやってるよって笑いながらね。それより、お尻ペンペンは笑えたよ」

セトは、思い出し笑いをしながら、アレクに話すのだ。

「だって...あんなことするやつがいたら許せないだろ？報いは受けて...」

「アレクにセト、静かにしろ！久々なのはわかるが、授業始まってるからな！」

ギルバートが、アレクとセトを叱るのだ。アレクとセトは、「ごめんなさ～い」と言って謝る。すると、教室内が笑いに包まれるのだった。